'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
2018年は早くも重賞4勝!G1参戦へサンライズノヴァと負けられない一戦へ!
2018/1/26(金)
24日に行われたTCK女王盃では、ミッシングリンクとの再コンビで見事にV。JRA、NARをあわせて、早くも今年は重賞4勝目を挙げた戸崎騎手。週末は東京開催に舞台を移し、騎乗を続けていくことになるが、フェブラリーSのステップレースとなる根岸Sではサンライズノヴァとのコンビで挑む。早くから高い評価を口にしてきたパートナーではあるが、賞金的にはG1出走が苦しいところ。フェブラリーSに行き着くには勝利が命題となる一戦を決めることが出来るのか、注目だ。
-:ミッシングリンク(牝4、美浦・斎藤誠厩舎)でTCK女王盃(Jpn3)を連覇!おめでとうございました。
戸崎圭太騎手:ありがとうございます。
-:戦前の評価はダートでどうか、というところがあったと思いますが、実際に乗られてどうでしたか?
圭太:強い競馬が出来ましたね。正直、斤量も軽いし、実績馬が力を出しきれなかったことに助けられた分もあったとは思うのですが、以前よりも力をつけているし、芝よりダートの方が良い印象は受けましたよ。
▲2018年、地方競馬での騎乗は初めてだったが見事に結果を残した
-:南関東の競馬に詳しい人からも「雪の影響で砂を足している分、馬場が特殊」という意見を耳にしたのですが、そんなところはありましたか?
圭太:はい。レース前に先生とも内が重そうだ、という話はしていました。ある程度、外外を意識して競馬しましたよ。
-:ミッシングリンクが前回、中山で勝った時に負かした相手(ハイランドピーク)が、先週の初茜賞で圧勝していたので、評価も高まっていましたね。
圭太:ええ、それに相応しいというか、良い形で勝てることが出来て良かったです。地元で勝つというのも、また違った気持ちで臨めますからね。
「条件も良いと思うので、力を出し切る騎乗が出来れば、結果は付いてくると思いますので。前向きに臨みたいです」
-:さて、今週ですが、誰もがご存知のとおり、東京開催が開幕となりますね。心機一転といった思いはありますか?
圭太:いや、そういう感じではないですけど、コース形態が替わるので、必然的に乗り方も変わってきますからね。メンタル的には心機一転というところですかね。レースでいえば、流れが変わることはありますよね。中山と東京では全然違いますから。
-:その点に関しては、長年乗っていらっしゃるので、思い出す感じというか。
圭太:そうですね。初めての場所でもないですからね。
-:まず、土曜日はクロッカスSにムスコローソ(牡3、美浦・手塚厩舎)が出走しますね。
圭太:条件は良いと思いますので、頑張っていきたいです。雪も降って、馬場がどうかは掴めませんが、ヘニーヒューズ産駒だからといってダートが良いというタイプでもなさそうですからね。芝の状態は未知数です。
-:銀蹄Sのタイセイエクレール(牡5、栗東・森田厩舎)は以前、東京(3歳上1000万下3着)でも乗られていますね。その時は出遅れもありました。
圭太:ええ、そういううるささも持ち合わせていますね。でも、力がある馬で、このクラスでもやれると思います。
-:8R(4歳上1000万下の)アンプラグド(セ7、美浦・大和田厩舎)は前回(伊勢佐木特別4着)が惜しかったです。10番人気の低評価以上の競馬をみせてくれましたね。
圭太:ちょっと形にならない時がありますけど、展開が向けばチャンスはありますね。理想を言うなら、内枠がベターかもしれません。
-:日曜日は、8R(4歳上1000万下の)ブロードアリュール(牡4、美浦・尾関厩舎)が未勝利勝ちをされたコンビですね。
圭太:そうですね。僕は前回乗れませんでしたが、未勝利も前回も強かったので、ここでもやれて欲しいなと思っています。
-:そして、根岸ステークス(G3)のサンライズノヴァ(牡4、栗東・音無厩舎)ですが、昨年のユニコーンSから5度目のコンビとなります。フェブラリーS(G1)に出るには、賞金的にも勝たないといけない立場かと思います。
圭太:そうですね。条件も良いと思うので、力を出し切る騎乗が出来れば、結果は付いてくると思いますので。前向きに臨みたいです。
▲東京で3勝を挙げているサンライズノヴァ
-:中山で走った時は、先週の東海Sに出ていた、勝ち馬(ディアデルレイ)に突き放されてしまったと思うんですけど、そこら辺の敗因はどういったところに挙げられますか。
圭太:まだちょっと1800という条件が厳しかったですかね……。条件的なものですかね。まだ、ワンターンのコースの方が良いかと思いますね。
-:良さそうな面でいえば、週末は雨予報ではありませんが、これこそ雪の影響が良い方に向いてくるのかと思います。
圭太:全然!良いと思いますね。むしろそういう馬場の方がと思います。
-:そして、枠順の希望はありますか?
圭太:出来れば、内じゃなければという感じですかね。もまれない競馬の方が良いと思うので。ユニコーンSを勝たせてもらった時は、将来を感じさせる走りでしたからね。あの走りを再現出来たらと思います。
「ショウナンバッハの状態は良かったですよ。(道中)あの感じで行けるんだったら、もう少し距離が短い方が決め手は活きる感じがしますね」
-:レース回顧もさせてください。先週の日曜最終レース(4歳上1000万下牝馬限定2着の)ジョンブドール(牝6、美浦・高橋文厩舎)はいかがでしたか。
圭太:いつも後手を踏んでしまう馬なのですが、スタートも上手く決まって良い位置で競馬が出来ました。レースも良い形に持ち込めたと思うのですが、勝ち馬(フローレスマジック)に差されてしまいましたね。
-:ペースを考えても、勝った馬を褒めるべきなのという感じがしましたからね。AJCC(G2)で6着だったショウナンバッハ(牡7、美浦・上原厩舎)はいかがでしたか。
圭太:う~ん、具合が良かったんでしょうね。思っていたよりも序盤にビュンビュン走ってしまって、逆に距離がもたなかったというか、良い脚がちょっと損なわれちゃった印象でしたね。
-:レース後のコメントも先に読んでいましたが、意図してあそこまで行っていた訳ではないということですね。
圭太:そうですね。もともとは「行けない馬」なので。楽して抜いて走る馬なので、最後ギュッと来る馬なんですが、馬の感じはすごく良かったんですけどね。
-:調教の映像を観ていると、けっこう状態は良いんだろうなと思っていました。
圭太:ええ、状態は良かったですよ。(道中)あの感じで行けるんだったら、もう少し短い距離の方が決め手は活きる感じがしますね。あの位置で競馬が出来るようになるのでしたら。
-:ちょっとした噛み合わせ次第で、まだまだ条件次第で、どこかで一発あってもという感じですかね。
圭太:そうですね。
-:(東雲賞3着の)シャララはどうでしたか。
圭太:枠順(4番)を見て、被せられるよりは主張していった方が良いなと思ったので、これも良い形では行けたと思うんですけどね。
-:(3歳未勝利牝馬限定戦1着の)ミレフォリウムはいかがでしたか。
圭太:乗りやすい馬でしたけどね。勝てて良かったですね。
-:芝とダート、どちらが良いとかそんな感じではないですか。
圭太:まだまだ成長(途上)というか、固まっていないのでどう変わってくるという感じですかね。
-:ルーラーシップの産駒だけに、ちょっと遅咲きの傾向もありそうな感じもするので。ちなみに、この馬のお母さん(ペンテシレイア)にも大井で乗っていらっしゃったんですね。
圭太:えっ?何て言う馬。重賞を勝った馬かな?
-:いえ、ペンテシレイア(牝11、美浦・高橋祥厩舎)という馬で、2011年に2回勝っていました。しかも、2011年は大井所属時代で、大井で2回勝っています。
圭太:ペンテシレイア……。俺、全然覚えていない。
-:美浦の高橋祥泰厩舎にいて、中央で勝てなくて、大井に出してというキャリアでした。
圭太:だいたい覚えているものだけど、覚えてなかったなあ……。申し訳ないです。
-:そうですよね。「忘れた」とは聞かないですもんね(笑)。最後に、あまりこういった質問はしないんですが、最近変わったことはありましたか?
圭太:いや、特にないですね。変わらず、です。ちょっとトレーニング形態を変えたくらいで。
-:詳細は「企業秘密」ということなので、ここではこんな程度にしておきます(笑)。
圭太:そうですね(笑)。自主トレが長くなった感じです。
-:ちなみに、次週は火曜日に川崎で乗られるのですね。
圭太:はい。佐々木竹見さんのレースです。
-:そして、長らく募集してきたエコバッグのにがおえコンテストですが、募集を締め切らせていただきました。さすがにイラストなので、膨大な数は来ておりませんが、力作が多かったと思います。前回よりも参加数も増えました。
圭太:ハハハ、それは楽しみです(笑)。
-:受賞作品はサイト内で、近日お知らせさせていただきますので、参加された方もされていない方も楽しみになさってください。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は2月2日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。