'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
祝・今年初のJRA重賞制覇!ルージュ&ビッシュで勢い持続だ!
2017/3/10(金)
ルージュバックはこの中間はしっかり乗り込まれているようですね。昔は追い切りも加減するようなところもあったと思うので、それを思えば、徐々に身体もしっかりしてきたのかもしれません。
-:先週はオーシャンS(G3)で今年のJRA重賞初勝利。おめでとうございます。1番人気に支持されたメラグラーナ(牝5、栗東・池添学厩舎)でしたが、強かったですね。変にモマれなければ、と思いながら観ていたのですが、早めに外へ進路をとっての競馬。能力を信じているからこそのレースぶりに映りました。
圭太:ありがとうございます。いい雰囲気で競馬を進められましたし、自信を持って臨めましたね。
-:少し気になるところでいえば、馬体重の増減が激しい馬とはいえ、レース前は思っていた以上に体重を減らしていました。その点はどうでしたか?
圭太:特に影響はなかったと思います。強いてあげれば、ゲートの中でうるさいところをみせていたくらいですかね。今までにこういうところはなかったよな、と思いましたから。
-:終わってみれば、それも杞憂におわりました。しかし、終いの安定感は素晴らしいですね。僕は重賞をとれる馬だと思っていましたが、次も楽しみにしています。
圭太:ええ、いつもしっかり伸びてくれますからね。
-:そして、今週は金鯱賞(G2)でルージュバック(牝5、美浦・大竹厩舎)と中山牝馬ステークス(G3)にはビッシュと挑まれますね。
圭太:ルージュバックはこの中間はしっかり乗り込まれているようですね。昔は追い切りも加減するようなところもあったと思うので、それを思えば、徐々に身体もしっかりしてきたのかもしれません。
-:馬体重の目方こそ、デビュー当初から変化はありませんが、中身は変わってきたということですね。
圭太:調教の負荷もしっかりかけているらしいですからね。中京コースも合いそうですし、楽しみです。
-:一方のビッシュ(牝4、美浦・鹿戸雄厩舎)は不可解な敗戦に終わった秋華賞以来のコンビとなります。当時は京都特有の上がりの速い決着では分が悪かったのかもしれませんね。今週、追い切りには乗られたそうですね。
圭太:変わりなく順調に来ていますね。もともと調教の段階でもバネを感じたほどの馬。順調が何よりです。1F距離は違いますが、勝った中山で巻き返したいですね。
土曜はルージュバックと中京へ 戸崎騎手は今年初の関東圏以外での騎乗となる
-:いずれも実力伯仲のメンバー構成。ジョッキーの手腕に期待したいですね。その他のレースについても伺いたいのですが、土曜中京のフローラルウォーク賞にはブリラーレ(牡3、栗東・斉藤崇厩舎)と挑まれます。前走はプラス増での出走でしたね。
圭太:馬体が増えていたことに支障はないと思いましたが、ちょっと乗り難しさのある馬ですね。上手く立ち回れたらと思います。
-:6R(4歳上500万下)のゼロカラノキセキ(牝4、美浦・尾関厩舎)は1番人気支持された前走で4着でした。
圭太:現状、千二では少し忙しかったですね。千四で見直せるんじゃないでしょうか。
-:日曜中山の東風S、ロジチャリス(牡5、美浦・国枝厩舎)は久々が心配ですが、以前、東京で乗られた馬ですね。
圭太:正直にいえば、どちらかと言えば、東京コースが良さそうな馬。中山のマイルですし、乗り方は気をつけていきたいですね。
-:ここまでの戦歴をみても、割りとゆったりとしたペースの時に成績を挙げている印象。緩急のついた展開になった時にどうなりますかね。最終レース(4歳上1000万下)のタケルラグーン(牡5、美浦・池上弘厩舎)は昇級初戦で3着でした。中一週での臨戦となります。
圭太:この前もお話したかもしれませんが、やはり持ち味を活かしつつ、このクラスでも慣れていきたいですね。僕はああいう競馬がいいと思っているので。
食事制限もファンや関係者のお陰で成績が残せて、こういうことに取り組めるわけですからね。一人じゃ出来ないことですし、苦しさよりもそれが出来ることに喜びを感じられています。
-:先週のレースでは、弥生賞(G2)のベストアプローチ(牡3、栗東・藤原英厩舎)はあと一歩で権利だったことを思えば、もったいなく見えました……。
圭太:1コーナーの入りに尽きますね……。もう少し主張すべきでした。申し訳ない仕事になってしまいました。直線もロスがありましたからね。
-:乗り続けられてきたワンブレスアウェイ(牝4、美浦・古賀慎厩舎)は遂にオープン入りですね。
圭太:乗りやすい馬ですし、これは主張していって、いいペースで運べました!
-:次は遂に重賞挑戦ということで楽しみです。サレンティーナ(牡3、美浦・萩原厩舎)は少頭数がどうかなと思いましたが、惜しい結果でしたね。
圭太:ペースが遅かったので、少し早めに動きましたが、最後まで頑張ってくれました。中山のこの条件も合っていますよね。
-:そして、読者からの質問も来ております。フライングエルボーアタックさんから「戸崎さんがこれまで突き当たった一番大きな壁とは何ですか?」という質問ですが。
圭太:壁ですか。壁……。JRAの試験になるのかな。転機ではありますからね。
-:成績的なものはありますか?
圭太:それは大なり小なり、多々あるのでね。
-:ただ、自分の力だけでどうにもならないのが競馬の難しさですよね。
圭太:そうですね。ただ、一生懸命乗ること、準備することしか出来ないのでね。
-:みちかさんからの質問です。「調整ルームなどで他の騎手と会話したりしますか?」というクエスチョンです。
圭太:会話自体はしますよ。特にどんな内容とかはないのですが……。ただ、最近は減りましたね。
-:そうなんですか?
圭太:前にも言ったかもしれませんが、週末はお酒を控えるようにしたので。
-:ああ~、そうでしたね。続いて、ざっとんさんからです。「グルテンフリーの食事を取り入れてるとお伺いしましたが、具体的にどんな食事をしているのですか?」というお話です。
圭太:僕が作るわけではありませんが、とにかくグルテン抜きの食事ですよ。他のアレルギーなんかも気をつけていますからね。
-:もともと体重に気を使うことがなかったとはいえ、日頃から食べるものもこだわらなくてはいけないのは大変ですね。
圭太:例えば、砂糖も一般とは違う砂糖だったり。でも、こうしたことに取り組めるのもファンや関係者のお陰で成績が残せて、こういうことに取り組めるわけですからね。一人じゃ出来ないことですし、苦しさよりもそれが出来ることに喜びを感じられています。
-:そして、もがみのシャケさんから「昨年の年末年始はご家族と過ごされて、お子さんと凧揚げを楽しんだとどこかでおっしゃられていたのをお見かけした気がしますが、今年はどのように過ごされましたか?」というマニアックな質問です。
圭太:あ~、確かにそんなことどこかで言ったかもしれませんね。今年はなんでか忘れたけど、凧揚げはしなかったかな。ここぞとばかりに飲んだくれていた気が……(笑)。
-:まあ、正月くらいはそういう時もありますよね。そして、来週はスプリングS(G2)でサトノアレス(牡3、美浦・藤沢和厩舎)とのコンビ。テン乗りにはなりますが、2歳王者の成長があるのか、楽しみにしています。
圭太:頑張ります!
(聞き手:競馬ラボ・小野田学)
※次回は3月17日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。