'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
飛躍の秋へ!オールカマーはステファノスと臨む
2017/9/22(金)
前節の3日間開催は、惜しい結果もあったが、順当に勝ち星を重ね、水曜のオーバルスプリントでは4連覇を決めた戸崎騎手。今週は予てから縁があるステファノスの秋初戦で手綱をとるが、G1シリーズ開幕も目前に控える最中、さらにその勢いを加速させたいところだろう。
9月20日、浦和でオーバルスプリント4連覇を達成
-:浦和のオーバルスプリント(Jpn3)優勝、おめでとうございました!別の馬が逃げるのかと思っていたので、お見事だったなあと思います。
圭太:サイタスリーレッド(牡4、栗東・佐藤正厩舎)には芝でも乗ったことがありましたし、モンドクラッセがどう出るか、といったところは気をつけていました。ただ、スピードも違いましたし、行けたあたりで良い結果になるのではないかと手応えは掴んでいましたよ。
-:全体的に斤量の軽い馬が多かったとはいえ、50kgの馬もいましたし、乗ったことのある馬もいましたね。
圭太:ブルドッグボスなんかは浦和よりも広いコースのほうが合うんじゃないかと見ていましたし、サイタスリーレッドも芝で乗って感触はわかっていましたからね。結果がついてきてくれて嬉しいです。
-:今週は土日中山での騎乗。オールカマー(G2)にはステファノス(牡6、栗東・藤原英厩舎)と挑みますね。
圭太:前走は久々のマイルが良いんじゃないかと思ってはいましたが、G1は甘くなかったなと。状態はわかりませんが、距離も戻りますからね。改めてと思います。その春の当時も、以前よりもしっかりした印象は感じましたからね。
-:中山についてはいかがですか?
圭太:以前も走っていますからね。問題ないんじゃないでしょうか。この後は天皇賞も控えていますし、次は得意のレース。良い形でつなげたいです。距離は違いますが、前走より相手も楽にはなるでしょうからね。
ステファノスの距離延長はプラス材料
-:土曜の騎乗馬では、1R(2歳未勝利)のニシノラヴコール、7R(3歳上500万下)のタイセイスペリオルなどはどうですか?
圭太:ニシノラヴコール(牝2、美浦・尾形充厩舎)はもう少し経験を積んでほしいところですね。タイセイスペリオル(牡4、美浦・池上弘厩舎)は限級勝ちの実績がありますし、今なら1200mであればと思います。
-:セプテンバーSのアドマイヤナイト(牝5、栗東・梅田智厩舎)は以前、中山で勝たれていますね。
圭太:上がりが掛かったほうが良さそうなタイプですね。すでに準オープンでも実績があるようですし、楽しみですよ。
-:日曜1R(2歳未勝利)のクラウンエンジニア、3R(3歳未勝利)のシャープシューターとどうでしょうか?
圭太:クラウンエンジニア(牡2、美浦・田島俊厩舎)はこの中間も乗せてもらいましたが、いい雰囲気で来ていますよ。相手次第でもっと上があってもいいんじゃないでしょうか。シャープシューター(牡3、美浦・久保田厩舎)は少し乗り難しいところがありますね。トビが大きいので、広いコースがいいのも事実です。
-:6R(3歳上500万下)のモリトシラユリ、7R(同)のスキャットエディも聞かせてください。
圭太:モリトシラユリ(牝3、美浦・堀井厩舎)はチャンスがあるはずですよ。スキャットエディ(牡4、美浦・斎藤誠厩舎)は1200mなら合いそうですね。
-:芙蓉ステークスのトゥザフロンティア(牡2、栗東・池江寿厩舎)はテン乗りではありますが、楽しみです。
圭太:そうですね~。これは新馬の走りから楽しみです。血統からも素質がありそうですよね。
-:外房特別のハウメア(牝3、美浦・藤沢和厩舎)は東京に続いての騎乗ですね。
圭太:良くなっていますね。前走も勝ちたかったところですが、今回もリズムよく走らせてあげたいです。中山になるのもマイナスではないですから。
-:先週のレース回顧もお願いいたします。サトノキングダム(牡4、美浦・国枝厩舎)は勝ったかと思いましたが、相手も素質馬。惜しい結果でした。
圭太:4つのコーナーがどうかと思っていたのですが、上手に走ってくれたと思います。良い結果を残せなかったのは残念ではありますが、レースそのものは悪くないんじゃないかと思います。
-:フローレスマジック(牝3、美浦・木村厩舎)も同じくといいますか、惜しい競馬。直線半ばで、これなら勝って不思議ではないと思ったのですが……。
圭太:最初から逃げようとは思っていなかったのですが、相手関係と展開をみて、あの競馬に。何とか押し切れると思ったんですけどね。
-:キョウエイスコール(牡4、美浦・勢司厩舎)は惜敗続きにピリオドを打ちました。
圭太:前がやりあってくれて、展開も向きました。最後までしっかりと伸びてくれましたよ。
-:サンライズソア(牡3、栗東・河内厩舎)はどうでしたか?
圭太:斤量も軽いし、チャンスだと思いましたが、枠も正直、いい条件ではないなというイメージ。上手く2番手につけられて、前半こそ速くなりましたが、最後までしぶとく走ってくれました。欲を言えば、上位馬と併せる形になれば、良かったですし、頭が高いフットワークなので身体全体をしっかり使えるようになってくれると尚良いんじゃないかと思います。
土曜6Rはメイショウヒサカタをデビュー勝ちに導く
-:プリモシーン(牝2、美浦・木村厩舎)は期待の新馬としてメディアでも話題になっていたのですが、相手が強かったですね。
圭太:ええ、強かったです。あとでレース映像を見直しても、勝ち馬は強かったと思ったほど。ただ、狭いところを割って出てこられましたし、高いレベルのパフォーマンスはみせてくれましたよ。
-:バラダガール(牝3、美浦・国枝厩舎)はジャッジどおりに中山替わりで巻き返してきましたね。
圭太:イメージどおりでしたね。馬場もそんなに悪くはなかったですし、途中で動いていくような競馬を意識。最後はよく差してくれましたよ。
-:テオドール(牡4、美浦・国枝厩舎)は1番人気に支持されたものの、6着でした。
圭太:思ったよりペースも遅かったですし、なかなか動けませんでしたね。
-:ただ、プラス体重もありましたかね……。バイタルフォース(セ5、美浦・萩原厩舎)は戦前に距離がどうかというお話もありましたが、無事に勝ち星。ただ、どう感じられたのか、特に気になったレースでした。
圭太:やっぱり距離は短いほうがいいですねえ。最後は勝ちはしたものの、地力の違いで勝ったという感じ。一旦は差されていますから。
-:メイショウヒサカタ(牝2、栗東・浅見厩舎)はメイショウさんの勝負服で"久方ぶり"の勝ち星でした。
圭太:そうですね(笑)。雰囲気のいい馬でしたよね。返し馬からいい手応えを持っていましたし、楽に先手がとれて最後までちゃんと走ってくれました。
-:さて、いよいよ次週からG1ですね。スプリンターズS(G1)はメラグラーナ(牝5、栗東・池添学厩舎)とのコンビです。
圭太:前回のレースからも楽しみですね。菊花賞(G1)にはトリコロールブルー(牡3、栗東・友道厩舎)に乗せてもらうことになりました。
-:秋こそはG1勝ちとなればいいですね!今週もありがとうございました。
圭太:ありがとうございました。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は9月29日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。