'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月11日時点1556勝
2歳王者の逆襲なるか?皐月賞はサトノアレスの復権に挑む!
2017/4/14(金)
自他ともに認めるように、今年は決して巡り合わせが良いとはいえない戸崎騎手だが、気づいてみればリーディング争いも3位まで挽回。そして、今週は皐月賞にサトノアレスとのコンビで臨む。前哨戦のスプリングSでは1番人気ながら4着に終わってしまったが、そこからの上積みはあるのか。
(サトノアレスは)ええ、率直に全然違う!本当に良くなりましたね。
-:今週は水曜がナイター、木曜朝はサトノアレスの追い切りとハードなスケジュールでしたが、体調は大丈夫でしたか?
圭太:体調?いやいや仕事ですから、この程度。全く問題ないですよ!
-:体調管理は人一倍気を遣われているだけに、こういう時こそ日々の積み重ねの差が出そうですね!さて、皐月賞(G1)ですが、サトノアレス(牡3、美浦・藤沢和厩舎)には2週連続で追い切りに騎乗されたとのこと。スプリングSの前にも追い切りで乗っただけに比較はし易いのではないかと思います。
木曜の追い切り後、藤沢和雄調教師とも打ち合わせする戸崎騎手
圭太:ええ、率直に全然違う!本当に良くなりましたね。
-:その感触でレースにいってどれだけ変わってくれるか、というところですね。
圭太:そうですね。やっぱり前走は前哨戦の仕様だったのだなと。状態は確実に上向いていますからね。ただ、一つ言えば、前走を踏まえるとゲートの不安はありそうなので、理想をいえば、偶数枠が良かったかな。外目なのは良いとしてもね。
-:この馬の戦歴を考えると、瞬発力を活かすような競馬がベストでしょうか?とはいえ、この距離なら先行も出来るのかと。
圭太:持ち味はそういったところでしょうね。前回もまだギアは隠されている雰囲気は感じていたので、今回は特にゲートには細心の注意を払いたいところ。あとは雨ですかね。
-:それが今日の天気予報では、当初よりも上向いているようで、曇や晴れという予報になっていました。
圭太:あっ、そうなんですね。それは良かった良かった。先週、先々週と悪い馬場の中でレースも行われて、今週はどんな傾向になるのかわかりませんが、何とか良い方向に向いてくれれば……。
-:ジョッキーにとっても、待ち遠しいG1制覇、初のクラシックとなれば、ですね。
圭太:クラシックを勝ったことはありませんし、今年こそはどこかで勝てれば……と思っているのですが、星勘定云々よりも、まずはいいレースをしたいですね。今年は実力拮抗の年だと思うので、より騎手の乗り方が求められるでしょうしね。
-:先週はJRA移籍以降、初めて桜花賞の乗馬がいませんでしたし、その分、今週頑張ってほしいです。さて、土曜日から伺うと、5R(3歳500万下)のスビールアスール、7R(4歳上500万下)のヒカリトップメモリ、最終レース(4歳上1000万下)のプリンセスロックとダート1200mで馴染みのある馬が続きますね。
圭太:スビールアスール(牝3、美浦・武藤厩舎)は芝でも走っていますし、既にクラスのメドを立てていますよね。ヒカリトップメモリ(牝4、美浦・池上弘厩舎)は以前も話したかもしれませんが、競馬が本当に上手。今回は立て直してきたので、前回は度外視出来るんじゃないかと思います。力は上だと思っているだけに、ロスのない競馬をするよりも、真っ向勝負でいっていいくらい。だから、窮屈なレースにもなりやすい内枠じゃなくてもという思いです。
-:プリンセスロック(牝5、美浦・大和田厩舎)は4走前に勝たれていますが、5走前は不利があったり、3走前は条件もありますからね。
圭太:もともとセンスの良さを感じていましたし、この条件がピッタリだと思っていたので、改めて期待しています。
-:日曜4R(3歳未勝利)のバラダガール(牝3、美浦・国枝厩舎)は前回がテン乗りで2着でしたね。
圭太:いい馬だとは思います。ただ、トビが大きくて、そこを踏まえると前回のような競馬が出来ればといったところですね。
-:利根川特別のサクラルコール(牡6、美浦・田島俊厩舎)は所属厩舎の馬ですね。前回の結果にはいささかビックリしました。
圭太:正直に言えば、基本的には距離が長いと思います。ただ、前走はそんな中でも上手くいったので。今回も乗り方次第といったところです。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。