'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月11日時点1556勝
リーディング独走へ今週も福島で有力馬ズラリ!月曜は盛岡で騎乗
2017/7/14(金)
ゼーヴィントは走り方が良くなったこと。そこが変わってきたなと感じました。
-:今週もよろしくお願いします。まず、水曜日のジャパンダートダービー(Jpn1)はサンライズノヴァ(牡3、栗東・音無厩舎)と臨まれたのですが、6着。戦前のお話では課題も口にされていたので、納得できる部分も多少はあるのですが、あそこまで見せ場なく終わってしまうとは……。
圭太:そうですね。思っていたことが悪い意味で的中してしまいました。あそこまで手応えがないとは、距離だったと思います。
-:レース前は砂をかぶるのにもまだ慣れが浅いので、外目の枠を引ければ、という話をされていて、スタンド前の1周目は外目を通っていて、“力も上だろうしモマれていないから、今日は大丈夫かな”なんて思っていたんです。
▲直線では末脚が弾けるところのなかったサンライズノヴァ
圭太:砂は被らない位置にもいられましたが、思っていた以上にペースも上がらず、馬群もバラけなかったですね。その分、考えていた以上に外を回されたとはいえ、あそこまで反応がないとは……ですね。
-:なおかつ前回とは違った馬場でしたね。
圭太:乾いていて力を要する馬場もこたえたかもしれません。現状は東京のマイルなどでスピードが活きる馬場の方が良さそうですね。
-:元・南関東のジョッキーということで、この話も振るとレースの結果は船橋のヒガシウィルウイン(牡3、船橋・佐藤賢厩舎)が勝たれ、久しぶりに地方馬がJpn1を勝利。競馬場も盛り上がっていましたね。
圭太:そうですね。明るい話題だと思います。しかし、東京ダービーの時も話しましたが、佐藤賢二先生の仕上げはやっぱり凄いなと感じましたよ。改めて凄みを感じさせられました。
-:佐藤調教師のレース後の談話では、そこまで手放しに喜んでいられるわけではなく、じっくりと話している姿が印象的でした。
圭太:ええ、あまり口数は多い人ではないけれど、しっかり仕上げてこられる先生ですね。
-:そして、先週はジョッキー自身、七夕賞(G3)を連覇。ゼーヴィント(牡4、美浦・木村厩舎)とはラジオNIKKEI賞以来の勝ち星でしたね。
圭太:一番は走り方が良くなったこと。そこが変わってきたなと感じました。
-:先行もしているし、差す競馬も出来る。それでも、「騎手がフォローしないといけない部分は残っている」とはレース前に語られていましたよね。
圭太:そうですね。その点、成長したことでずいぶんしっかりしてきましたよ。
-:レース前のテンションはどうでしたか?
圭太:もともとうるさいところのある馬で、あれくらいはいつも通り。むしろ、普段よりも雰囲気は良かったほどですよ。レースも先行馬がいたので、その後ろで競馬ができればと思っていました。追って渋太く伸びてくれますし、現実にそういう形になりましたね。
-:しかし、残念ながら、骨折とのことで。
圭太:ええ、まだ上を目指せると思うだけにしっかり治してほしいですね。
(クインズサターンのコース適性は)僕も気になりますね。ただ、能力自体は昇級でもヒケをとりません。
-:今週ですが、土日福島での騎乗ですね!注目どころといえば土曜メイン・安達太良Sのクインズサターン(牡4、栗東・野中厩舎)でしょうか。とにかく今までの戦歴からもコース替わりが気になるところですね。
圭太:……僕も気になりますね。ただ、能力自体は昇級でもヒケをとりません。上手く力を引き出してあげられたらと思います。
-:土曜最終レース(3歳上500万下)のネームユアポイズンは中山で勝ち星を挙げられて、前走は東京で道悪もこたえていた様子。7R(3歳未勝利)のサクラメジャーは何度か乗られていますね。
圭太:ネームユアポイズン(牡3、美浦・国枝厩舎)は良いと思います。コース的にも小回りが向きそうですね。サクラメジャー(牝3、美浦・田島俊厩舎)は追い切りにも乗せていただいたのですが、少しずつしっかりはしてきたかな。
-:日曜1R(2歳未勝利)のカガスターは新馬戦で3着。2R(3歳未勝利)のスターライトブルーは安定感があるものの、前走は負けた相手も強かった印象。6Rのタイセイエピローグは勝利に近い存在とみていましたが、ひと叩きでどう変わってくるかですね。
圭太:カガスター(牡2、美浦・高市厩舎)はまだ上積みがありそうですね。スターライトブルー(牡3、美浦・戸田厩舎)は福島コースが難しい気もしますが、実績は上位ですからね。タイセイエピローグ(牡3、美浦・池上弘厩舎)はひと叩きの効果はあると思います。前走は本来の走りではなかったですからね。
-:種市特別のビートマッチ(牝3、美浦・萩原厩舎)は2戦目で乗られていますね。
圭太:自分のリズムで運べたらいいですね。新馬戦などはスローとはいえ逃げて強い競馬でしたから。
-:17、祝日の月曜は盛岡へ。マーキュリーカップ(Jpn3)でピオネロ(牡6、栗東・松永幹厩舎)に騎乗されますね。
圭太:コースも合いそうですし、ここのところ崩れなく走ってきてくれていますから。楽しみです。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。