'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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土日は能力高い騎乗馬がズラリ!月曜は戸崎騎手出演イベント開催!
2017/6/16(金)
「(ユニコーンSは)新馬で勝っている条件。その頃から能力も感じましたし、楽しみですね。人気は劣るでしょうが、頑張ってほしいです」
-:お疲れ様です。次週月曜は我々的には、いよいよイベントを控えているところで楽しみですが、本日もよろしくお願いします!今週の騎乗馬から時系列順に伺えればと思いますが、土曜東京から相模湖特別のアッラサルーテ(牝4、美浦・手塚厩舎)は前走が皐月賞当日の特殊な馬場、2走前は千八。今回はコース替わりに降級と、色々条件は揃いますね。
圭太:そうですね。正直言えば、中山がベストだと思いますが、先行力はありますし、東京でも勝っていますからね。直線が長いところを踏ん張ってくれれば。ただ、東京の芝は荒れていても時計が速かったり、日によって変わったり。なかなか読めないですね。
-:最終レース(3歳上500万下)のヒトノワドリーム(牡3、美浦・土田厩舎)は昇級初戦です。
圭太:メンバーも揃っている感は受けるのですが、使っているのにだんだん良くなっているんですよね。今のデキというか、勢いでどこまでやってくれるか、腕試しの一戦ですね。
-:日曜の東京に移りまして、6R(2歳新馬)のムスコローソ(牡2、美浦・手塚厩舎)は調教に乗られたようですね。
圭太:ええ、良かったですよ。能力は感じましたし、調教でも動いていますよ。
-:青梅特別のクインズサターン(牡4、栗東・野中厩舎)は前走も期待していましたが、今回は重賞でも人気をしそうな3歳馬が回ってきましたね。
圭太:前走は休み明けの影響があったと思います。一度叩きましたし、降級馬の実力をみせてくれるんじゃないかと思っています。
-:芦ノ湖特別のダノンキングダム(牡3、栗東・安田隆厩舎)は以前勝たれたコンビとなりますね。ジワジワと脚を使うイメージです。
圭太:ええ、瞬発力があるよりは長く脚を使うようなタイプ。コース経験もありますよね。
-:ユニコーンS(G3)のサンライズノヴァ(牡3、栗東・音無厩舎)は新馬以来の騎乗です。
圭太:その新馬で勝っている条件。その頃から能力も感じましたし、楽しみですね。人気は劣るでしょうが、頑張ってほしいです。
-:最終レース(3歳上500万下)のクインズサン(牡4、美浦・和田道厩舎)も勝って同条件です。
圭太:前回は上手くいった感はありましたし、ああいう競馬で再現を狙いたいですね。
▲新馬当時のサンライズノヴァ。ダートでは大崩れしていない
「夏は去年良かったし、毎度毎度上手くいくとは思いませんが、遜色ないくらいの結果を出せれば良いですね。僕自身、もともと夏は好きではないけれど、楽しみですよ。去年から色々やったことで楽に感じましたし、今年もそういう感じで過ごせればいいですよ」
-:ここ最近は交流重賞の騎乗も多かったので、そのお話も聞かせてください。関東オークスのアポロユッキー(牝3、美浦・堀井厩舎)、北海道スプリントカップのショコラブラン(牡5、栗東・浅見厩舎)といかがでしたか?
圭太:レース自体は出遅れて後ろからになってしまいましたが、位置取りももう少し前ならば、もう少し際どいレースは出来たのかなと。競馬自体は本当に乗りやすいし、砂を被っても全然問題ないです。終始、手応えもよく終いも伸びてくれました。今後、楽しみな存在かなと思います。
ショコラブランは外枠がキツかったですねえ。レコードとはいえ、ペース自体はそれほど速くはなかったと思うのですが、とにかく馬場が速かった。となると、内にも入れず外を回る形で苦しかったですね。でも、勝った馬も強かったですから。あのレース自体は外が痛かった感はありますね。でも、オープンでもしっかり走ってくれていますし、力はありますよ。
-:今後も楽しみなところですね!先週の中央のレースから、エプソムC(G3)のタイセイサミット(牡4、栗東・矢作厩舎)はどうでしたか?
圭太:ポジション的には思ったところで運べた感はありました。直線で耳を絞るようなところもあって、気難しさもあるかな、という印象は受けましたね。もう少し気分良く走らせてあげられたらという思いもあります。
-:チュラカーギー(牝4、美浦・中舘厩舎)は先のショコラブランと接戦していましたが、条件替わりが苦しかったでしょうか。
圭太:外に張っている面もありましたからね。それに、良い頃よりはもう一つだったのかもしれません。力はある馬なんですけどね。
-:ハクサンルドルフ(牡4、栗東・西園厩舎)は惜しかったですね。
圭太:凄い脚でしたね。それだけに勝ちたかったところです。でも、勝ち馬にも上手く運ばれてしまいましたね。
-:ラテンロック(牡6、栗東・吉田厩舎)は外枠でしたが、上手く馬群に入り込んでいましたね。ジョッキー的にも相性の良いレースらしいと言いますか、レース運びが良い方向に出た印象です。
圭太:外枠でスムーズに走れた印象はありますね。距離だけが気になるところでしたが、まあ上手に走ってくれましたよ。
-:クインズウィンダム(牡3、美浦・奥平雅厩舎)はちょっとむずかしいですね……。能力あるはずなのですが。
圭太:う~ん、期待していたんですけどね。能力は間違いないのですが……。ちょっと間隔は空けるような事は言っていましたよ。馬具も工夫していたし、効果もなかったですし、勝負というよりも周りに迷惑をかけずに乗ることで精一杯でした。
-:そうですか……。立て直しに期待します。モクレレ(牡3、美浦・国枝厩舎)も追い切りの評価は良かったですよね。
圭太:追い切りは凄く良かったので、期待していたんですけどね。気性なのかなあ……。まだ仕上がりきれていないのか、能力を出しきれなかった感があります。良い手応えを掴んでいただけにね。攻め馬も難しい馬ですから、レースに行って甘くないのかな。
-:調教で落とされたのはこの馬ですよね?最近、落馬ってありましたか?
圭太:そうそう。これ以外では記憶にはないかなあ。
-:トレンドライン(牡3、美浦・金成厩舎)は人気通りの快勝でした。
圭太:ここでは上位と信じて、強気に乗りましたよ。強かったですね。
-:そして、気温はそんなに上がっていませんが、そろそろ夏本番ですね。体調面はいかがでしょうか?
圭太:いい感じですね。夏は去年良かったし、毎度毎度上手くいくとは思いませんが、遜色ないくらいの結果を出せれば良いですね。僕自身、もともと夏は好きではないけれど、楽しみですよ。去年から色々やったことで楽に感じましたし、今年もそういう感じで過ごせればいいですよ。
-:でも、南関東の頃なんかはもっと暑そうですね。特に昼の浦和などは。
圭太:暑いですよね。でも、頭数も制限されていますし、やっぱり中央の方がキツいですよ。馬も元気なヤツが多いからね。チャカチャカしている馬だと気を使いますから。あくまで個性がありますし、一概に言えませんけど。
-:夏は勝ち星の稼ぎどころでしょうが、交流重賞の騎乗もありますし、イギリスや北海道での騎乗も控えています。そして、月曜はよろしくお願いします(笑)。
圭太:そうですね。僕も楽しみにしています(笑)。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は6月23日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。