'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
年間100勝にリーチ!福島リーディングも取って夏の快進撃継続だ
2017/7/21(金)
ダノンポピーは調教も動けていますね。距離などもこれくらいが合いそうかなと
-:早いもので福島開催もいよいよ最終週。今週もよろしくお願いします!早速ですが、週末の騎乗馬について伺っていきたいと思います。 まずは土曜から。5R(2歳新馬)のダノンポピーは追い切りに乗られていまして、坂路では水準の時計をマーク。三陸特別のバイタルフォースは以前からレースで騎乗されていますが、こちらは追い切りにも騎乗とのことで。
圭太:ダノンポピー(牝2、美浦・尾関厩舎)は調教も動けていますね。距離などもこれくらいが合いそうかなと。ミッキーロケットの下という血統からも楽しみです。バイタルフォース(セ5、美浦・萩原厩舎)は久々なのですが、仕上がりそのものは悪くないと思いますよ。やってみなければわからない面もありますが、条件替わりは良い方に出るんじゃないかと思います。
-:日曜は1R(2歳未勝利)のジョブックコメン、4R(3歳未勝利)のレコンキスタと前走で惜敗していた馬たちはいかがですか?
圭太:ジョブックコメン(牝2、美浦・小桧山厩舎)はセンスの良い競馬をみせてくれましたし、状態がキープできていれば。小柄な馬なのでね。レコンキスタ(牡3、美浦・斎藤誠厩舎)は遮眼をつけて、前向きさが出てきましたね。ただ、かなり使い込んでいますし、何とか決められたらというところです。
-:福島は暑い、というお話も以前してもらいましたが、そろそろ馬のデキにも心配になる暑さですものね。8R(3歳上500万下)のモリトシラユリは前走で初騎乗。枠が外過ぎたのかな、という印象も受けました。横手特別のケルフロイデはテン乗りですが、追い切りに騎乗されました。
圭太:モリトシラユリ(牝3、美浦・堀井厩舎)は外枠から惜しい競馬でしたが、むしろモマれない条件は良かったと思います。ケルフロイデ(牡4、美浦・加藤征厩舎)はさすがに重賞2着馬。雰囲気は感じました。調教ではそこまで仕上がりの悪さを感じませんでしたが、さすがにこれだけの久々。実戦勘が鈍っていなければ……。
-:福島テレビオープンのショウナンバッハ、最終レース(3歳上500万下)のサレンティーナについてもよろしくお願いします。サレンティーナは初めての距離ですね。
圭太:ショウナンバッハ(牡6、美浦・上原厩舎)は中山(AJCC)で3着に来た時のような競馬ができれば……。サレンティーナ(牡3、美浦・萩原厩舎)は力量上位だと思うのですが、1200mがどう出るか。
-:ショウナンバッハは相手も手強いですが、ジョッキーとの相性は良いんじゃないかと僕は思っています。ちなみに、もともとこのレースは違う馬に乗る予定でしたか?
圭太:そうですね。ハートレーを予定していたのですが、鼻出血とのことでして。
-:続いてレース回顧をいただきたいのですが、盛岡のマーキュリーカップ(Jpn3)はピオネロ(牡6、栗東・松永幹厩舎)に騎乗。惜しい2着でしたね。
圭太:直線はスムーズじゃなかったと言えばそうとも言えますし、もう少しすんなりと追い出せていたら、結果は違ったのかもしれません。枠が枠だったので、位置を取りに行かず外目を追走することも考えましたが、結果的にはあの競馬。あれで良かったのかもしれませんし、悪かったのかもしれない。ただ、勝てなかっただけに申し訳ないところですが、難しいレースでした。
-:もともとスパッと動けないところもありますし、負けても堅実なところはみせているので、良い走りをみせてはくれていますね。
圭太:そうですね。追ってから速い脚がないところは事実なのですが、崩れないところは今回もみせてくれました。もどかしさもあるのですが、頑張ってくれました。
-:中央のレースでは、チリーシルバー(牝3、美浦・萩原厩舎)はどうでしたか?
圭太:追い切りでは具合の良さを感じていましたが、難しさを感じていたのも事実。スタートは出ているものの、フワっとしますし、グンと前向きに行ってくれるところはなかったですね。それに砂を嫌がる面もあって……。僕は芝の方が良いんじゃないかと思います。
-:ズルズルと後退してしまったあたり、相当に難しいところがあるのかなとも思いました。フミノムーン(牡5、栗東・西浦厩舎)はスローになりそうなだけにどうなるのか心配しましたが、何とか勝ちきりましたね。
圭太:もともと折り合い重視で後方からの競馬をしていて、そんなレースをイメージしていました。ただ、ゲートも二の脚も速く、あの位置からに。道中はちょっと一生懸命なところもあったのですが、結果的にはあのポジションで折り合えたことが収穫だったのかもしれません。
-:違った一面が窺えたレースでしたね!ビートマッチ(牝3、美浦・萩原厩舎)は正直、勝ちきってくるとは。これは驚かされました。
圭太:ええ、以前とはまるっきり違いました。今回は成長していたことに尽きます。
-:一方で同じ馬主さんのネームユアポイズン(牡3、美浦・国枝厩舎)は先週のお話を聞いている限り、この馬が一番手応えアリかと思っていました。
圭太:そうですね……。とにかくテンションが高く、高いというか興奮しているような状態。レースどころではなかったんです。
-:マクっていった時に、今日もアッサリ勝つんだなと思っていたくらいだけにビックリでした。クインズサターン(牡4、栗東・野中厩舎)は惜しい3着。課題としていたコースはこなしましたね。
圭太:4コーナーでスムーズさを欠いた点は誤算。勢いをつけていくところでブレーキがかかってしまいましたからね。上手く捌けていれば、という結果でしたし、やはり良い脚は持っていますよね。普通、福島のあんな位置から差せませんから。
-:さて、次週は引き続き新潟とのことですが、8月は小倉記念(G3)で小倉初騎乗!サンマルティン(セ5、美浦・国枝厩舎)と挑まれますね。
圭太:そうですね。楽しみにしています。
-:ちなみに、先週、聞き忘れてしまいましたが、7月8日は誕生日でした。こちらにも沢山の誕生日お祝いメッセージをいただいたのですが、その週末は福島で固め打ち。ファンからも沢山のプレゼントを固め打ちされたのではないですか?
圭太:いやいや(笑)。そんなにもらっていませんよ。扇子やワイン、僕の写真が入ったゴルフボールとか。あとは小野田さんにもらったサンダルとか。たいした数じゃありません。
-:ハハハ。といっても年々ファンは増えているような。
圭太:そうですね。ありがたいです。
-:8月は小倉記念、イギリス遠征、WASJとイベントづくしですが、年間100勝もリーチ。あっという間に通算800勝もやってきますね。色々考えなくては。
圭太:ありがとうございます(笑)。
-:次週もよろしくお願いします!
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は7月28日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。