'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月11日時点1556勝
根岸Sは残念ハナ差2着!東京新聞杯はハクサンルドルフで3度目の正直なるか?
2018/2/2(金)
先週はサンライズノヴァとのコンビで臨んだ根岸ステークスは惜しくも2着。賞金次第ではフェブラリーS参戦もあやぶまれていただけに、着差以上に大きな結果ではあったが、他馬との兼ね合いで結果的にG1参戦は可能な模様だ。今週は東京新聞杯にハクサンルドルフと挑戦。雪による不安定な天候が続き、特にダートはひと筋ではいかない馬場状態での騎乗が続くところだが、春へ向けてステップアップするため、着実に成績を重ねていきたいところだろう。
「よく頑張ってくれたと思いますが、あの差ですからね……。乗り方一つで勝てたレースだったので、悔しさが一番大きいですね」
-:先週は“また重賞を勝てるかな”と思いながら観ていましたが、根岸ステークス(G3)のサンライズノヴァ(牡4、栗東・音無厩舎)は惜しくも2着でしたね。
戸崎圭太騎手:残念でした。時計もレコードで走れていますし、サンライズノヴァの形のレースは出来たと思いますので、よく頑張ってくれたと思いますが、あの差ですからね……。乗り方一つで勝てたレースだったので、悔しさが一番大きいですね。
-:ただ、レースは外差しがきまり易い馬場でもありましたが、客観的に観ている分はミスを感じませんでした。“ここが改善出来た”というところはありますか?
圭太:強いて言えば、少し追い出しを我慢するところですね。シンプルに考えれば、追い出しに関してはどうだったかなと今では思います。
▲惜しくも勝利に手が届かなかったサンライズノヴァだが
結果的にフェブラリーSは参戦出来る見込み
-:ただ、馬自身はコースが替わって、ガラッと走りも変わってくれました。やっぱりワンターンというか、こういうコースの方が走りやすい特性はいまだにありますか?
圭太:ウン、そうですね。条件は良いと思いますね。
-:ちなみに、先週の馬場状態は凍結防止剤も入ってかなり特殊に感じました。
圭太:ダートで言えば、馬場は良くはないですね。普通の重や不良とは違いますから。
-:コースの中に入れないファンに例えると、どんな感じでしょう?
圭太:沼や田んぼをちょっと軽くした感じでしょうか。僕は入線後に(アンプラグドで)落馬したので、ある意味、馬場状態も分かるのですが(笑)、嵌まったら脚が抜けない状態だったですから。馬は走り辛いだろうなという感じですね。
-:例えば、3歳未勝利だと上がり39~40秒掛かっているレースもありましたが、やっぱり非力な馬だとけっこう堪えますか?
圭太:そうですね~。若い馬には余計に堪える気はします。力は必要な馬場ですね。
「東京新聞杯は実績馬が揃って、好メンバーですからね。この相手に、この馬(ハクサンルドルフ)の末脚でどこまで頑張れるか、楽しみです」
-:今週のレースになりますが、東京新聞杯(G3)はハクサンルドルフ(牡5、栗東・西園厩舎)と挑まれます。3度目のコンビとなりますが、いかがでしょうか?
圭太:終いの脚は良いモノを持っていますので、そこを引き出せればという思いです。新潟で乗せていただいた時は、もう少し後ろから溜めれば良かった感もありましたが、去年の6月も敗れはしたものの、強い競馬をみせてくれましたからね。
-:頭数は多いですが、メンバーを見渡して、今回はペースが落ち着きそうな気もするのですが、どうでしょうか。
圭太:う~ん、そうですね。前が残らない展開になってくれると良いのですが。
-:ちょっと今日の夜から明日に掛けて、また雪が降るなんていう話ですが、馬場的にはどうでしょう。
▲前走は極悪馬場の中、差し切り勝ちを決めたハクサンルドルフ
圭太:でも、前走(甲斐路S1着)は悪い馬場で走っていますからね。(道悪は)良いかなとも思います。
-:ここ最近は色々な条件を使っていますが、同じ距離でしか乗られていないと思いますが、やっぱりマイルの方が、という感じはしますか。
圭太:未知数な部分もありますが、そう思いますよ。
-:ただ、例年以上に良いメンバーが揃いましたよね。
圭太:実績馬が揃って、好メンバーですからね。この相手に、この馬の末脚でどこまで頑張れるか、楽しみです。
-:同じ日曜から、金蹄Sのファドーグ(セ7、美浦・奥平雅厩舎)は前回(北総S)4着でした。この馬場でどうか、というところもありますね。
圭太:馬は乗りやすいですし、距離が延びて東京コースも良いかなと思いますので。馬場も大丈夫なんじゃないかと思うんですよね。
-:7R(4歳上500万下)のクラークキー(牡4、美浦・池上弘厩舎)に関しては、本来の力を出せれば……。5R(3歳未勝利の)アモーレミオ(牝3、美浦・勢司厩舎)は東京に替わってどう出るか。
圭太:クラークキーに関しては、そうですね。レース前から、かなり気負ってしまっているようでした。普通なら良い勝負が出来る力を持っていると思うんですよね。アモーレミオはちょっとゲートの出が鈍いので、その辺ですかね。
-:土曜日ですと、箱根特別のレッドジェノヴァ(牝4、美浦・小島茂厩舎)は昇級になりますが、軽ハンデですね。
圭太:相手は強いのですが、ハンデ戦で斤量も軽いので。(2600mに)距離を延ばした前走(磐梯山特別1着)なんかでも、すごく良い雰囲気でしたし、楽しみかなと思いますけどね。
-:ちなみに、52での乗られるのは全然苦じゃないですよね。
圭太:今は大丈夫です。もともと飯を抜くとか、汗とりをしないので。ただ、51だとそれをしなきゃいけないので。そこが境界線ですかね。
-:7R(3歳500万下の)ミスターメロディ(牡3、栗東・藤原英厩舎)はデビュー戦で圧勝の東京に戻ります。1400になりますが、どうでしょうか。
圭太:そうですね。(1300mでも)勝っているコースですし、良いレースが出来ればなと思いますけどね。あとは距離がどうか。
▲昨年11月、東京ダート1300mの新馬戦で
レコード勝ちを決めたミスターメロディ
-:先週のレースをもう少し伺えればと思うのですが、(早春S4着の)ホウオウドリーム(牡4、栗東・矢作厩舎)は(+10キロで)ちょっと重かったのが堪えたのかなという感じですか?
圭太:そうですね。ちょっと久々なのでね。本来だったら、もっと良い脚を使えていたはずです。
-:(4歳上1000万下3着の)ブロードアリュール(牡4、美浦・尾関厩舎)は外枠というのもあったんでしょうかね。
圭太:そうですね。頑張ってくれたのですが、あとひと押しでしたね。
-:(クロッカスS3着の)ムスコローソ(牡3、美浦・手塚厩舎)はいかがでしたか?
圭太:やっぱりゲートでちょっと出負けして、位置取りが後ろになっているので、そこの差かなと思いますけどね。レースを見直しても、馬群を嫌い、外を意識して乗っていたので、それを恐れないで内を回っていれば……。もう少しポジションは良かったので、どうだったかなという思いはあるので、反省点のあるレースですね。
-:レース自体はまだまだ改善の余地があるということは、3勝目もこういうオープン特別であれば、チャンスはありそうですか。
圭太:はい、十分にあると思いますね。
-:状態はいかがでしたか。
圭太:すごく良かったですね。だから、ゲートの中も良い雰囲気になるのかなと思ったのですが、ゲートの中だけはちょっとダメですね。怪しいですね。
-:ゲートの雰囲気は今までよりもちょっと煩いというか、怪しかったと。
圭太:そんな感じはしましたね。
-:(銀蹄S3着の)タイセイエクレール(牡5、栗東・森田厩舎)はどうでしたか。
圭太:何かすごく大人しかったですね。それこそゲートに気をつけないといけないような馬でしたから。
-:先週はアームズレングス(牝5、美浦・加藤征厩舎)で勝ち星を挙げられました。
圭太:道中から手応えも良かったですし、直線もしっかり伸びてくれました。この内容なら、上へいっても通用すると思いますよ。
-:ちなみに、開幕週だった先週の東京の芝の方はどうでしたか?
圭太:特には有利不利がないという印象です。土曜日の前半は凍結の影響もあって、ちょっと硬くて、芝でレースをしない方が良いんじゃないかという話があったくらいでしたね。それでも無事に行われたのですが。
-:芝だと夜間の手入れとかもし辛いでしょうからね。その点、明日降るみたいなので、今週も心配と言えば心配ですかね。そして、来週は、基本的には東京で乗られるのでしょうか?
圭太:そうですね。ただ、来週は3日間開催なので、小倉、東京、東京です。来週は木曜に船橋で乗りますよ。
-:平日休みのファンの方などはそういう騎乗予定もあると嬉しいそうですね。ちなみに、クイーンC(G3)はマウレア(牝3、美浦・手塚厩舎)に乗られると。
圭太:はい。追い切りも良い状態でしたよ。
-:そして、にがおえコンテストも大賞作品は決められたということで……。
圭太:ハイ、決まりました。
-:近々発表できればと思います。参加された方も、そうでない方も楽しみにしていてください!
圭太:たくさん良い作品を作っていただきありがとうございました!
※ここで編集部からのお知らせです。にがおえコンテストに続いて、今度は皆さんからのメールを募集いたします!
テーマは2つあります!まず1つ目は「戸崎騎手への質問」。競馬にまつわるもの、プライベートなど、内容は何でもOKです(もちろん編集部がチョイスさせていただきます)。
続いて2つ目は「アナタが知っている戸崎騎手の馬券の狙い目」。JRAでも3年連続リーディングを獲ったように、常に人気馬に乗ることの多い戸崎騎手ですが、オレならこういった馬で馬券は狙う、このコースなら絶対に押さえるなど、皆さんが戸崎騎手を馬券で狙うときの予想スタンスを教えてください!採用された方から、抽選で5名様に「粗品」をプレゼントいたします。
応募はメールで、件名に「週刊!戸崎圭太係」と明記の上、「お名前(ペンネーム)・年齢・ご住所・お電話番号・競馬ラボ登録ID(メールアドレス) ・募集内容」をお書き添えいただき、以下に送信ください。
締め切りは2月16日(金)まで。たくさんのご応募をお待ちしております!
※いただいた個人情報はプレゼントの発送以外の目的では使用しません。
※お客様の個人情報は責任を持って厳重に管理しております。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は2月9日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。