'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
JRA通算800勝の次はG1制覇だ!菊花賞トリコロールブルーに手応えアリ
2017/10/20(金)
先週、節目のJRA通算800勝を決めた戸崎圭太騎手は、今週は菊花賞でトリコロールブルーに騎乗する。最終追い切りは栗東トレセンに駆けつけ、久々に背中の感触を確かめたようだが、混戦メンバーに加え、大雨が予想される週末。どんな結果となるか。長丁場でリーディングジョッキーの手腕をみせつけてほしい一戦だ。
-:先週はJRA通算800勝達成、おめでとうございました!競馬場で挨拶させていただいた時は気にされていない様子でしたが、いかがですか?
圭太:いや、やはり毎度言うことですが、一つ一つの積み重ねですからね。一人じゃ出来ないことですし、改めて関係者に感謝の思いしかありません。達成してみれば、嬉しいものです。
-:またメモリアルグッズを作られるという噂ですが……今週の話題をさせていただくと、菊花賞(G1)ではトリコロールブルー(牡3、栗東・友道厩舎)に騎乗されますね。
圭太:今週、追い切りに乗せてもらいました。雰囲気自体は良いと思いますよ。以前はテンションがキツいところがあったのですが、そんな面も感じませんでした。ただ、追い切りに乗せてもらうのは初めて。これが競馬場にいったら、どうなっているかは未知数ですが。
-:2走前の青葉賞などは身体も大きく減らしていましたし、精神面の課題も出てしまったということでしょうか。
圭太:ええ、そうです。
-:木曜日に枠順は決定しまして、良い枠を引いたのではないかと思います。
圭太:そうですね。走りからも雨馬場には対応できそうですし、良い条件かと思います。
-:距離についてはどうですか?
圭太:今週の雰囲気ならこなせそうじゃないですかね。僕も長丁場のレースは楽しみですが、ヨーロッパで乗った時以来となる3000m超の距離ですから。その醍醐味を味わいつつ、結果を残せたらと思うんです。
トリコロールブルーの追い切りに騎乗
-:同じく日曜京都では、桂川ステークスのアドマイヤナイト、なでしこ賞のテイエムオスカーと続きます。
圭太:アドマイヤナイト(牝5、栗東・梅田智厩舎)は前走も良い競馬が出来た手応えはあったのですが、勝ち馬が強かった。しっかり追い込んでくれましたが、前残りの馬場でもありましたからね。ただ、今回は道悪は気になるところですね。テイエムオスカー(牡2、栗東・山内厩舎)は未勝利勝ちが強い内容でしたから、楽しみですよ。
-:土曜は東京で騎乗。富士ステークス(G3)のブラックムーン(牡5、栗東・西浦厩舎)は久々のコンビですね。
圭太:これも馬場が心配なところですね……。それと、展開もどこまで向いてくれるか。
-:秋嶺ステークスにはクインズサターン(牡4、栗東・野中厩舎)と挑まれます。
圭太:昇級して、福島でも結果を残していますよね。それに東京替わりは歓迎。重いダートよりも、軽くなるのは決してマイナスではないです。展開が向いてほしいです。
-:先週のレースでは、興味深いところも多かった印象です。ストロングタイタン(牡4、栗東・池江寿厩舎)は惜しかったです……。
圭太:あの差は悔しいですね……。一度、差されてからまた盛り返した感触はあったのですが、届いていなかったです。非常に乗りやすい馬で、土曜よりゆるい馬場にも我慢して、上手に走ってくれました。本質的には良馬場の方が良いとはいえ、頑張ってくれただだけに勝ちたかったですよ。
-:メモリアルを決めたモンドアルジェンテ(牡5、美浦・萩原厩舎)は意外な競馬での勝ち方でしたよね。
圭太:ゲートが落ち着かなかったですね。ただ、こうした競馬ができたのは進歩ですよね。こういった馬場ではありますが、砂をかぶっても嫌がるところはなかったですから。成長が窺える内容でした。
-:乾いた砂よりも締まったダートの方が、嫌がらないものですか?
圭太:う~ん、馬それぞれですけどね。そういう傾向はありますよ。
-:ピンクブーケ(牝5、美浦・小西厩舎)はどうでしたか?こんな馬場は向くんじゃないかと思っていたのですが。
圭太:少しノメっていましたね。常に起こすような乗り方で。前は起きて走っていた分、苦にしなかったのでしょうが、伸びて走ってしまう分、ノメっていました。それでも、2着に来られるように強い内容ですが。
-:白毛のハウナニ(牝2、美浦・手塚厩舎)で勝たれましたね。
圭太:芝かダートか……適性はわかりませんが、こんな馬場は良いタイプですね。
-:メイプルキング(牡4、美浦・高市厩舎)は昇級初戦でしたね。
圭太:先週も言ったかと思いますが、仕上がりがどうかと思っていたところ。休み明けがちょっとこたえましたよね。それでも、このクラスでやれる雰囲気、手応えは感じましたよ。
-:府中牝馬ステークスのアドマイヤリード(牝4、栗東・須貝尚厩舎)はどうでしたか?
圭太:もうちょっと位置をとれたら、という競馬でした。色々映像を見直して、勉強になったレースでした。馬自体はさすがにG1を勝っているだけありますよね。
-:ロイヤルストリート(牝5、栗東・藤原英厩舎)は狭くなった分がもったいなかったですね。
圭太:これは先生にも伝えたのですが、距離が長いですね。スタートが良いのに、前に壁を作って、というタイプで下げないと行けないし、スパッと来るタイプでもないですからね。ならば、もう1F短い距離で上手く立ち回った方が。
-:新馬のマウレアとダークリパルサーはどうですか?
圭太:マウレア(牝2、美浦・手塚厩舎)は良い形で勝てましたし、センスはありますよね。ダークリパルサー(牡2、美浦・金成厩舎)は調教の段階から能力を感じていましたが、気性がどう出るか、という懸念がありました。それでも、しっかり走ってくれましたよね。まだ上積みはありそうです。
-:次週はいよいよ天皇賞。ステファノス(牡6、栗東・藤原英厩舎)に騎乗されますが、馬には相性のいいレースですね。
圭太:そうですね。頑張りたいところです!
-:次週もよろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は10月27日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。