'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
12月16日時点1567勝
今週は土日とも新潟!テン乗りのグレンツェントを勝利に導けるか!?
2016/8/5(金)
巻き返しを期すグレンツェント その課題は!?
-:先週は土曜が新潟、日曜は札幌での騎乗。札幌ではクイーンS(G3)のチェッキーノ(牝3、美浦・藤沢和厩舎)に騎乗される予定でしたが、直前でまさかの回避。屈腱炎とは驚きました。
圭太:そうですね。僕も一週前追い切りに乗せていただいて、そんな雰囲気を感じなかっただけに驚きました。でも、今になって言えることですが、本追い切りで幾ら相手が良血馬とはいえ、デビュー前の2歳馬に併せて遅れていたのですから、何かしらの予兆はあったのかな、と思います。
-:現役続行を前提とのことですが、無事に帰ってきてくれることを祈るばかりですね。今週は以前のお話通り、土日ともに新潟での騎乗ですが、土曜新潟のダリア賞はハッピーランラン(牝2、美浦・手塚厩舎)に騎乗。3度目のコンビとなりますね。
圭太:正直、まだどういう条件が適性なのか、掴みかねている部分はありますが、福島の1200mよりも距離が延びるのは良いんじゃないかと思いますね。
-:同じく土曜の騎乗馬から1R(2歳未勝利)のレジェンドセラー(牡2、美浦・木村厩舎)はどうでしょうか?
圭太:新馬前の追い切りに乗せていただいて、まだ緩さがあるので、そこがどうかな、と思ったのですが、結果的には走ってくれましたね。使って良くなる余地もあったと思いますし、期待しています。
-:色々な記事に目を通していると、陣営の評価も高そうですよね。
圭太:そうですね。ルーラーシップ産駒も僕はまだ一頭しか乗っていなくて、産駒の適性は掴みかねるところはあるものの、楽しみです。
-:月岡温泉特別のアルスフェルト(牝3、美浦・尾関厩舎)は前回1番人気で4着でしたが、あのコースであの枠。その点、今回は巻き返しの余地がありそうです。
圭太:とにかく新潟に変わるのはプラスでしょうね。もちろん前走は枠も(敗因に)あったでしょうし、現級で2着の実績もあるように力は上位でしょう。改めて、という気持ちです。
▲初コンビのグレンツェントを勝利に導けるか?
-:そして、レパードS(G3)のグレンツェント(牡3、美浦・加藤征厩舎)はテン乗りです。
圭太:追い切りに乗せていただきましたが、いい馬ですよね。追った時に耳を絞って気難しさを出していたのは少し心配でしたが。
-:僕もこの馬の話を伺うので未知数ではありますが、他のジョッキーが乗っていた前走も先行した人気馬を追いかけなかったのはそういう理由があるのかもしれないですね。
圭太:わからないところはありますが、そうかもしれませんね。ただ、レースに行ったらそんなこともないかもしれませんから。
-:確かに血統的に難しそうではありますが、戦歴は安定していますものね。
圭太:ええ。前走も後ろから追い込んだのはこの馬だけ。力は通用の余地があると思います。
成長みせる今でも「リズムを大事に」
-:先週のレースの話題なども伺いたいのですが、コウソクストレート(牡2、美浦・中舘厩舎)は新馬戦で力の違いをみせつけましたね。
圭太:いい馬でしたね。なかなかいいモノを持っていると思いますし、先生からも「動きはいいよ」と太鼓判を押されていました。乗りやすさもありますし、ここでは力が違いました。
-:新潟の開幕週を制したことで、次の予定は入っていますか?
圭太:把握はしていないのですが、一旦、放牧に出すみたいですね。
-:その他ではサトノキングダム(牡3、美浦・国枝厩舎)は出遅れが響きましたかね……。
圭太:いやあ、そのとおりですね。もともとデビュー戦もゲートを出なかったほどの馬。半年ぶりということもあり、悪いクセを出してしまったと思います。
-:普通に出て、内を通っていれば、勝っていておかしくないですものね。
圭太:ええ。やっぱり間隔が空いたりすると、そういう悪いところを出したりすることもあるのでね。
-:そうなんですね。マローブルー(牝5、美浦・堀厩舎)はどうだったでしょうか?
圭太:これは僕が展開を読み間違えました。もっと他馬が行くと思っていたのですが、明らかにミスですね。申し訳なかったです。
-:そして、今週も読者からの質問が来ております。「調整ルームではどのように過ごしていますか?」とのことです。
圭太:マッサージですかね。一時間くらいやってもらいますよ。ルームには何人かマッサージ師さんがいるのでね。
-:続いて、「調教師さんから位置取りの指示がない時のポジション取りはどう意識されますか?」という質問もいただきました。
圭太:まずはスタートの出方次第ですよね。理想はロスのない、目標にされない2、3列目ですか。
-:といっても、昔と今じゃ位置取りも相当違いますよね。
圭太:まあ、そうですよね。それに位置を意識はしても、相手があってのことですから。周りがドドドッと来ているのに前ばかり意識しても、ペースに飲まれてしまうだけですから。要は馬のリズムですか。
-:地方時代からも「リズム」とはよく仰られますものね。
圭太:ええ。そこは変わりません。あくまでの馬の気持ちを害さず、楽にとれる位置を意識します。
-:今週は大井の交流もあり、なかなかお忙しい一週間だったと思いますが、ありがとうございました。
圭太:ありがとうございます。
※次回は8月12日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。