'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
シルク!シルク!シルク!2018年開催1週目は同馬主の素質馬で重賞ジャックなるか?
2018/1/5(金)
2017年はリーディングを獲得できず、またMVJも最後の最後にルメール騎手と同点となり、規定により4年連続の受賞とならなかった戸崎騎手。さぞかし悔しい思いをしたシーズンかと思うが、話を聞く限り、当人の視点は新年に、そして、いつも通り目の前のレースに向いている模様だ。新年1週目は土日月と重賞で有力馬に騎乗。昨年のうっぷん晴らし、とは言わずとも、流れを一変させるだけのラインナップではあるといえる。スタートダッシュとなることを願うばかりだ。
「セダブリランテスはレースしか乗ったことがないので、比較はしづらい部分はあるのですが、前走よりも(追い切りで)ピリっとした雰囲気を感じました。もちろん良い意味で受け取っています」
-:読者の皆さんも、戸崎騎手もあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
圭太:あけましておめでとうございます!
-:まずは新年ということで、2018年の目標、抱負があれば、お聞かせいただけますか。
圭太:昨年はリーディングを獲れず、悔しい思いをしましたからね。気持ちを引き締めて、改めて今年挑みたいですね。リーディングを獲ってこそだと思うので。
▲2018年カレンダーの一コマより
-:ただし、昨年秋はかなり苦戦したといいますか、ルメール、デムーロ両騎手の勢いが凄まじい印象でした。
圭太:年々、勝ち星のボーダーラインは高くなってきていますよね。今年も200勝くらいが目安になるのかと思っています。ただ、やることはいつもと変わらず、なんですけどね。
-:G1勝ちも少し遠ざかってしまいましたからね。ファンは大舞台で活躍する姿もみたいんじゃないかと思います。
圭太:まあ、そうですよね……。ただ、それはいつも勝ちたいことには変わりませんから。
-:ちなみに、年末年始はどんな過ごされ方でしたか?昨年は「飲んだ」と言っていたのを思い出しました。
圭太:今年も実家のほうに行かせていただきました。ただ、例年よりは飲まなかったかな(笑)。やっぱり年明けに対する気持ちもありましたからね。
▲年明けは3日の追い切りに騎乗
-:年々、食事面も節制が徹底されていきそうですね。さて、6日の中山金杯(G3)はセダブリランテス(牡4、美浦・手塚厩舎)と挑まれます。前走のアルゼンチン共和国杯で初騎乗となりましたが、今回は追い切りに初騎乗されましたね。
圭太:レースしか乗ったことがないので、比較はしづらい部分はあるのですが、前走よりもピリっとした雰囲気を感じました。もちろん良い意味で受け取っています。
-:現段階で枠順も決まっていないのですが、前走は東京の芝2500m戦で、今回は中山の芝2000m戦。そこについてはどうですか?
圭太:これも良い意味というか、幅広くこなせるタイプなのかもしれないですね。なにせまだキャリアも浅い馬ですからね。もう少し乗っていけば、タイプがつかめるんじゃないかと思います。枠はあまり外過ぎたりしなければいいかと思いますよ。
-:同じく土曜では、5R(3歳未勝利)のクリッパー(牝3、美浦・高橋文厩舎)、7R(4歳上500万下)のサトノキングダム(牡5、美浦・国枝厩舎)と中山芝2000m戦で騎乗されます。
圭太:クリッパーは前走も強い競馬をみせてくれているのですが、スタートが上手じゃないので、そこ次第ですね。サトノキングダムはいいモノは持っているので上手くハマってくれたら。
▲強い3歳といわれていた中でAR共和国杯でも3着のセダブリランテス
4歳初戦を飾ることが出来るか
「アーモンドアイはいい馬ですね。フットワークも軽いし、精神的な落ち着きもあり、雰囲気もよかったです」
-:日曜はフェアリーS(G3)でプリモシーン(牝3、美浦・木村厩舎)に騎乗。この日もメインはシルクレーシングさんですが、月曜もシルクさんですね。
圭太:そうですね。ありがたいです。新馬の時から能力も感じていましたし、当時は勝ち馬が強かった上に、外から一気に来られましたからね。コースも走っているので、慣れという面では他馬よりも強みでしょうね。
-:日曜最終R(4歳上1000万下)のイタリアンホワイト(牝4、美浦・相沢厩舎)はどうでしょうか?
圭太:前走が競馬になりませんでしたからね。巻き返したいですし、このクラスでもやれて不思議ではない存在なのでね。
-:3日間開催の月曜は京都ですね。シンザン記念(G3)のアーモンドアイ(牝3、美浦・国枝厩舎)はテン乗りですが、追い切りに騎乗されていましたね。
圭太:いい馬ですね。フットワークも軽いし、精神的な落ち着きもあり、雰囲気もよかったです。
-:僕も調教映像は拝見していたのですが、追い切りでそこまでのトーンが聞けるのも珍しいですね。
圭太:ええ。それくらい良かったですよ。ただ、月曜が雨らしいので、良馬場でやりたいのがホンネですね。もちろん未知数なので、どうなるかわかりませんが。
▲アーモンドアイの調教に騎乗する戸崎騎手
-:昨年12月28日開催のレース回顧も伺いたいのですが、ホープフルS(G1)のシャルルマーニュ(牡3、栗東・清水久厩舎)は12着。前回の競馬から考えると、僕の意見ではあそこまで負けるとは意外でした。
圭太:楽に流れに乗っていけると思っていたんですけどね。スピードも乗っていけず、良さを引き出せませんでした……。パンパンの硬い馬場で、スピード負けもしてしまったのかなと思います。
-:東スポ杯とは頭数が違うとはいえ、なかなか見せ場もなかったですからね……。兵庫ゴールドトロフィー(Jpn3)のサイタスリーレッド(牡5、栗東・佐藤正厩舎)はどうでしたか?
圭太:スムーズにいけましたね。これはゴールまでいってしまうかなと思ったところ、後続が来ると、耳を絞ってブレーキがかかってしまいました。勿体無い競馬でした。
-:モマれ弱さもあるとは他の騎手も口にしていただけに、外枠は良いのかと思っていましたよ。
圭太:モマれ弱さがあるのもそうなんでしょうけど、どうもここ最近、調教でも耳を絞って嫌気を見せるようなところがあるみたいなんです。浦和の時はそんな雰囲気がなかったですからね。
-:応援している身としては、昨秋は悔しい結果が続いてしまいましたが、久々の重賞勝ちも期待したいところです。
圭太:ええ、イチから、ゼロからのスタートとなりますからね。ここから改めていきたいです。
-:今回も手短になりましたが、また、時間をとって昨年を振り返る話を聞かせていただければと思います。
圭太:よろしくお願いします。
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(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は1月12日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。