'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
金メダルなるか?好相性オークスはフローレスマジックと挑む!
2017/5/19(金)
5週連続東京開催のG1は中間地点。今週は3歳牝馬たちによるクラシック第2弾・オークスが行われる。このレースといえば勝ち星に手が届いていないものの、戸崎騎手にとっては相性の良い一戦と筆者は見ているが、ジョッキー自身の手応えは果たして?また、今週はレース回顧も含め、G1シリーズも大一番ということでいつもよりタップリと伺った当コラム。ちょうど1カ月後に迫った戸崎騎手出演のイベントも質問を募集中。詳しくはコラムの最後まで、ぜひご覧いただきたい。
(フローレスマジックは)テンションがどうなるかという心配もあったのですが、その心配もなかったので、本当に良い雰囲気では来ていますね。ただ、まだ先々の馬という見立てですね。
-:今週もよろしくお願いします。オークス(G1)にはフローレスマジックとのコンビで向かわれますが、水曜には最終追い切りにも騎乗されていました。陣営からの指示やご自身の評価のほどから伺えますか?
圭太:指示はある程度、負荷をかけようという話でしたね。その通り、3頭併せの真ん中でいい負荷がかけられたと思いますが、ギアも入って良い雰囲気でしたね。現状で良い調子かと率直に思っています。ただ、本当に良くなるのはまだまだ先かなと。それもやはり印象として受けました。
-:追い切り一つとっても、前走の最終追いよりもしっかりやっている点は上積みを見込んで良さそうですね。その中でも、まだ先の馬と感じる部分があったと。
▲17日に行われた最終追い切りに騎乗した戸崎騎手
圭太:そうですね。追い切りで負荷もかけて、テンションがどうなるかという心配もあったのですが、その心配もなかったので、本当に良い雰囲気では来ていますね。ただ、(追ってからの反応など)そこらへんを含めて、まだ先々の馬という見立てですね。もちろんどれだけ成長するか、そういうハッキリしたことは未知数で明言出来ませんけど、血統が血統ですからね。能力はあるはずですから。
-:未知数と言われるように、人の思うようにならなかったり、上回ったりするのも競馬の面白さですものね。ただ、今回についてはその反応などを見ても、距離延長はプラスになりそうですし、前走のフローラSはスローの外枠、前に馬がいない状況でも折り合い面で我慢がきいたこともプラスなのかと思っています。
圭太:ええ、そうですね。(距離が)延びるのは同世代とやる中でも強みになりそうですし、馬場が緩いのも良いと思うのでね。馬場が緩くて、上がりが速すぎなければ良いかもしれませんね。
-:今年はメンバー構成を見ると、あまり流れなさそうな印象。枠についてはどうでしたか?
圭太:良いと思いますよ。内が荒れているので気になる部分ではありますが、ロスなくいける条件でしょうからね。その日の馬場も読み取りつつ挑みたいと思っています。
-:余談ですが、その点の馬場読みについても、もうお手のものと見て良さそうですか?
圭太:どうなんでしょ?まあ、移籍した頃に比べれば……ね(笑)。初年度はそういう面白さを感じるよりも「どうなんだろう?どうなんだろう?」といった具合でしたけど。
-:その点、雨が降っても今は余裕も出てきて?
圭太:それは、どうなんすかね(笑)。
-:改めて重複する部分になりますが、「テンション」という懸念も口にされているのが意外でした。そこに関してはレースを観ていると特に気にならないのですが、実際は違うということですか?
圭太:というのも、攻め馬だとけっこう元気が良くて、トンネルなどはテンションが上がっているんですよね。レースにいった方が落ち着いていますね。地下馬道などでも元気が良いので、最後出しにしたり、工夫はすると思いますよ。
-:それは意外ですね。
圭太:そう、走っていれば大丈夫ですね。ファンが観たら心配になるかもしれませんが、基本は大丈夫ということです。
-:そして、昔の話題も出したのはオークス自体、ジョッキーにとって相性が良いレースなのかと思っています。
圭太:いや、相性が良いのか、逆に悪いのか……。2着3回……。1回勝っても、というところもありますよね。でも、「良い」ということにしておきますか、ハハハ。
-:いやいや、良いでしょう。それに、先週も伺いましたが、コース実績は素晴らしいですよね。
圭太:あんまり自覚はないのですが……そうですね。(間があり)長丁場はゆったりしていて、好きではありますよね。ジックリ乗れるのでね。
-:そんな得意なレースであり、コースですね。意気込みを伺えればと思います。
圭太:ここに来て馬の状態も良いですし、この馬なりには順調に来られていて、力を発揮できる状態だと思います。クラシックを勝ったことがないだけに勝ちたいレースですし、その中で2着3回と相性の良いレース。思い切った競馬をしたいですね。
(クインズウィンダムは) 勝ったコースに戻りますからね。未勝利を勝った時もまだまだ上にいけると思っていましたし、前走もそれを証明出来たと思います。
-:オークス以外の週末の話題も伺うと、土曜東京2R(3歳未勝利)のランプルールはちょっと間隔が空きましたが、人気を集めているように素質馬といったところでしょうか。
圭太:僕ももともと期待していた馬。ダートのこういう条件も問題ないと思いますし、良いと思いますよ。
-:6R(3歳500万下)のクインズウィンダムは前走で大きく膨れながらも差してきましたよね。
圭太:ええ、良いですね。右回りはコーナリングが難しくて、周りに迷惑をかけてしまいましたが、勝ったコースに戻りますからね。未勝利を勝った時もまだまだ上にいけると思っていましたし、前走もそれを証明出来たと思います。持ち時計も詰められる手応えはありますよ。
-:同じコースで行われる、是政特別のモンドアルジェンテは前走が不可解でしたね。こんな馬ではないと思っています。
圭太:いつもの行きっぷりがなかったですね……。体調が良くなかったりすると、安定して走れない面もあるのかな、という印象はありますが、このクラスでも好走歴はありますからね。改めての思いです。
-:日曜5R(3歳500万下)のトレンドラインは前走が3着で更に上を目指したいところですね。
圭太:このクラスならやれる馬ですね。新馬はエピカリスと同じレースでしたが、2着だった馬も圧勝したり、4着のリゾネーターも交流重賞に出ていたりとハイレベルなところでやってきましたよね。楽しみです。
▲昇級しても3着とメドを立てているトレンドライン
-:6R(3歳500万下)のブリラーレは前走が残念な結果でしたが、内枠が厳しかったですね。
圭太:この馬も難しいところがあって、頭数が増えたりして、今回も簡単ではないのですが、能力は感じているのでね。どちらかと言えば、外枠からすんなり運べればという思いです。
-:日吉特別のコロマンデルは前走、高松宮記念デーの最終レースに出走。出遅れながらもよく追い込んできましたね。
圭太:いやあ、強かったですよね。スタートには気をつけたいところです。順当に評価していますし、改めて期待しています。
-:フリーウェイSのロイヤルストリートは以前、乗られていましたが、3連勝の実績の持ち主ですね。
圭太:久々でしょうが、センスのいい走りでこのクラスでもやれるイメージ。軽い馬場の方が良いタイプでしょう。これも楽しみですね。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。