'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月23日時点1569勝
惜しくも重賞4連勝ならず AJCCなど中山最終週を締め括れ!
2018/1/19(金)
京成杯は惜しくも2着に終わり、重賞4連勝に惜しくも届かなかった戸崎騎手。そもそも土日未勝利に終わったように、新年の開幕週から一転、悔しい競馬が続いてしまった。今週は外国人ジョッキーも中山に東上、また厳しい争いとなりそうだが、そんな環境の中で存在感をみせつけられるのか。奮起を期待したい。
-:先週の京成杯(G3)はコズミックフォース(牡3、美浦・国枝厩舎)と挑まれました。一瞬、勝ったかと思ったのですが、勝ち馬(ジェネラーレウーノ)も強かったですね。
戸崎圭太騎手:そうですね。もうちょっと前目で競馬をする想定でいたのですが、二の脚の勢いがつかなかったので、位置取りが後ろになっちゃいましたね。ただ、ペースも流れていたし、ちょうど良いかと思ったものの……。それでも、良い脚は見せてくれましたし、勝った馬は良いところで走っていたので、してやられたなと。
-:ペースも速かったですし、あれで先行して勝ちきられたらしかたないかと思いました。中山の芝のコンディションはどうでしたか?
圭太:乾いてはいるので、硬いと言えば硬いですけど、感じとしてはそこまで硬さはないですね。しかし、クッションは効いているので、パンパンという感じでもなく、重さはありません。1月の中山らしい状態ですよ。
-:わかりました。今週ですが、引き続き土日中山で乗られますね。土曜5R(3歳未勝利)のシャープスティーン(牝3、美浦・武井厩舎)は新馬戦で4着。馬自身、久々にはなりますが、休養を経てどう変わってくるでしょうか。
圭太:新馬の時は良い脚を使ってくれましたね。ただ、厩舎も「テンションが心配」とは言っていたので、その辺には気をつけたいですね。
-:東雲賞のシャララ(牝5、美浦・上原厩舎)は前回が惜しい2着、最終R(4歳上500万下)のサトノキングダム(牡5、美浦・国枝厩舎)は改めて、といったところでしょうか。
圭太:シャララの前走は上手くいったと思ったんですけど、相手が強かったのかなと。条件次第で引き続き楽しみです。サトノキングダムは前回が酷い競馬になってしまいましたからね……。それを踏まえてシッカリ乗ってきたいなと思います。
-:サトノキングダムは前走のレース後にも伺いましたが、以前は休み明けが良かったイメージです。体質面での変化はありますか?
圭太:もともと良い馬でしたからね。大きくは変わっていないと思いますが、そんな面を考えると、シッカリしてきたとはいえるかもしれません。距離も替わりますからね、もう一度、期待したいです。
-:日曜に移ると、最終R(4歳上1000万下)のジョンブドール(牝6、美浦・高橋文厩舎)ですが、前回は2017年最後の騎乗だったのを覚えています。勝ったかと思ったほどでしたが、大接戦の2着でしたね。
圭太:チャンスがある馬ですね。脚色というか、特徴としては後ろからになるので、展開にもいくらか左右される部分はありますけど、最後の脚は良いモノを持っていると思いますね。この距離も問題ないと思います。
-:流れ次第、ということで。
圭太:1800は枠順による差が大きいので。先に行けないので内枠でちょっとごまかして良いところに行きたいのは本音です。
▲2年前のAJCCでは戸崎騎手が騎乗して3着のショウナンバッハ(17日撮影)
-:アメリカジョッキークラブカップ(G2)のショウナンバッハ(牡7、美浦・上原厩舎)はいかがでしょうか?
圭太:重賞でも堅実に着に来て、最後の脚は良いモノを持っているので、そういう展開になって良い脚を活かせればと思っています。まあ、メンバーも強いので、少しでも良いレースを、という意識ではあります。
-:2年前に3着になっていますけど、昨年、乗られて当時よりも良くなっているということで。
圭太:大きくは変わらないですが、しっかりしてきましたよね。終いは堅実ですし、実績のあるコースなので、一矢報いたいですね。
-:先週のレースも伺うと、(4歳以上1000万下6着の)バラダガール(牝4、美浦・国枝厩舎)はゲートで後手を踏むシーンもちょっとありましたが……。
圭太:ゲートはそんなに速い馬ではないので、あれは仕方ないところがあるのですが、内に入り込んでしまったので、この馬の良さを出し切れなかったですね。もう少し最初から外に決めていけば良かったかなという感じですね。この馬の勝ちパターンのレース展開だったので、ちょっともったいないレースをしてしまいました。
-:ペースも上がらなかったですけど、あんなに前が残るのかなと。それに、以前のようにマクられていくのかなと思いました。
圭太:ええ、ドスローでしたから……。
-:(ニューイヤーS2着の)シュウジ(牡5、栗東・須貝尚厩舎)はどうでしたか?
圭太:やはりフットワークが軽いし、良いスピードを持っていますね。ただ、気の難しさが多少あるのかなとも感じましたね。
-:久々のこの距離(1600m)で格好がついたというか、惜しい競馬だった気がするのですが?
圭太:道中は一生懸命走っていまるが、前2走はノリさんが教えてきてくれたというか、そういうのもあって我慢は利いていましたけどね。
-:(ジャニュアリーS10着の)メイソンジュニア(牡4、栗東・渡辺厩舎)はいかがでしたか?
圭太:う~ん、この馬のレースが出来ればなと思ったんですけど、出負けして後ろからになってしまったので、ちょっと走らせきれなかったですね。戦前から感じているように、ダートが悪い感じはしなかったですけどね。
-:(初富士S6着の)バルデス(牡4、美浦・木村厩舎)はプラス体重(10キロ)が気になったのですが、いかがでしたか?
圭太:う~ん、僕のイメージとしては、北海道のときのようにグーンと長い脚で一気に捲りかけて、という競馬を想定していたんですけど。
-:僕も観ていて、ああいう感じで乗られているのかなという感じがしたんですけど、結局捲りきれないというか。(菜の花賞10着の)レッドシャーロット(牝3、栗東・庄野厩舎)はどうでしたか?
圭太:これは、テンションが高くなっちゃっていて、体と気持ちが噛み合っていない感じですね。
-:乗った感触ではこのクラスでもやれそうな感じでしたか?
圭太:そうですね。
-:(メイクデビュー中山9着の)ゲハイムヴァッフェ(牡3、美浦・伊藤大厩舎)はいかがでしたか?
圭太:思ったよりも緩さが堪えたかなという感じですね。おそらく次はダートになるかと思います。
-:来週は東京で乗られるとのことですが、水曜は大井(TCK女王盃)でミッシングリンク(牝4、美浦・斎藤誠厩舎)にも騎乗されますね。
圭太:ミッシングリンクはダートで乗ったことがないので、そこは未知数ですが、(斎藤誠)厩舎は期待しているようなので楽しみですね。東京に移るのも季節の移り変わりは早いものだな、と感じさせられますが、一つ一つ丁寧に乗っていきたいです。
-:来週はちょっとした取材もお願いしているので、読者の方はそちらも楽しみにいただきたいです。と、にがおえコンテストの募集もいよいよ締め切りが迫って参りました。そちらもよろしくお願いします。
圭太:僕からもよろしくお願いします(笑)。
※※競馬ラボからのお知らせです。現在、戸崎圭太騎手にがおえコンテストを開催中です!優勝者には賞金3万円+イラストのグッズ化の賞品つき。また、参加者賞もタップリ用意していますよ。年齢、経験不問。プロ・アマ問わず、誰でも参加出来る企画です。詳しくは特設サイトから応募方法をご覧ください⇒
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は1月26日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。