'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月23日時点1569勝
いよいよエンジン全開で夏競馬へ!CBC賞はメラグラーナと挑む
2017/6/30(金)
良い馬に乗せていただけるお陰です。去年も夏場は良かったし、今年もそうなればと思います。
-:今週もよろしくお願いします!まず、先日の帝王賞(Jpn1)はクリソライト(牡7、栗東・音無厩舎)に久々騎乗して2着。一瞬は勝ったのかと思いました!
圭太:強かったですね。スタートしてケイティブレイブがいない時点で“ライバルの一頭とは見ていたのに、今日は厳しいんだろうな”と思っていましたから。ただ、クリソライトの状態自体は良かったですよ。
-:7歳を迎えてますます安定してきていますね。
圭太:そうですね。メンバーも揃っていた中であの結果ですからね。先行馬が多いようにも思われたかもしれませんが、僕自身は、展開的には前も有利になるのではないかと思っていて、ケイティブレイブの2番手なんて想定でしたが、正直、想像以上に頑張ってくれました。
-:久々の帝王賞制覇かと色めき立ちましたが、また今後の地方交流での騎乗にも期待しています。今週は土曜が福島、日曜が中京。乗ったことのない馬で期待してしまうところもありますが、引き続き勝ち星量産となればと思います。しかし、先週も凄かったですね。
圭太:ありがとうございます。まあ、良い馬に乗せていただけるお陰です。去年も夏場は良かったし、今年もそうなればと思います。
-:まず、CBC賞(G3)にはメラグラーナ(牝5、栗東・池添学厩舎)と挑まれます。2枠3番に決定しましたが、いかがですか?
圭太:……まあ、与えられたところでやるしかないですからね。
-:というのも、胴が長めのタイプですし、インで立ち回りを求められるよりはのびのび走れる展開や条件がベストかと思っていました。
圭太:それはありますよね。
-:同じコースで行われた高松宮記念は悪天候、馬体重の変化などもありました。敗因としては改めてどう見られていますか?
圭太:やっぱり馬場ですかね。そういう意味では、土曜にけっこう降るなんて聞いていますし、どうかな?と思っているんですが……。馬体重については問題なかったと思いますよ。僕が乗ったレースではありませんが、中京では勝鞍もありますし、条件がいい方向に向いてくれたらと思います。
-:僕もオーシャンSの時が減りすぎていたと思っているので、馬体重は前走くらいでもと思っています。パンパンの良だと前が残ってしまうかもしれませんし、それなりに時計が掛かって差しが効くくらいの馬場だったら良いのですが。続いて、同じく日曜の木曽川特別からルックトゥワイス(牡4、栗東・藤原英厩舎)はいかがですか?
圭太:率直に楽しみですよね。前走もかなり強い競馬でしたし、降級ですから。パンパンな馬場じゃないといけないわけじゃないと思うのでね。
-:中京7R(4歳上500万下)のジャーマンアイリスは2走前に乗られています。土曜福島4R(3歳未勝利)のタイセイエピローグは2着。距離がまた延びますね。それと、土曜最終のブレスアロットですね。
圭太:ジャーマンアイリス(牝4、栗東・吉田厩舎)は東京で乗った際、手応えを感じていたんですよね。それだけに次は面白いのではないかと思っていたんです。タイセイエピローグ(牡3、美浦・池上弘厩舎)も1700くらいは丁度いいイメージ。チャンスです。ブレスアロット(牡4、美浦・高柳瑞厩舎)はこの条件で勝鞍があるでしょうし、上手くハマってくれれば。
グランシルクは正直、久々に上手く乗れたという思いです。スタート、折り合い、馬の雰囲気とこれは上手くいったな……と思ったのですが。
-:先週のレース回顧と質問にもお答えください。サンチェサピーク(牡3、美浦・加藤征厩舎)は勝ち負けかと思っていましたが、それにしても、強かったですね。
圭太:行き脚もついて、持っているものを出し切れましたね。ゲート練習も重ねて、ピリッとしたところが出てきたのも良かったのかな。ペースも向いてくれたとはいえ、能力はありますね。
-:パルティトゥーラ(牝3、美浦・和田郎厩舎)はテン乗りでしたが、難なく結果を残されました。
圭太:非力なイメージも持っていたのですが、パワーもあったほど。スローペースも内々から上手く伸びてくれましたよ。
-:新馬のスワーヴエドワード(牡2、美浦・国枝厩舎)は追い切りから跨がられていたのですが、快勝でしたね。
圭太:前半は引っかかるようなところもあったのですが、上手く我慢がききましたね。元気がいいところは心配でしたが、追い切りで感じていた動きの良さをみせてくれたと思います。
-:リカビトス(牝3、美浦・奥村武厩舎)はゴール前で届いて差し切り。いかがでしたか?
圭太:小柄な馬ですが、トビや背中などはいいモノを持っていますね。欲を言えば、もっと食べて身体も大きくなってほしいところですが、よく差し切ってくれましたよ。
-:敗れてしまったところからはグランシルク、ファッショニスタとどうでしょうか?
圭太:グランシルク(牡5、美浦・戸田厩舎)は正直、久々に上手く乗れたという思いです。スタート、折り合い、馬の雰囲気とこれは上手くいったな……と思ったのですが、結果的には勝ち馬に有利な馬場だったのかもしれません。馬場も渋っていましたからね。ファッショニスタ(牝3、栗東・安田隆厩舎)は休み明けよりも、左回りだと思います。ずいぶんエンジンの掛かりが遅かったですからね。
-:ありがとうございます!以降は、先日のイベントで寄せられたファンからの質問です。お答えいただけなかった分を引き続きよろしくお願いします。まず、「お子様とはおうちでどんな遊びをされていますか?」とのことです。
圭太:子供も習いごとなんかがあったりしますからね。意外とゆったりと過ごせているわけではないですね。
-:それでも、地方時代は大井開催なら毎日調整ルーム。ずいぶん時間は出来たのではないかと思います。
圭太:ただ、子供たちは土日に時間があったりしますから。そこは今なかなか合わないところですね。
-:ゆーやさんより「BIGレースを1着で駆け抜けた時の感覚を教えてください」という質問です。
圭太:それは嬉しいですね。人気馬だったらホッとするといいますか。G1などだと、周りも喜んでくれますし、日頃応援してくれている人にも喜んでもらえる。自分どうこうより、余計に勝てるといいところはありますよね。
-:たくみさんより「今までのレースで全てが上手くいったレースはどれですか?」という難しいお問い合わせです。
圭太:上手くいった、ねえ……。あまり考えたことないですね。自分が思っていても、周りや馬はどう感じているかわからないからなあ。最近でいえば、さっきのグランシルクは上手く乗れたと思うんですけどね。勝っても、負けても、いい騎乗も悪い騎乗もあると思う。競馬は正解がないですよね。
-:そういう意味では、周りがどうこう言えるモノではないんですよね……。騎太郎さんからは「外国人ジョッキーから得るものは何でしょうか?」という質問も寄せられています。
圭太:う~ん、人馬の一体感かな。御すにしても、追うにしても素晴らしいですよね。
-:近い質問では、カイさんから「8月、アスコット競馬場で行われるシャーガーCでどんなことを楽しみにされていますか?」とのことです。
圭太:競馬以外は特にありませんが、何よりも競馬発祥の地にいけるというのがね。戸惑うこともあると思いますが、良い経験になればと思います。
-:ありがとうございました。先週終了時点では、リーディングに立たれました。また、勝ち星を気にさせられることになりますが……(笑)。
圭太:いやいや、まだ6月ですよ(笑)。僕も意識せず、一つ一つしっかり乗っていきたいです。
-:地方交流重賞の騎乗もありますし、体調には気をつけて夏競馬も頑張ってください。
圭太:ありがとうございます。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は7月7日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。