'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
マイルCSは2年連続2着のフィエロとコンビ!熾烈を極めるリーディング争いも必見!
2016/11/18(金)
7週連続G1レースに加え、個人争いでもリーディングが懸かる戸崎圭太騎手。JRA移籍以降、最も気が抜けないと言っても過言ではない毎日が続いているのではないかと察するが、日曜はマイルCS(G1)でフィエロとのコンビ。過去3戦で騎乗してきて、思うような結果が残せていないだけに、「そろそろ」という思いもあるだろう。リーディング死守に懸ける思いを含め、注目レースの展望を今週も伺ってきた。
前走は誤算の出遅れ!2年連続2着馬フィエロの巻き返しは?
-:リーディング争いも熾烈を極めるところですが、今週は日曜がマイルCS(G1)でフィエロ(牡7、栗東・藤原英厩舎)に騎乗!前哨戦のスワンSでは1番人気に応えられなかっただけに巻き返したい一戦ですね。
圭太:そうですね。2年連続2着と走っているコースだけに、条件は悪くないですからね。この馬が重賞を未だに獲れていないことに驚きですが、僕も何度か乗せていただいていて、今回も少しでもいい結果を求めていきたいです。
-:これまでに3度乗られてきて、昨年のマイラーズCは後手後手の競馬になり、3着。同じく安田記念は手前が替えられず伸びあぐねて……という結果。前走も出遅れに加え、少しついていったことで9着という結果でした。
圭太:前回は躓いで出遅れて、リズムを崩してしまいましたし、いま思えば休み明けで心身のバランスも整っていなかったのかもしれません。
▲3度目のマイルCS挑戦となるフィエロ(撮影は11/16)
-:ただ、藤原英厩舎さんはストレイトガールに代表されるようにひと叩きしての上積みが期待出来ますし、高齢馬でも実績を挙げているのが心強いかと思います。
圭太:確かにそうですね。本来ならば、ゲートもあんなことにはなりませんからね。
-:確かに昨年のマイルCSなどもむしろゲートは良かったくらいで。ちなみに、土曜日は雨予報とのこと。道悪適性はどうですか?
圭太:正直、良くないと思います。そこは心配ですね。
-:確かに藤原英先生も共同会見でそう仰っていたようですね。しかし、前走から評価は落としそうなだけに、一発を期待したいです。続いて、同じく日曜京都の西陣ステークス。ウィッシュハピネス(牝4、栗東・沖厩舎)はどうでしょうか?
圭太:前回はゲートがけっこううるさかったですね。それで出遅れたのが痛かったですね。スムーズにいければ、見直せると思いますし、むしろ馬場が雨で軽くなるのは良いんじゃないかと見ています。
-:そもそも重賞ウィナーですし、古馬になってからも現級勝ちの実績の持ち主。ただ、馬体重が昔より相当増えている点はどうですか?
圭太:前に比べたらしっかりしてきたかな、と思ったほどですよ。あとは当日、どれだけ落ち着いているか、そこが気になりますね。
-:秋華賞デーに続く騎乗。巻き返してほしいです!土曜東京は6R(2歳500万下)のハウメア(牝2、美浦・藤沢和厩舎)はどうでしょうか?
圭太:前回が強い勝ち方でしたからね。ココでも、という思いですが、この距離を使っているように精神面がカギになりそうです。
-:ユートピアSのロイヤルストリート(牝4、栗東・藤原英厩舎)も引き続き騎乗ですね。
圭太:3連勝していたようにセンスの良さ、キレ味は武器ですね。ただ、今回はマイルになるのでね。千二を使っていたほどなので、少し心配な部分はありますが、教えていけばこなせる素養はありますよ。
▲母は米重賞ウィナーという良血ハウメア
大接戦のリーディング争いに充実感
-:続いて、先週の競馬といえば、ルメール騎手に一時は同じ勝利数に並ばれてヒヤっとしました……。リーディング争いに対する思いや普段の競馬との変化はありましたか?
圭太:う~ん……どうですかね?いや、特には。
-:しかし、日曜の競馬終わりにお話を伺う際は、普段より少しピリっとしている印象も受けたのですが。
圭太:ああ、そうですね。ただ、あの時はリーディング関係なく競馬終わりだったのでね。それにかかわらず、用事を受けていたのを忘れていました(笑)。
-:そうでしたか(笑)。
圭太:しかし、地方でも中央でも、リーディングは獲らせていただきましたが、いつも突き放しての結果でしたからね。これだけの接戦はなかっただけに、焦る気持ちも正直ありますよ。正直いえば、独走リーディングが気楽でいいですが(笑)、ある意味、こうして乗れることは凄く良い経験といいますか、なかなか出来ないことですよね。
「僕としてはチャンスだと思ってやっていますし、周りの方々からも普段じゃかけてもらえないような言葉も沢山いただくのでね。本当に幸せだと思いますし、それに応えなくちゃ、と」
-:結果はわかりませんが、独走よりも接戦を制する価値は高そうですよね。
圭太:僕としてはチャンスだと思ってやっていますし、周りの方々からも普段じゃかけてもらえないような言葉も沢山いただくのでね。本当に幸せだと思いますし、それに応えなくちゃ、と思います。
-:普段からサポートされているマネージャーさんやエージェントの方も去年、一昨年以上に力が入るのではないかと思います。
圭太:本当に一生懸命やってもらっていますし、僕も成長出来る機会。結果も求めつつ頑張りたいと思います。
-:ここを読んでくれているファンの方も是非、エールを送っていただきたいですね。先週の個別のレースを伺うと、モーニン(牡4、栗東・石坂厩舎)は斤量も気になっていたものの、まさかの大敗でした。
圭太:初めて包まれるような競馬でしたね。そこを嫌がっていましたし、戦前から、枠の並びも良くないと思っていたのです。コーナーに入る並びも良くなかったですし、ぶつけられて……不向きな形になりましたね。
-:今までケチがつけようない結果を残していましたし、苦手とすれば、コーナー4つの競馬かと思っていたのですが、それだけじゃないわけですね。
圭太:いや~、僕はもともと、フットワーク的にも気持ちよくスンナリという展開がこの馬にはベストだと思っていただけにね。ただ、その中でも最後まで踏ん張ってくれましたし、苦手な形が見えたことで次に繋がる部分はあるんじゃないかと思っています。
-:チャンピオンズCは巻き返しがあるのか、枠なども注目ですね。サトノファンタシー(牡3、栗東・松田国厩舎)はレコード勝ち。強かったですね~。
圭太:前走よりも展開が楽でしたし、前も速かったのですが、しっかり折り合いもつきましたね。能力の高さをみせてくれましたよ。
-:グランシルク(牡4、美浦・戸田厩舎)、ワンブレスアウェイ(牝3、美浦・古賀慎厩舎)などはいかがでしたか?
圭太:グランシルクはまあ、元はこんなところにいる馬じゃないというか、順当勝ちでしたよね。前回も言ったように今なら東京コースの方がいいかもしれませんし、ようやくここへ来て持っているものを出しつつあるのかと。ワンブレスアウェイは馬が本当に落ち着いてきたことが良かったです。レースの幅も広がりましたよ。
-:惜しかったレースでいえば、アルバタックス(牡6、栗東・石坂厩舎)、バイタルフォース(セ4、美浦・萩原厩舎)でしょうか。
圭太:そうですね~。アルバタックスはうまくいったと思ったのですが。バイタルフォースはこの距離だと少しダラっとしまうところがありますね。それは先生にも伝えて、次は距離を縮めるような話にもなったのですが、少し間隔も開けるようなのでね。改めて期待したいです。
-:そして、先日は阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)でリスグラシュー(牝2、栗東・矢作厩舎)へ騎乗されることが明らかになりましたが、この後はチャンピオンズC、阪神JFに騎乗予定。そして、次週はジャパンC(G1)にルージュバック(牝4、美浦・大竹厩舎)で挑まれますね。
圭太:前回が不完全燃焼だっただけに、力を出し切れてあげれば……。頑張りたいです。
-:そして、今年も香港の国際招待騎手競走へ出場が決定しましたね。
圭太:日本からはミルコも出ますし、そうそうたる顔ぶれ。日本代表としていくわけですから、ジョッキーのオリンピックといいますか、そういう思いで挑みます。
-:話題は尽きませんが、来週もよろしくお願いします!
圭太:ありがとうございます。
(聞き手:競馬ラボ・小野田学)
※次回は11月25日(金)に更新予定です!
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プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。