'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月11日時点1556勝
さあ有馬記念!好枠引いたサトノクロニクルで一発みせろ!
2017/12/22(金)
いよいよこの土日、次週28日(木)の開催をもって、今年の中央競馬はラスト。現在、169勝を挙げてきた、この2017年の回顧も気になるところだが、まずは週末のレースについて伺いたい。有馬記念は初コンビとなるサトノクロニクルで挑むが、先立って行われた抽選会では好枠をゲット。一矢報いることが出来るのか、手応えを語ってもらった。
「有馬記念は大舞台で騎乗できることが光栄ですし、先々のある3歳馬ですからね。良い枠を引けたので、イメージを膨らませていきたいし、思い切った競馬をしたいです」
-:昨日は有馬記念(G1)の枠順抽選会、お疲れ様でした。サトノクロニクル(牡3、栗東・池江寿厩舎)は3枠6番とイイ枠を引かれたのかなと思いましたが、見立てとしてはいかがですか?
圭太:良い枠を引けたなと思います。馬のタイプはあくまで印象ですが、しぶといイメージ。あとは乗ってのフィーリングも大事に結果を残せればと思います。今週も追い切りに乗せてもらおうかと思ったのですが、こちら(厩舎)でやっておくとのことだったのでね。
▲内枠ゲットに本人もニヤリ!?池江師もガッツポーズをみせた
-:前回も芝の状態は教えていただきましたが、先週はどうでしたか?
圭太:カツカツというほどではないのですが、走り易い状態でしょうね。だから、前が残る。でも、レース終盤は差しもききますし、読みづらいところはあります。今週も雨は降っていないですし、引き続き大差ない馬場かと思います。
-:有馬記念ウィークということもあり、グリーンチャンネルでは過去の映像も流れていますが、2014年(ジェンティルドンナ)を思い出しますね。意気込みを聞かせてください。
圭太:大舞台で騎乗できることが光栄ですし、先々のある3歳馬ですからね。良い枠を引けたので、イメージを膨らませていきたいし、思い切った競馬をしたいです。距離が延びるのも良さそうですよね。
-:有馬記念を勝てる人なんて限られていますし、ゲンのいいレースと勝手に思っています(笑)。
圭太:まあ、だといいんですけど……(笑)。
▲ジェンティルドンナで制した2014年の有馬記念
-:他のレースもお願いします!土曜のグレイトフルSはパフォーマプロミス(牡5、栗東・藤原英厩舎)に騎乗。中京で勝たれた馬ですよね。同じく4R(2歳未勝利)のカラリエーヴァ(牝2、美浦・中川厩舎)は新馬で3着でした。
圭太:パフォーマプロミスは中山でも走れそうですよね。チャンスはある馬だと思います。カラリエーヴァはまだ良くなりそうなタイプ。ひと叩きがいい方向に向いてくれれば。
-:日曜はクリスマスカップのブラックバード(セ5、美浦・武市厩舎)は福島で勝たれた馬。グッドラックハンデのサブライムカイザー(牡5、美浦・池上弘厩舎)は久々の騎乗ですが、中山は良さそう。7R(3歳上500万下)のヒカリトップメモリ(牝4、美浦・池上弘厩舎)は中山で勝ち鞍がありますね。
圭太:ブラックバードはこのクラスでもやれて不思議ではないのですが、坂がこたえるかもしれないですね。サブライムカイザーは勝ち鞍のあるコースですし、自分でレースが作れる強みがありますから。ヒカリトップメモリはセンスの良さがウリ。このコースも合っているでしょう。
「先々が楽しみですね。父と似ているか、というと、フリオーソよりセンスは良いかもしれません(笑)」
-:今週は手短になってしまいますが、先週のレース回顧もお願いします!ターコイズステークス(G3)のワンブレスアウェイ(牝4、美浦・古賀慎厩舎)は8着、いかがでしたか?
圭太:う~ん、どうも前の雰囲気とは違いましたね。ゲートがあんな馬ではないですし、普通に出ていれば、やれておかしくない馬ですから。
-:前走の府中牝馬ステークスといい、ゲートが誤算でしたよね。同じく先週土曜では、イタリアンホワイト(牝3、美浦・相沢厩舎)も気になりました。
圭太:難しいポジションに入ってしまいました……。能力がある馬だけに、勿体無い競馬になってしまいましたよ。
-:前に他のジョッキーが乗った時も詰まってしまうレースがありましたが、脚が長いタイプだけに、小脚を求められるような展開になると厳しいですね。レレマーマ(牡5、美浦・国枝厩舎)やリアリスト(牡4、美浦・相沢厩舎)はどうでしたか?
圭太:レレマーマは力はありますし、スムーズな競馬。今回は落ち着いていましたし、身体も良くなったのがハマりましたね。リアリストはう~んどうしたものか……。進みっぷりがもう一つでした。
▲ワンブレスアウェイは前走に続き、出遅れが響いた格好に
-:先週日曜のアドマイヤナイト(牝5、栗東・梅田智厩舎)は速い時計で先行して、3着。惜しかったですね~。
圭太:外を回らされる条件がキツかったですね。それでも、いい走りをみせてくれましたし、しぶといところを出してくれたのですが、早めに来られたのが誤算です。
-:ゲッカコウ(牝4、美浦・高橋博厩舎)は惜しくも2着、エングローサー(牡2、栗東・清水久厩舎)もチャンスがあるかと思いましたが……。
圭太:ゲッカコウは普通に走りさえすれば、あれだけやれますよね。今の馬場も向いたかもしれません。エングローサーは枠に尽きますね……。こちらは今の馬場なら、尚更枠が堪えました。
-:タイキフェルヴール(牡2、栗東・牧浦厩舎)は追い比べを制して、これがフリオーソ産駒での初勝利になりましたね!
圭太:返し馬から良い感触がありましたよ。外を回って厳しいレースにはなりましたが、よくあの展開をしのいでくれたなという思いです。先々が楽しみですね。父と似ているか、というと、フリオーソよりセンスは良いかもしれません(笑)。ただ、上にいって即どうこうというよりは、力をつけつつのタイプかと思います。
▲フリオーソ産駒には2度目の騎乗で初勝利となった
-:懐かしのコンビを思い出すファンが多かったんじゃないかと思います。さて、次週は火曜の大井で交流競走に乗られて、水曜は園田の兵庫ゴールドトロフィー(Jpn3)でサイタスリーレッド(牡4、栗東・佐藤正厩舎)に騎乗されますね。
圭太:重賞を勝っていますし、この馬のレースが出来れば、力は通用して良いはず。状態面はわかりませんが、良い結果を期待したいです。
-:さて、先月はイベントにも出演いただきましたが、今度は勝ち袋のにがおえコンテストを開催させていただくことになりました。また、来週の開催もありますが、ファンの方は有馬記念の騎乗を期待しつつ、【こちらのコンテスト】(専用ページへ)にも是非参加いただきたいところです。
圭太:ありがとうございます。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は12月27日(水)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。