'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月11日時点1556勝
惜しくもG1制覇届かず…今週こそワンブレスアウェイで久々の重賞Vを
2017/12/15(金)
今年の中央競馬開催も残すは5日間。先週の阪神ジュベナイルフィリーズは久々の重賞制覇なるか、期待が高まったが、惜しくも3着。ただし、今週は10度目のコンビとなるワンブレスアウェイとターコイズステークスに挑む。きょうだいは重賞で活躍馬多数の血統馬。2度目の重賞挑戦でタイトルゲットとなるか。主戦の手腕に期待だ。
「重賞には手が届いていい馬とは思っています。オープン入りした時もそう思っていましたし、それだけに春の福島牝馬S(G3)に出られなかったのは残念でしたが、改めて頑張りたいですね」
-:先週から今週にかけて、2歳の大レースが続きましたが、まずは阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)のマウレア(牝2、美浦・手塚厩舎)は3着。相手も一気に強くなった中での結果にどう感じられましたか?
圭太:とにかく初物づくしでしたよね。初めての輸送競馬、右回り、頭数も多かったですし。しかも、持ち時計がなかった上にスロー続きでしたからね。ああいうペースの中でどんな走りをしてくれるのか気になりましたが、時計にも対応してくれましたね。
-:ただ、ちょっと気になったのは少しモタモタするような、ジワッと反応していた点です。この辺りは成長と共に良くなるのでしょうか?
圭太:今回はある程度、ペースも速まった中での戸惑いもあったのかもしれませんね。それに、今回は返し馬の時点から我を出すというか、わがままな部分も見えました。スタートしてからもサッと流れに乗れなかったですからね。
-:まだ未知な部分が大きい2歳馬たちですが、今後の成長が楽しみです。全日本2歳優駿(Jpn1)のダークリパルサー(牡2、美浦・金成厩舎)はどうでしたか?
圭太:う~ん、危惧していたのですが、折り合い面の課題が出てしまいました。ナイターなどは特に問題なかったのですが、前向きさの強い馬。今回は折り合いがつかなかったですね。
-:直線では勝ち馬がササッたりしていましたが、そういう影響などはなかったですか?
圭太:そこは全然問題ないというか、影響はしていないですね。今まで乗った中では、2戦目の雰囲気が一番良かったのでね。あれくらいなら、もっと良い走りが出来たのかとは思うのですが。
外から猛追する黒い帽子が戸崎騎手騎乗のマウレア
-:ここからどれだけ成長してくるのか、楽しみにしたいと思います。今週ですが、土曜のターコイズS(G3)にワンブレスアウェイ(牝4、美浦・古賀慎厩舎)と挑まれます。重賞は2度目の挑戦ですね。
圭太:重賞には手が届いていい馬とは思っています。オープン入りした時もそう思っていましたし、それだけに春の福島牝馬S(G3)に出られなかったのは残念でしたが、改めて頑張りたいですね。
-:一昨年は大波乱だったレースです。今年も客観的に見ると、難解なイメージですね。
圭太:忙しくなりそうなメンバーですね。中山のマイルもこなせるとは思いますが、先行力があるだけに流れに乗るはず。ペースが向いてくれればと思いますね。
-:土曜7R(3歳上500万下)のリアリスト(牡4、美浦・相沢厩舎)は前回が惜しい競馬でしたよね。
圭太:惜しかったですし、相手も強かったですね。前走の雰囲気ならどんな競馬も出来ますし、このクラスなら中山になるのも問わないはずですよ。
-:ひいらぎ賞のエングローサー(牡2、栗東・清水久厩舎)は前走も2着。最終レース(3歳上1000万下)のイタリアンホワイト(牝3、美浦・相沢厩舎)は昇級ですが、前走が強かったですね。
圭太:エングローサーは夏に重賞を使った時はまだまだだったのかもしれませんが、僕が乗った時も体は緩かったですし、前走の雰囲気からも良いものは持っていますよ。イタリアンホワイトは初めて乗せてもらったのですが、前回は強かったですね。コースも問題ないでしょうし、あの勝ちっぷりならココでも、と思います。
-:日曜の中山ですが、南総ステークスのアドマイヤナイト(牝5、栗東・梅田智厩舎)は4度目の騎乗ですね。
圭太:前走もあんな馬場ながら頑張ってくれました。堅実な印象がありますし、中山も良いイメージ。順当にいい勝負をしてくれるはずです。
-:最終レース(3歳上1000万下)のスプリットステップ(牝3、美浦・和田郎厩舎)は初めての芝。8R(3歳上500万下)のライバーバード(牡3、美浦・手塚厩舎)は未勝利を勝たれましたね。
圭太:スプリットステップは決して芝が駄目とは思わないですよ。ライバーバードは勝つまでに時間が掛かりましたが、前走も目処の立つ内容でしたよね。
-:日曜はまたフリオーソの産駒に乗られるようですし、個人的にはそこが楽しみです!先週のレースでは、レーヴドリーブ(牝2、栗東・高野厩舎)はあと一歩でした。
圭太:いい馬場でやれたのは良かったですね。しかも、1度使ったことで良くなっていました。ただ、一つ一つの反応にまだ鈍さが残るのは事実です。スタートしてからも、なかなかスピードに乗っていけなかったですからね。
-:先週土曜の中山から、クラークキー(牡3、美浦・池上弘厩舎)はいかがでしたか?
圭太:レース前からイレ込み……ちょっと説明はし辛いですが、かなり気負っていました。前は我慢がきいていたのでしょうが、今回はゲートの中でも暴れたり、厳しいメンタル面でした。
-:サンライズノヴァ(牡3、栗東・音無厩舎)は賞金加算したかったところですが、2着でしたね。
圭太:思った通りの競馬は出来たんですけどね。もう少し流れてほしかったのが本音です。
-:チュラカーギー(牝4、美浦・中舘厩舎)にとっては厳しい展開でしたね。
圭太:そうですね。先行勢が総崩れの展開でしたから。
-:ゴールドスミス(牡3、美浦・二ノ宮厩舎)はどうでしたか?
圭太:最後は反応がなかっただけに、アレッという感じでした。ただ、あの日は前が残る難しい馬場でした。スイスイ行った馬が残っていましたからね。ただ、それについて行くべきタイプかというと、そうでもないと思うので。難しい条件だったと思います。
-:新馬のツヅミモン(牝2、栗東・藤岡健厩舎)は大接戦を制しましたね。
圭太:馬が大きかったのも有利だったかもしれません(笑)。フットワーク的にもまだまだ良くなりそうですし、使って良くなりそう。今後、どうなるのか、魅力がありそうです。ゲートもあやしいところがあったのに、よく勝ってくれたと思いますよ。
-:次週は有馬記念(G1)に枠順抽選会、再来週は交流や最終日の中山とありますね。
圭太:有馬はサトノクロニクル(牡3、栗東・池江寿厩舎)、兵庫ゴールドトロフィー(Jpn3)はサイタスリーレッド(牡4、栗東・佐藤正厩舎)に乗せていただきます。
-:ちょっと遅くなりましたが、第3回コンテストも近々リリース出来ればと思っています。また、来週もこちらもよろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は12月22日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。