'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
NHKマイルCはプリモシーンと巻き返しへ!桜花賞の敗戦が糧になるか?
2018/5/4(金)
東京競馬場で5週連続G1が開幕。今週は3歳マイルの頂点を極めるNHKマイルカップが行われる。戸崎騎手は牝馬プリモシーンとのコンビで臨むが、当欄でも挙げていたように前回は精神面のモロさを露呈しての惨敗。そこから巻き返しがあるのか。最終追い切りに騎乗した感触を踏まえ、語ってもらった。
-:今週は3歳マイルのG1・NHKマイルカップ(G1)ですね。桜花賞に引き続きプリモシーン(牝3、美浦・木村厩舎)に騎乗されますが、デビューから5戦して4戦で手綱をとられていますね。
戸崎圭太騎手:そうですね。僕が乗っていない時ですが、東京コースで勝った時は強い勝ち方をしていますよね。それに、強調できる点でいえば、今回は輸送も短いですからね。前回はテンションが上がってしまい、力を出せなかったので、その辺は課題であるのですが、当日落ち着いてくれれば……。中山の重賞(フェアリーS)を勝った走りを振り返っても、良い走りはできますので、落ち着いてくれれば楽しみだと思います。
▲桜花賞のプリモシーン 「返し馬までは上手くいった」とジョッキーは語っていたが…
-:前回は返し馬でテンションが上がってしまったとのことですが、枠は選ぶタイプですか?
圭太:まだ自分で競馬を組み立てられないところはありますが、あまり気にしていませんでした。パッと見でいい枠じゃないですか。
-:今週は追い切りに乗られたそうですが、感触はどうでしたか?
圭太:落ち着きもありましたし、走りの雰囲気よりはそこが重要だったかな。トレセンではテンションも保てていますからね。そこに尽きますね。内容としては、前に馬を置いて、ラストで併せるといった形でしたが、良い気持ちで走っていたと思います。
-:桜花賞では返し馬が終わってから、一気にテンションが上がってしまったようですが、対策もこうじられるのですか?
圭太:そうですね。ちょっとしたことですが、やってみようとは先生(調教師)とは話しました。微々たるものですけどね。
-:「去年のNHKマイルCはけっこう特殊な馬場だった」という話を教えてもらいましたが、去年の1、2週目に関しては覚えていますか。
圭太:いや~、どうだったかな。そこは覚えていないですね。それにしても、今年のほうが差しはきくんじゃないですかね。
▲最終追い切りは3頭併せの最内から脚を伸ばした
-:この馬に関しては、軽い芝の方が良いのでしょうか。
圭太:まあそうでしょうか。ただ、あんまり速くてもどうなのかなとも。(差しが効く分には)歓迎ですね。上手く噛み合わないと能力を出し切れませんから。
-:フェアリーSでは噛み合ったわけですね。
圭太:そうですね。落ち着いていましたし、噛み合っていましたね。スタートも出てくれましたしね。
-:今回、人気の一角であろうテトラドラクマに2度先着している馬ですから。
圭太:いやいや競馬は甘くないですよ。ちょっとしたせめぎ合いで勝ったり負けたりするのが競馬なので。
-:気性面で伸びてくれば今後も楽しみですね。
圭太:まあ、そうですね。伸びてくれないと今のままでは勿体ないですからね。
-:日曜は気温も上がるようですし、競馬も盛り上がるシーズンです。G1に向けて意気込みをお願いします。
圭太:さっき言った通り、落ち着いていることが一番ですね。そこは馬にお願いする感じになりますが、あとはこの馬の力を出し切れるレースを出来ればと思います。
-:先週のレース回顧もお願いしたいのですが、日曜東京で3勝を挙げられましたね。スイートピーステークスのランドネ(牝3、栗東・角居厩舎)は先行して押し切る競馬でしたね。
圭太:新馬でも乗せていただきましたが、馬は良くなっていましたね。東京コースも経験していましたし、リズムよく運べたと思います。
-:3歳牝馬としては、けっこう大きなタイプですね。今回はペースも勝因だったと思いますが、タイプ的にはジワジワ脚を使うイメージですか?
圭太:そうですね。長くいい脚を使うようなタイプですね。状態も変わりなく来ていましたし、快勝でしたね。
-:クライムメジャー(牡4、栗東・池江寿厩舎)は勝ったかなと思いました。外枠に尽きますね……。
圭太:戦前から難しい枠だと思っていました。ただ、競馬は上手な馬ですし、この枠なりにはまとめられたと思います。あと一歩でしたね。
-:キューグレーダー(牡3、美浦・栗田徹厩舎)はいい勝負になると思っていましたが、惜しくも2着でした。
圭太:速い時計に対応できなかったですね。まだ成長途上のところがありますし、直線でもまだフラフラしていました。左回りに替わった点は特に問題はなかったのですが、現状は時計がかかった方がいいですね。
-:タンタフエルサ(牡3、美浦・国枝厩舎)はまだ緩さが残っていると仰っていた現状で、どこまでやれるか気になっていました。
圭太:やはり東京コースのほうが競馬はしやすいですね。緩い分、序盤で急かすことができないので、じっくり構えられる方がレースはしやすいですから。
-:キルロード(牡3、美浦・田村厩舎)は距離短縮、ダート替わりで変わってきました。
圭太:順当でしたね。最後は外に張ってそこは苦しかったですが、なんとかしのいでくれました。
-:今週のレースに戻りますと、土曜は3歳500万下のレーヴドリーブ(牝3、栗東・高野厩舎)は前回勝たれましたね。メトロポリタンSのアドマイヤロブソン(牡4、栗東・友道厩舎)は道悪の東京で騎乗されていましたが、前回は距離短縮で勝ったのが印象的でした。
圭太:レーヴドリーブは馬も着実によくなっている印象でした。ちょっと突っかかっていくようなところはありますが、昇級でも頑張ってほしいですね。アドマイヤロブソンはいい馬というイメージですね。僕としては、距離が短いほうがレースはしやすいと感じていたので、この距離に戻ってどうか、ですね。相手も揃っていますから。
-:日曜のヴァルディノート(牡3、栗東・音無厩舎)(3歳500万下)は中1週での臨戦となります。ブリリアントSのメイプルブラザー(牡4、栗東・山内厩舎)はオープン入りを決めたのがこの舞台でしたね。
圭太:ヴァルディノートはできればデキをキープしていてほしいですね。前回は前が残りやすい馬場の中、よく追い込んでくれました。メイプルブラザーは東京が合う印象。ハンデも軽いですし、持ち前の末脚を活かしたいです。
-:来週はヴィクトリアマイルでアエロリット(牝4、美浦・菊沢厩舎)に騎乗、その後もオークス、ダービーと続きますが、JRA通算900勝にもあと36勝ですね。引き続き健闘を祈ります。
圭太:ありがとうございます。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。