'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
さあG1だ!フェブラリーSはサンライズノヴァと栄冠掴むか?
2018/2/16(金)
いよいよJRAG1シリーズが始まる。今年のフェブラリーステークスは予てから評価をしていたサンライズノヴァ(牡4、栗東・音無厩舎)とのコンビで挑む戸崎騎手だが、前哨戦は惜しくも2着。一時は出走が危ぶまれたが、結果的に砂の頂上決戦に駒を進めることとなった。連覇中の4歳馬、レースに相性のいいゴールドアリュール産駒と、いかにもハマりそうなプロフィールの持ち主だが、言い訳のきかない大外枠に入り、鞍上はどう導くのか。意気込みを語ってもらった。
「(サンライズノヴァの)枠はいいかなと思います。やはり去年の武蔵野Sはもう少し前に行かしてしまえば、という競馬でしたが、モマれ弱さもまだ抱えていると感じましたからね。ドッシリした馬ではあるんですけど」
-:フェブラリーS(G1)が明後日に迫ってきましたが、枠順も今朝、発表されました。大外16番という枠に決まり、どんな印象でしたか?
戸崎圭太騎手:極端に内でなければ、どこでもいいかなと思っていました。大外ですが、問題はないというか、心配はないです。このコースも何度か走っていて、芝スタートなども気にならないですからね。
-:モマれるよりは、ということですね。
圭太:そうですね。いいかなと思います。やはり去年の武蔵野ステークスはもう少し前に行かしてしまえば、という競馬でしたが、モマれ弱さもまだ抱えていると感じましたからね。ドッシリした馬ではあるんですけど。
▲東京では(3.1.0.1)と好相性をみせているサンライズノヴァ
-:今年の枠、並びをみて、展開はどうなりそうでしょうか。
圭太:そんなに主張する馬もおらず、落ち着くこともあるんじゃないかと思うんですよね。その中で、差しがきく展開になるかどうか。遅くても前が窮屈になってくれれば。いずれにせよ、差しがきく展開になれば、ですね。
-:そうですね。根岸ステークスは惜しくも2着でしたね。
圭太:負けてしまったことは反省すべき部分もありますが、武蔵野に比べると、この馬らしい競馬は出来たと思いますね。
-:ただ、前回の馬場はこの東京開催の中で、最も特殊な週だったと思うんです。脚が抜けづらいというか。
圭太:うん、そうですね~。力が要るんだけれど、時計も出やすいというんですかね。なんて評したらいいのか。ノヴァにとっては合った馬場だったと思うんですけどね。
-:ただ、サンライズノヴァは体重の割にはスッキリ見えるタイプなので、パワーを要するような馬場だったとしたら、今回はもっと走れるのかなとも思いました。
圭太:でも、なんとジャッジしたらいいのか、わからない馬場でしたからね。先週、船橋で乗りましたけど、砂の使用頻度が高い地方競馬の方が馬場はいいくらいに感じましたからね。乾ききらないようなスゴさというか……。今までにないような馬場で、バシャバシャしているのとまた違う。僕は中央に来てから、初めて経験しましたけどね。先週はもう元通り、天国のよう。
▲最終追い切りを行うサンライズノヴァ
坂路で4F52.2-12.2秒をマーク(厩舎スタッフが騎乗)
-:天国っ(笑)?まあ東京1週目、2週目と凍結防止剤も入っていましたからね。
圭太:こんなにガラっと変わるものだと感じましたよ!正直言えばもう、あまり乗りたくない馬場ですね……(苦笑)。周りのジョッキーも気持ち悪い馬場だと言っていましたし、馬も何というか力が入っていないような馬場なんですよね。僕も一回、落馬しているから余計にそう思うのでしょうけどね。
-:余談も多かったですが、今年最初のG1となります。意気込みをお願いします!
圭太:去年G1も勝てていないですし、今年は勝ちたいという気持ちは強いです。いいスタートを切りたいですね。ベストを尽くせれば、という思いです。
●2開催を終えて、今年を振り返る
-:今週のその他のレースですが、ダイヤモンドS(G3)にはプレストウィック(牡7、美浦・武藤厩舎)で挑まれます。
圭太:最近、安定して走ってきてくれていますし、条件的にも長い距離もスタミナがある馬なのでこなせると思います。リズムよくいければいいですね。
-:性格的にはムラがあるところはありますか?
圭太:どうかなあ……。時に掛かることもあって、そこはダイワメジャーが出ているのかもしれないですね。去年は力んで走っていましたし、いま思うと太かったのかもしれないですから。
-:土曜東京最終(4歳上1000万下)のラベンダーヴァレイ(牝5、栗東・藤原英厩舎)は意外や久々の騎乗ですよね。
圭太:前走は久々好走していましたし、東京も新馬戦にはじまり、何度か走っていますからね。いい走りをみせたいです。
-:ちなみに、いまの東京の芝はどうでしょう?
圭太:大きな内外の差もないと思います。かといって、スローで外から届くわけでもない。以前は多少水分も含んでいるようでしたが、先週は乾いた状態に近かったですよ。
-:土曜8R(4歳上500万下)にはセガールモチンモク(セ4、美浦・粕谷厩舎)と引き続きコンビを組まれます。
圭太:コース替わりで決め手が活きればと思っていたのですが、その通り走ってくれましたからね。前々の決着の中、追い込んでくれましたよね。
-:日曜はヒヤシンスSも注目の一戦ですが、ダークリパルサー(牡3、美浦・金成厩舎)に乗られます。全日本2歳優駿は4着でしたが、新馬で負かした相手も未勝利戦で強い勝ち方をみせていましたし、やっぱり能力はあるのかと思います。
圭太:前向きさのある馬で、落ち着いて走ってくれればと思います。能力はあるのですが、荒削りな面もありますからね。前回は持っていた前向きさが強く出て、コーナー4つもありましたから。馬場は軽いタイプの方がいいかもしれませんね。
-:例年、活躍馬が多数使ってくるレースなので、楽しみにしています。アメジストステークスはテーオービクトリー(牝4、栗東・岡田厩舎)に再び乗られますね。こちらは2走前に乗られました。
圭太:先々が楽しみな馬かと思います。僕が乗った時の伸びがイマイチだったので、終い一辺倒のほうが持ち味は出るのかもしれないですね。
-:東京開催はこれで一旦お別れとなります。ここまでの騎乗を振り返るとどうでしたか?
圭太:自分的にはいい感じで乗れていると思っています。もちろん結果はもっと勝たないといけないのでしょうが、例年よりも“しっくり”来ている部分はありますからね。
●キャリア2度目の小倉参戦 ご当地の食事に舌鼓
-:詳しくは避けますが、そう思っていたのでそれは良かったです。先週のレース回顧の前に、通算2度目の小倉での騎乗でしたね。小倉の食事も堪能されたのでしょうか?
圭太:去年の夏はいけなかったので、かなり楽しみにしていたんですよね。
-:前回はイギリス遠征前でしたものね。
圭太:ええ、今回は寿司をいただいたのですが、特に鯖がしめないで食べられるというのがね。いや~本当に美味しかったですよ。行ったことがないんですか?行った方がイイですよ。
-:僕も先週いったのですが、コンビニ飯で終始しました。今度、試してみます(笑)。小倉はエポカドーロ(牡3、栗東・藤原英厩舎)で勝たれましたね!
圭太:強かったですね。他のオルフェーヴル産駒で結果を残せていなかったのですが、また違ったタイプというか、ドッシリしている感じがありましたよ。奥がありそうな雰囲気ですよね。先生(調教師)もいい評価でした。
-:エルビッシュ(牝5、栗東・角居厩舎)はどうでしたか?
圭太:馬が凄くいいデキでした。直線で内に刺さったりといったところはあるのですが、強かったです。
-:マキナガラージュ(牡3、栗東・角居厩舎)しかり、開幕デーの小倉芝は内有利でしたよね。
圭太:いやぁけっこうそうですね。内ばっかりでしたから。
-:ジョーマイク(セ5、栗東・中竹厩舎)は距離でしょうか?
圭太:距離があったほうがもう少しレースはしやすかったですかね。ただ、勝った馬も後ろからだったので、慌てさせずじっくり行ければよかったかもしれません。ペース的に緩急がキツいから、後ろからも届きますよね。
-:ルグランフリソン(牡5、栗東・中竹厩舎)は馬群での競馬になれていない部分もありましたか?
圭太:イヤッ、直線でもう少し広いスペースで走らせてあげられたら。直線で外にも出せればよかったのかもしれないですが、スペースも狭かったですから。ただ、馬群は思っていたよりも克服してくれました。でも、オープンでも勝てるメドはたちましたね。
-:フロリアヌス(牡3、美浦・武藤厩舎)は初勝利でしたね。
圭太:前走でいい競馬をしていましたからね。力のいる馬場も良かったと思いますし、しぶとい競馬でしたね。
-:ショウナンライズ(牡5、美浦・上原厩舎)はどうでしょうか?
圭太:ゲートの中の雰囲気や、直線でも耳を絞ったりと難しさを出していましたね……(笑)。レースでいえば、道中も力んで走ってしまった分、もう少しリラックスして走らせてあげたかったのですが。
-:残るは個人的に気になった2頭を。クイーンカップ(G3)のマウレア(牝3、美浦・手塚厩舎)はどうでしたか?
圭太:走りきれていないというか、若さを出してしまったのかな……と思います。スタートは今までよりも良かったほどで、今日は走れるな、と思っていたのですが、そこからスッと抜けてしまい、グッと来るところは一瞬あったのですが、また抜けてしまい。精神力の良さを引き出せなかったですね。
-:ちょっと不可解というか、いつもの精神面の良さもみられなかったですね。
圭太:まあ、そうですね……。前半はもう少し遊ばせても良かったのかもしれないですけど。
-:イダペガサス(牡3、美浦・高柳瑞厩舎)はデビュー2連勝となりましたね。
圭太:馬は良くなっていたので、もう少し楽な勝ち方をしてもいいのかと思いました。もしかすると、距離が持たないのかもしれないですね。
※ここで編集部からのお知らせです。にがおえコンテストに続いて、今度は皆さんからのメールを募集いたします!
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締め切りは2月23日(金)まで。たくさんのご応募をお待ちしております!
※いただいた個人情報はプレゼントの発送以外の目的では使用しません。
※お客様の個人情報は責任を持って厳重に管理しております。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は2月23日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。