'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
土日メインで3歳トライアルに騎乗!東京2週目も前進を期す
2018/4/27(金)
5週連続G1レースと、一年を通じて東京開催の中で最高潮の盛り上がりをみせる春。皐月賞馬エポカドーロと挑むことが決定している日本ダービーを含め、有力馬の騎乗を控えているG1もあり、戸崎騎手にとっても重要な開催となるだろう。また、久々のG1制覇で注目を浴びた翌週だけに、東京開幕週はファンの支持はことさらだったはず。そんな中で好ダッシュを決めたあたり、一時の不調は完全に脱したといえるのではないか。今週は天皇賞の騎乗こそないが、土日で3歳トライアルレースを中心に騎乗馬がズラリ。中身の濃い競馬を期待したいところだ。
-:先週から舞台を東京に移しての春競馬でした。ロングラン開催の皮切りでもありましたし、その1週前、2週前といい競馬が続いていたと個人的には思っていたので、5勝とまとまった成績が挙げられたことはよかったと思っていました。いかがでしたか?
圭太:そうですね……僕も同じく勝てたことにホッとしました。サンライズノヴァのように負けて強しの競馬だった馬もいるわけで、勝てずに悔しいレースもありましたが、一定の結果は収められたのかと思います。
-:そのオアシスステークスのサンライズノヴァ(牡4、栗東・音無厩舎)ですが、58キロを背負っていましたが、それよりも戦前からスローになるんじゃないかと思っていただけに心配していました。
圭太:う~ん、どうしてもああいう展開になるなと思っていた通りになってしまいました。それでも、最後、よく差してきてくれているし、あと一歩だったのですが。とにかく賞金を加算したかったですね。
-:この後はダービー前日の欅ステークスとのこと。1400なら、前残りにならないことを祈ります。今週は土日ともに東京ですが、メインレースはいずれも3歳戦。土曜の青葉賞(G2)ではダブルフラット(牡3、栗東・角居厩舎)に騎乗されます。前回は勝てそうなところをあと僅かでした。
圭太:ペースはこちらが優位に運べたと思っていますし、その日の馬場も先行有利でしたよね。道中は少しモノ見をする面もありましたが、全体的にはいいリズムで走ってくれたとは思っています。年明けデビューでここまでよくがんばっていると思いますし、正直まだ緩さもあります。前走以上の相手にどこまでやってくれるか……ですね。
ダブルフラットは2走前に福永騎手を背に逃げて上がり最速の完勝を決めた
-:スイートピーステークスのランドネ(牝3、栗東・角居厩舎)は牝馬ではありますが、同じ3歳・角居厩舎ということですね。
圭太:どうも前走は行きたがったり、モタれるようなところもあったらしいのですが、新馬戦で乗る限り、悪いイメージはまったくありません。乗りやすさを活かして挑みたいですね。幸いコースも新馬と同じところですから。
-:日曜の騎乗馬では、2R(3歳未勝利)のキルロード(牡3、美浦・田村厩舎)は前走が初コンビも、条件を「進言」された馬でしたよね。3Rのルコンセール(牝3、美浦・伊藤大厩舎)は内にモタれるところがあると言っていたのが、前回はどうだったのか気になるところ。5Rのタンタフエルサ(牡3、美浦・国枝厩舎)は兄が重賞勝ち馬のタンタアレグリア、半姉も連勝するなど、活躍馬が多い牝系ですよね。
圭太:キルロードは前回、相手も強かったですが、距離も長い印象を受けましたし、ダートがいいんじゃないかと進言しましたからね。それだけに力の入るレースです。先行力もありますし、モマれずに運べる枠をひけたら。ルコンセールの前回はよくなっていましたよ。ただ、1200mは忙しい。この条件ならタメがきくんじゃないでしょうか。タンタフエルサは良血馬らしい乗り味ですね。ただ、まだ身体が緩いのは確かですし、幼さもあります。東京なら乗りやすいのでウィークポイントをカバーしてあげたらと思います。
-:7R(3歳500万下)のキューグレーダー(牡3、美浦・栗田徹厩舎)の前走は時計こそ目立ちませんでしたが、強かったですね。
圭太:レース前の追い切りに乗せていただいて、いい感触をつかんでいましたし、レースにいってもいいイメージでした。今回も追い切りに乗せてもらったところ、まだまだ良くなるんじゃないかという感触はあります。中山でしか走っていないだけに、東京は初コースになりますが、頑張ってくれると思いますよ。こちらも期待は大きいですね。
-:先週のレース回顧に戻らせてください。フローラステークス(G2)はノームコア(牝3、美浦・萩原厩舎)に騎乗。大外枠がどうかと思っていましたが、馬券圏内は確保。しかし、スローの先行なので、現状の力差かと思っています。
圭太:前向きさはあるけれど、まだ体の緩さもある馬でした。ハミにのっかかってくるような走りで、まだ完成は先でしょうね。それでも、よく頑張っていますよ。
-:石和特別のコーカス(牡4、栗東・藤原英厩舎)はダートで使われていたことに乗っていたと思います。今回は速い上がりの中での差し切り。結果的にこういう条件が向くのでしょうか?
圭太:僕が乗っている時も芝でもやれてもいいんじゃないかとは思っていたんです。でも、これだけの速い上がりを差し切るわけですからね。頭数も少なかったですし、ハイレベルとはいい難い面子ではありましたが、強かったと素直に認めるべきかと思っています。楽しみですね。
-:レユシット(牝3、美浦・矢野英厩舎)、ニシノジャガーズ(牡3、美浦・萱野厩舎)、ディアバビアナ(牝3、美浦・高橋裕厩舎)の3歳未勝利勢はどうでしたか?
圭太:レユシットはブリンカー効果に尽きますね。行きっぷりがぜんぜん違いましたから。そうそう、4歳上500万下のセガールモチンモクにも同じことがいえます。僕もブリンカー着用を進言しましたが、効果はテキメンでしたよ。
ニシノジャガーズは東京に替わったのがよかったですね。ゲートの出も普段よりよかったと思います。ディアバビアナも東京になったのはよかったですね。ただ、これだけ使ってはいるのに、馬もここへ来てよくなってきていましたね。よく頑張ったと思いますよ。
-:フラットレー(牡3、美浦・藤沢和厩舎)、サンティール(牝4、美浦・鹿戸雄厩舎)あたりはどうだったでしょうか?
圭太:フラットレーの道中はよかったんですけどね。追い出してからがジリジリといった感じでした。サンティールはスローが厳しかったですね。
-:先週の東京芝は時計こそ出ていましたが、やはりペースが遅くなると厳しい馬場というイメージでした。
圭太:そうですね。路盤はそこまで硬い印象を受けなかったですが、馬場はいい状態でしたよ。
-:来週も引き続き東京での騎乗。NHKマイルカップ(G1)ではプリモシーン(牝3、美浦・木村厩舎)とのコンビ継続となりますね。
圭太:そうですね。乗せていただきます。今日は浦和で乗せてもらいましたが、来週土曜は名古屋でかきつばた記念(Jpn3)、週中の追い切りではヴィクトリアマイルのアエロリット(牝4、美浦・菊沢厩舎)にも乗せていただくはずです。
-:G1シーズンまっさかりですね。アクシデントがないのが当たり前になっていますが、無事怪我なくお過ごしください。気の早い話ですが、皐月賞ジョッキーとして挑むダービー前の取材もよろしくお願いします(笑)。
圭太:ありがとうございます。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は5月4日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。