先週はメモリアル勝利を決めるなど5勝をマーク。リーディング争いでも3位、関東首位に浮上した戸崎騎手。どのレースも平等に、一鞍一鞍大事に乗ることを意識しているジョッキーとはいえ、今週から始まる東京開催での連続G1は胸躍るに違いないだろう。まずはNHKマイルC(G1)にはタイムトリップとのコンビで挑戦。混戦のメンバーの中でどれだけ持ち味を発揮できるか。ジョッキーの腕に懸かる一戦。その手応えに迫った。

(タイムトリップは)1週前の追い切りに乗せていただいたのですが、またがった瞬間に「幅が出てきたな。良くなったな」と成長を感じました。

－：先週はJRA通算700勝達成、おめでとうございます。僕も今までよりはメモリアルに対して投げかけていなかったのですが……、意識はされていましたか？

圭太：い、いや……。正直、忘れていました。

－：確かに口取りが終わってからも、一瞬、帰られそうになっていましたね。

圭太：ハハハ、そうですね(笑)。しかも、全鞍乗っていたので余計に慌ただしかったので。それに、メモリアルよりも目先のレースを一つずつ乗っていきたいですし、一鞍一鞍が勝負なので。

－：そう仰られるのではないかと思っていました。ただ、外野から見る我々は、こういう機会に賑やかにはなれるので。ファンの方々も喜んでいたのかと思います！

圭太：もちろんそうですね。喜んでいただけるのはありがたしですし、何よりです。500や1000という大きな節目なら、僕も少しは違った気分かもしれませんが、ともかく喜んでもらえたことが第一ですね。

－：騎乗されたブラックプラチナム(牡4、美浦・栗田博厩舎)はいかがでしたか？

圭太：先のある馬といった印象ですね。まだ、いい意味で緩さもありますし、乗りやすさも感じました。頭数も手頃でしたし、相手関係も比較的軽い印象だったので、それなりに主張はしていったのですが、良い勝ち方でしたよ。

－：新馬戦も良い競馬をみせていましたし、ここからに期待ですね！さて、今週はNHKマイルC(G1)でタイムトリップに騎乗されますね。

圭太：1週前の追い切りに乗せていただいたのですが、またがった瞬間に「幅が出てきたな。良くなったな」と成長を感じました。

－：タイムトリップ(牡3、美浦・菊川厩舎)とは2走前のクロッカスSで騎乗されて差し切り勝ち。これまでに3度騎乗されていますね。ジュニアCでは、着差のない3着に終わって、そこから鮮やかな変わり身をみせた2走前だったと思います。

圭太：そうですね。クロッカスS当時はまだ距離にも不安を感じていましたし、競馬を覚えさせていきたいという意向はありました。結果的にはペースもあるとはいえ、新たな一面もみせてくれました。

－：カンナS当時は外目を先行して、他の馬のプレッシャーを受けながらも押し切る強い競馬。千二の馬なのかな、とも思っていたのですが、段々と条件やレース運びの幅も広がっていきました。ちなみに、2走前なども言えることですが、ゲートは遅いタイプですか？

圭太：いや、あれはあえて下げました。外枠でしたし、競馬を覚えさせる意味でもジックリ行こうと。

タイムトリップの1週前追い切りに騎乗する戸崎騎手

－：乗られていなかった前走なども、あの位置から運んで先行決着の中で、差し馬の中では最も際立つパフォーマンスをみせたと思います。ニュージーランドT組では一番強い競馬をしたのではないかと思いますが、今年の相手関係はどう見られていますか？

圭太：どの馬にもチャンスがある年ですよね。だからこそ、上手く乗った騎手が勝つんじゃないかと思います。このレース自体も毎年、メンバーが拮抗しているでしょうし、そんなイメージかな。だからこそ、日頃の行いを良くしないといけないね。ハハハ(笑)。

－：では、何かゲン担ぎ的な特別なことはされているわけで？

圭太：いや、そんなことはないですけど(笑)。僕は変わらないことが大事だと思うのでね。

－：戸崎騎手が尊敬するイチロー選手なども日々のルーティン、準備を大切にしますものね。ここらへんは未知数ですが、当日の馬場や枠順で理想があれば教えてください。

圭太：内枠の偶数ですね。それはどの騎手もそうかもしれませんけどね。あと、いい切れ味を持っているので、天気は崩れないほうが良いですね。

－：今週から続くG1シリーズ。一つでも、二つでも良いので勝利を期待しています。

圭太：もちろん、頑張ります。

－：続いて、その他のレースもお願いします。土曜東京4R(3歳未勝利)のロジブリランテは約4ヶ月ぶりのレースですね。5R(3歳500万下)のエイプリルミストは新馬、未勝利以来となる騎乗ですね。

圭太：ロジブリランテ(牡3、美浦・国枝厩舎)はまだ、適性を測りかねているのが正直なところですが……なんといっても国枝先生が絶好調ですよね。そこにあやかりたいです。エイプリルミスト(牝3、美浦・手塚厩舎)はもともと後々良くなるんじゃないかと思っていたほどです。どれだけ成長しているか楽しみですね。

－：8R(4歳上1000万下)のビヨンジオール、メトロポリタンSのプレストウィックと当コーナー、お馴染みの名前もみられます。

圭太：ビヨンジオール(牡5、美浦・的場厩舎)は正直なところ、中山の方が良いですね。ハマり待ちの面があるので。プレストウィック(牡6、美浦・武藤厩舎)は折り合いに気をつけて運びたいですね。ダイヤモンドSは少し太めの部分もありましたから、そこも絞れてくれると良いです。

－：日曜6R(3歳500万下)のボーダーオブライフ(牡3、美浦・金成厩舎)は個人的にも注目している一頭。前走は追い出してからも、なかなかスパッとは動かなかったですね。

圭太：前が狭くなりつつあるところで馬も怯む面がありました。精神面も含めて、この馬も奥があるタイプだと思っているので、前走からどれだけ変わってきてくれるかというところです。

－：パドックの雰囲気などをみても、元気がいいですよね。

圭太：そうですね。前走は怯んだところもありますし、狭くなって追いづらい部分がありながらも、最後は浮上しているようにこのクラスでは十分やれる存在。乗る度に成長を感じていますし、クラス突破はじきにチャンスが回ってきますよ。

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