'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月11日時点1556勝
先週も7勝の固め打ちで7月絶好調!モンドキャンノで7月重賞V4を狙う!
2016/7/22(金)
将来性秘めるモンドキャンノで世代最初の重賞ウィナーへ!
-:先週は土日福島で騎乗し、7勝の固め打ち!スゴい!
圭太:いやいや、本当にいい馬に乗せてもらっているだけなので……。いつも言っていることですが、乗せていただいて感謝です。
-:それでも、結果は結果ですからね!「苦手」と言っていた夏の福島開催をこれだけクリアしてきたことは、本当に収穫ではないのでしょうか?その中でも、サンマルティン(セ4、美浦・国枝厩舎)の勝ちっぷりは目を引きましたね。
圭太:(間髪いれずに)いやあ、スゴいですね……。
-:それだけジョッキーも手応えを感じられたと。
圭太:そうですね!道中なんかは走る気が満々!といった感じでしたが、最後の脚は素晴らしいですね。課題だったゲートも難なくこなしてくれて、本当にいい時に乗せてもらえたと思いますよ。
-:口ぶりからも、昇級しても問題なさそうですね!
圭太:ええ、関係ないでしょうね(キッパリ)!
-:そして、今週は函館2歳ステークス(G3)にモンドキャンノ(牡2、栗東・安田隆厩舎)と挑みます。毎年、難解な印象のレースですが、上位人気は間違いなさそうですね。
圭太:そうですね。初戦もいい勝ち方をしてくれまし、時計も良かったですね。早々とここを目標にしていたので、ここに出てくる馬たちの他のレースも、いつも以上に注視していました。負かした相手が次戦で良い勝ち方で勝ち上がってきていることからも、素直に前走は評価していいんじゃないかと思います。
-:2歳や3歳馬は新馬戦で快勝しても、次でも期待通りの走りが出来るか否かというと、アッサリ負けてしまうことも多々ありますものね。僕も2歳戦を見る上で前走の対戦相手はけっこう気にします。それ以外に気になる点を伺いたいのですが、一度使ったことでテンションの心配は大丈夫ですか?
圭太:正直に言えば、そこはわからないです!自信は持って臨みますが、やはりこの時季の2歳馬。未知数ですよね。
「適性から言えば、距離はもっとこなせそうな雰囲気なんですよ。完成度的にもまだまだ先。奥がある背中をしています」
-:本音の意見をありがとうございます(笑)。続いて、父キンシャサノキセキ、母父がサクラバクシンオーというバリバリの短距離血統ですよね。
圭太:ああ、そうでしたね。でも、適性から言えば、距離はもっとこなせそうな雰囲気なんですよ。完成度的にもまだまだ先。奥がある背中をしています。
-:決して活躍しているとは言いがたいですが、お姉さんのラクアミは昨年のクイーンCで騎乗されましたし、兄のハリーはよく乗っている馬場幸夫オーナーの所有馬ですね。
圭太:やはり乗った雰囲気でも一番フットワークの良さは感じますよね。まだ枠もわかりませんし、どんな展開になるかもわかりませんが、期待を持って挑めます。
-:その他のレースの展望もお聞かせください。日曜の函館から、松前特別のメイクアップ(牡5、栗東・谷厩舎)は東京で騎乗されました。
圭太:戦歴からも窺えるかと思いますが、しぶといイメージですね。
-:ただし、不良馬場での勝利経験はあるものの、前走の函館など、近走は渋った馬場が堪えているのかな?という印象も受けます。日曜の天気はわかりませんが、馬場適性はどうですか?
圭太:ああ、そうかもしれませんね。そういう馬場は滑ってしまうのかも。ただ、洋芝の良馬場ならばタイプ的にも合いそうですよ。
-:話題は土曜福島に移らせていただきます。いわき特別のクィーンズベスト(牝3、栗東・大久龍厩舎)は個人的にも圭太ジョッキーの騎乗馬の中で注目しています。
圭太:ええ、前走は以前乗せてもらった時とずいぶん印象は違いましたね。決してハナにこだわないタイプではないと思っているのですが、1頭他に行く馬がいるのは気になるところですね。
▲開幕週の結果ではあるが、当該コースの持ち時計はNo.1のモンドキャンノ
-:そして、福島コースですね。
圭太:初めてですが、何とかこなしてくれるんじゃないでしょうか。大丈夫だと思います。
-:白河特別はフルールシチー(牝5、栗東・西園厩舎)とのコンビ。6度目のタッグですね。
圭太:ずいぶん乗せてもらっていますよね。昔はハナに行くほどの勢いがあったのですが、ここ最近は年齢も重ねて、少しオットリしてきました。この距離ならば、もう少し気持ちもピリッとしていいかな、と思うのですが、差す形でも競馬はできていますから。ハマってほしいです。
-:最終レース(3歳上500万下)のプリンセスロック(牝4、美浦・大和田厩舎)は中山で未勝利勝ちをアシストされましたね。
圭太:一生懸命なタイプなんです。1150mという条件も合うんじゃないかと思いますよ。
-:最後に三陸特別のラテラス(牝4、美浦・高柳厩舎)はどうですか?
圭太:もっと走れていい雰囲気があるのですが……。ダートの千七がいい方に向いてくれることを期待しています。
充実の福島開催もいよいよオーラス!
-:その他のレース回顧も伺いたいのですが、惜敗続きだったリッカルド(セ5、美浦・黒岩厩舎)は待望のオープン入りですね!
圭太:終わってみた良かったと思うのは、100m短い距離で甘さを補えたことですね。それに、以前乗せていただいた時よりも成長を感じましたよ。
-:しかし、準オープンで4度の2着でしたからお見事です!先ほどのサンマルティン同様、勝ちっぷりに驚かされたのはダイワダッチェス(牝3、美浦・菊沢厩舎)です。
圭太:一見、硬めのフットワークの馬かな、と思っていたのですが、それも乗ってみると全然違いましたね。これも上に行って期待していい存在だと思いますよ!
-:サンマルティン、ダイワダッチェスと本当に先々も期待させられる走りでしたものね。サクラルコール(牡5、美浦・田島俊厩舎)はどうでしたか?
圭太:結果的に展開がハマったとはいえ、よく走ってくれましたよ。下級条件戦とはいえ、1年1ヶ月ぶりですか。力がないと出来ない芸当ですし、なかなか調整も難しいでしょうから。やっぱりここでは力が上でしたね。
▲リッカルドで惜敗続きにピリオドを打ち、戸崎Jも笑顔がこぼれた
-:敗れた馬から、ヨンカー(牡3、美浦・和田郎厩舎)はどうでしたか?
圭太:息が入らない展開になってしまいましたね。勝ち馬は前走、僕が乗せていただいていた馬で、距離はどうかな?なんて思っていたんです。それでも、連勝でしたからね。しかし、ヨンカー自身も以前から感じていた部分ではありますが、追ってからの甘さ。これは課題ですね。ここまでは素質の高さでカバーできていましたが、やはり上のクラスになればなるほど、適性条件や弱点はハッキリしてくると思います。この馬に関してはそこが良くなってほしいですね。
-:レース回顧もありがとうございました。振り返ってみると、福島開催も2位に大きく差をつける独壇場でしたね。
圭太:少し嬉しく思うのは、今年に期する思いがあって、色々と作戦なり講じてきたことが実っている実感はあったので、そこは素直に収穫と思いたいですね。
-:この勢いで新潟開催も行っちゃってください!先週は土日福島で、翌月曜日が盛岡での騎乗。そして、今週は水曜夜から札幌入りされて、木曜朝にチェッキーノ(牝3、美浦・藤沢和厩舎)のクイーンS(G3)1週前追い切りと大忙しですね。大変かと思います。
圭太:まあ、それが仕事なんでね……(笑)。
-:とはいっても、他にもトレーニングもあるでしょうから。チェッキーノの感触はいかがでしたか?
圭太:少し言い表しがたいのですが、テンションも上がらず上手に走ってくれましたよ。2度目なので、思い切っていきたいですね!
-:次週は土曜が新潟、日曜が札幌とまたまたお忙しいかと思いますが、引き続きよろしくお願いします。
圭太:頑張りますよ!
※次回は7月29日(金)に更新予定です!
▲新潟、札幌でも健闘を誓う戸崎騎手!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。