'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月11日時点1556勝
止まらん圭太!さあセントライト記念で10戦連続重賞連対だ!
2016/9/16(金)
紫苑ステークス1着、京成杯AH2着、オーバルスプリント1着と関東圏へ戻っても絶好調の戸崎騎手。これだけの成績を残しても、謙虚な姿勢を崩さないあたりはもはや「圭太節」と称してしまいそうになるところだが、それも常に向上心を絶やすことのない戸崎ジョッキーならではだろう。今週も重賞連対記録の更新に期待が集まるが、その記録が始まったゼーヴィントとの再コンビ。ゼーヴィントで始まり、ゼーヴィントで終わるのか、はたまたゼーヴィントで始まったものは止まらないのか、その一戦を中心に注目していただきたい。
さあ、大台へ!ただ今、JRA重賞9戦連続連対の記録更新中!
-:中山開催1週目は紫苑ステークス(G3)をビッシュ(牝3、美浦・鹿戸雄厩舎)で制覇!おめでとうございます。
圭太:ありがとうございます!
-:戦前から前向きな評価をいただいておりましたが、実戦で騎乗してみての感触はいかがだったでしょうか?
圭太:コメントも残したように追い切りに乗せていただいて、凄くバネがあるというか、良い感触は得ていました。実戦でも手応え通りでしたね。思った通りの競馬をみせてくれました。
-:一見すると開幕週の大外枠はマイナスにも映りますが、それも問題ないといいますか、結果的には良かったですね。
圭太:ええ。自分のリズムで走れましたし、ペースが遅くなったことでも早目に対応できました。
-:3コーナーの不利を思えば、馬群に入れなかったことも良かったでしょうし、外を回っても押しきれるのだから、強かったですね。これは晴れて秋華賞(G1)へ乗りに行かれるということで大丈夫ですか?
圭太:そうですね。行かせてもらいます!
-:そして、今週はゼーヴィント(牡3、美浦・木村厩舎)でセントライト記念(G2)へ。思えば、JRA重賞9戦連続連対の記録もこの馬から始まりました。記録について、意識はされたりするものですか?
圭太:いや、特にはないです。もちろん10だろうと15だろうと、良い結果を残したいという思いはありますが、そこを意識して乗ることはないですよ。
-:プロ野球のノーヒットノーランなんかでも、ピッチャーにそれを伝えると余計に意識してしまう、なんて話を聞いたりするものですが、これだけ自然体で挑めているのが良いのかもしれませんね。せっかくならばフタ桁まで乗せて欲しいです。話は戻りますが、ゼーヴィントはラジオNIKKEI賞でゲートという不安がありながらの快勝でした。
圭太:そうですね。今回も気をつけなくてはいけないと思いますが、もともとそういうところもありますからね。福島コースもどうかな?と思ってはいたのですが、上手くこなしてくれましたし、福島よりは中山の方が安心して乗れるという点は心強いです。
-:2戦2勝と相性はいいですよね。
圭太:良い時に乗せてもらっていますし、着実に成長していると感じています。初めて乗せてもらった時から素質は感じていましたし、この中間は乗っていないので、前走との比較はつきませんが、今年の3歳はとにかくハイレベルと言われていましたよね。ディーマジェスティを筆頭に一筋縄ではいかない相手だと思っていますが、挑戦者の気持ちで挑みたいですね!
-:今週は特に土曜の特別レースはテン乗りが多いです。平場の話題ではありますが、2R(2歳未勝利)のドウディ(牡2、美浦・佐藤吉厩舎)、3R(3歳未勝利)のニシノケイト(牝3、美浦・水野厩舎)といかがでしょうか?
圭太:ドウディは上手な走りをしてくれますし、交わせるかな、と思ったのですが……。最後のひと伸びがもう少し、といいますか、追ってからの反応がもっとあればいいですね。条件的にも前走のほうがベターかもしれませんが、そこは中山コース。展開や乗り方でごまかしが利きますからね。ニシノケイトも追ってからがもう一つではありましたが、ダートの走りも悪くなかったですし、あとひと押しですねえ。
-:日曜の浦安特別はヨンカー(牡3、美浦・和田郎厩舎)、レインボーSはマローブルー(牝5、美浦・堀厩舎)に騎乗されます。
圭太:ヨンカーはスピードもありますし、大型馬ながらスムーズな走り。前走に続き期待しています。
-:ヨンカーはモマれる競馬になった時や馬体重が気になりますね。
圭太:そうですね。僕が乗った時はモマれる展開になってないので、未知数ですが、馬体重はこれ以上、増えない方が良いんじゃないかと思います。マローブルーの前走はリズムを崩した走りで、僕も反省のレースでした。馬そのものは乗りやすくて、成績どおりに力上位と思っていますよ。
-:当該コースでも勝ち鞍があり、当時の勝ちタイムも水準のモノはみせていましたよね。
圭太:重賞でも上位に食い込んでいますし、中山も問題ありません。前走の分も巻き返したいですね。
▲戸崎騎手と3戦オール連対のヨンカー
京成杯AHは2着惜敗も……当人のジャッジは!?
-:続いて、先週の話題ですが、京成杯AH(G3)のカフェブリリアント(牝6、美浦・堀厩舎)は色々と課題があった中で、それもクリアできたのか、2着に好走してくれましたね。
圭太:聞くところによれば、ここ最近はハミ受けだったり、思うようにいかず、レースでは折り合いを欠いているところがあったのですが、『良くなっている』と先生から聞いていたとおり、問題なく乗れましたね。
-:ハミ受けとは馬に乗っていない人には難しい話題ですが、それは調教などで修正していくものですか?
圭太:そうですね。調教やあとは歯ですか。
-:歯を削ったり?
圭太:そうです。今回はどう修正したのかまでは聞いていませんが、問題なかったです。馬体重もプラスで来られたのも良かったでしょうし、リフレッシュして良い形で臨めました。枠も歓迎でしたし、勝った馬も力があるのはわかっていて、相手はロードクエストと思っていた通りでしたね。直線では道も開いてくれて、あと一歩だったのですが……。
-:ですが……?
圭太:ええ、もう一つ前の競馬が出来ていればとも思いますし、不安や課題がありながらも、それを克服してくれたのですが、僕としてはもう少し良く出来たのではないかと思うのでね。
-:それでも、客観的に見れば、一連のレースぶりよりは良くなったと思います。
圭太:まあ、そうですね。全部勝てるわけではないとはいえ、まだ良くなる余地があると思うので、今後も頑張っていきたいです。
-:ハウメア(牝2、美浦・藤沢和厩舎)は新馬戦から大きな変わり身をみせてくれましたね。
圭太:新馬の時はいい雰囲気は感じていたものの、レースでは「アレっ?」という走り。原因が何だったのかはわかりませんが、それを度外視して臨んだのですが、強かったですね。
-:未勝利戦であれだけ力差があれば、もう少し楽な位置につけて押し切る安全牌な競馬も考えられると思います。ポジショニングに意図はありましたか?
圭太:厩舎スタッフの人も気をつけて乗っていられたようなのですが、前走よりもずいぶん気が入っていたのでね。それに、トビも大きいので無理にいってリズムを崩さないよう気をつけました。それでも、直線であれだけ突き抜けるあたりは力、素質の照明だったのかと思いますね。
-:そうだったんですね!精神面が心配なところではありますが、今後が楽しみです。タイセイスペリオル(牡3、美浦・池上弘厩舎)、プリンセスロック(牝4、美浦・大和田厩舎)などはどうでしょうか?
圭太:タイセイスペリオルは使って良くなっていましたね。少しハミをとり過ぎるところがあるのですが、そのあたりがもう少し解消してくれれば……。
-:しかし、あれだけライバルたちにスムーズな競馬をさせられないようマークを受けて、最後に交わすのですから、上に行っても楽しみですね。
圭太:ええ。あとは今の状態ですと、距離の限界もありそうなので、そこをどうしていくか。キレ味を持っている馬なので、それが引き出るようにしていきたいですね。プリンセスロックは前走が出負けに尽きますからね。今回は盤石といいますか、申し分のない競馬でした。
-:そして、オーバルスプリント(Jpn3)はレーザーバレット(牡8、美浦・萩原厩舎)で連覇でしたね!
圭太:ありがとうございます。今回は前に行く馬がいましたし、それらを見ながら上手く運べました。まだまだ若さがありますし、この後も頑張ってほしいです。
-:普段口にされているように、秋になっても一つ一つを大事に、今の調子で頑張ってください。
圭太:ありがとうございます。
(聞き手:競馬ラボ・小野田学)
※次回は9月23日(金)に更新予定です!プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。