'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
イベント出演でファンの声援に感謝&宝塚記念は一発目指す
2018/6/22(金)
木曜は競馬ラボイベントにも出演、春のG1をファンの前で振り返ってくれた戸崎圭太騎手。この模様は、後日、当コラムでも公開する予定。都合により足を運べなかった方も、もう一度見たいという方ももう暫しお待ちください。また、今週はパフォーマプロミスとのコンビで宝塚記念に参戦。キャリアこそ他馬に劣る面は否めないが、藤原厩舎とのコンビといえば、自ずと期待せざるを得ないところだ。当日の馬場など、未知数な一戦。混戦を断つ騎乗を期待したい。
▲登場は客席から登場するサプライズ!
-:昨晩は競馬ラボイベントにおこしいただき、ありがとうございました!3回目ではありますが、安定の、いや今まで以上に盛況だったかなと思います。
圭太:こちらこそありがとうございました!何よりも応援してくれる方が多かったことに驚きました。帰る際にはたくさんのプレゼントをいただきましたし、わざわざ遠方から来て頂いた方もいたようで、そこにも驚かされました。
-:どうも関東以外からも来られたファンの方もいたようですね。それだけに遅い時間まで待たせてしまい、申し訳ないところです。
圭太:そのようですね。皆さんの応援のパワーをレースで発揮できるよう頑張りたいです。また、こういう機会があれば、ぜひ呼んでください。
-:こちらこそよろしくお願いします!いつも予想検討会と二部構成でやらせてもらっているのですが、いつかは単発でもやれたらと思います。
※イベント戸崎圭太騎手トークショーの模様は近日、当欄で公開します!
▲トークショーでは春の主要レースを回顧
▲プレゼント抽選会では戸崎騎手持ち込みのジャージを
当選させた男性ファンとガッチリ握手!
-:今週は宝塚記念(G1)でパフォーマプロミス(牡6、栗東・藤原英厩舎)に騎乗。帝王賞の騎乗で予定はございませんし、上半期最後のG1騎乗になるかと思います。これまでの印象から教えていただけないでしょうか。
圭太:何度か乗せていただいていますが、とても乗りやすい馬で、乗せてもらうごとに力をつけていると感じています。僕が最後に中山で勝たせてもらった時(グレイトフルS)も、重賞でやれそうな手応えを感じたので、その後の走りも思っていた通りですね。6歳になり、ようやくG1に向かいますが、楽しみですね。
-:走りやフットワークのタイプはどうでしょうか?
圭太:乗りやすいので、色々な条件に対応できそうな感じですね。器用さもありますし、位置取りもスッといいところにつけられます。宝塚記念の舞台も初コースですが、乗りやすさで対応できるのかなと。
-:宝塚記念といえば梅雨時期のレースですね。道悪についてはどうでしょう。
圭太:それほど悪くならなければ、こなしてくれそうですね。でも、去年春の東京もけっこう悪かったか…。(その前走の)中京よりも悪かったもんな。ただ、自分のイメージでは決して道悪がいいというイメージはないんですよね。
▲パフォーマプロミスとは昨年12月に勝利を挙げて以来の実戦での騎乗となる
-:僕は馬場が渋ったら強みなのかと思いましたが、パフォーマプロミスはスピードタイプなのか、パワータイプなのか、評するとどうなりますか?
圭太:バランスのいいところです。
-:それはけっこう無難なジャッジですね…(苦笑)。
圭太:いやいやこれは本当にそう思いますよ(笑)。まだレース数は使ってないですし、目黒記念を使っての上積みなどもあるでしょうから、僕が乗っていた頃からどれだけ伸びてきているか、楽しみです。乗せてもらうたびによくはなっていますし、6歳だからといって、衰えというところは一切ありませんから。
-:先週は栗東に駆けつけ、調教にも乗られていましたね。
圭太:前の馬が速かったので、モタつくようなところはあったのですが、順調にきているとは感じますね。先生からは「前の馬を置いて、2~3馬身差を追いかける形。直線に入って、ちょっとしてから追いつくような内容にしてほしい」と言われておりました。
▲パフォーマプロミスの1週前追い切りに騎乗した戸崎騎手
-:今回も先生との打ち合わせもあるはずで。
圭太:ありますね!先生からも「頼むぞ」と言われていますし、力の入るところです。
-:枠順は4枠7番に入られました。いいところに入ったのかなとは思います。
圭太:まずまずいいところですね。ペースも決して速くならないでしょうし、そういった面でもレースの上手さをいかせるかもしれません。大味な競馬をして勝てるほど、G1レベルの馬との能力比較も未知数ですから、ロスなくいければ。そこは器用さを活かしたいですね。
-:上半期最後のG1レースということに関しての意気込みはありますか?
圭太:惜しい競馬もありながら、勝てていないので、1着をとりたいという流れではあります。それに向けて、いいアプローチができれば。
-:引き続きその他の騎乗馬についても伺っていきたいと思いますが、土曜東京新馬のイヴォーク(牡2、美浦・国枝厩舎)は追い切りに乗られたようですね。
圭太:率直に、素質があるなという印象です。気性的にオン・オフがはっきりとしているので、そのあたりはレースで気をつけたいですね。僕もエポカドーロに限らず、色々なオルフェーヴル産駒に乗せていただきましたが、気性的なイメージはあるのでね。
-:ということは、危うさもある…と。
圭太:いや、まだ大丈夫ですね。使ったことでそうなる可能性もあるのかなと。ポテンシャルは高いので期待はしていますが。
▲イヴォークの2週前追い切りに騎乗
-:日野特別のグッドヒューマー(牡4、美浦・高橋裕厩舎)ですが、3歳時の実績を思うと、その後が意外に思っていました。
圭太:今回は降級ですし、力は上位のはず。チャンス十分かなと思います。前回の敗因ですか?少し硬さもみられたので…。もともとそういう傾向もあって、状態面のアップダウンは大きいほうかもしれません。
-:八ヶ岳特別のコーカス(牡4、栗東・藤原英厩舎)はどうでしょうか?
圭太:こちらも降級なので、力的には足りていいはずなんです。ただ、脚の使いどころが難しかったり、展開に左右される面があるので、確実性に欠けてしまう不器用さがあるのも事実です。
-:結局、瞬発力勝負がいいのか、時計がかかった方がいいのか。もとはダートを走っていただけに不思議ですね。
圭太:そういう展開のほうがよさそうですね。あんまり馬場がゆるくなるとどうか、とも思いますし、ペースも遅いほうが馬群で溜めて伸びを活かすのが一番いいかもしれません。
-:最終レース(3歳上500万下)のニシノジャガーズ(牡3、美浦・萱野厩舎)は4度目の騎乗ですね。
圭太:ゲートが課題ですね。勝ったときはスムーズに出てくれて、強い競馬をしてくれましたけど、前走も期待していましたが、遅れてしまって。力は足ります。スムーズに走ってくれれば、東京コースも合っていますから。
-:リボン賞のドラゴンカップ(牡5、栗東・角居厩舎)は東京で乗られていますね。
圭太:基本的に馬群をきらっているところがありますから、そのあたりに気をつけて乗りたいですね。前走も東京の直線で広いところに出したら、気持ちよく伸びていってくれたので。そこをどう組み立てていくか、ですね…。タイプ的には雨が降った馬場でも大丈夫かと思います。
-:日曜は乗ったことのない馬ばかりなので、こんなところですね。
圭太:そうですかね。ハハハ、51kgをこなせられれば(7Rのリュヌルージュ(牝3、栗東・斉藤崇厩舎))。昔は51なんて平気だったんですけど、(トレーニングの効果で筋肉が増えて)体重が増えたので。実は今年も51で頼まれたこともあったのですが、体調面が不安で辞退させてもらったところはあったんですよね。ただ、試してみたら大丈夫そうだったので、今週から乗せてもらおうかと思います。僕は食事もけっこうとる方なので、そこを控えめにしようかと。
-:ここからは先週のレース回顧もお願いします。ウラヌスチャーム(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)はどうでしたか?大接戦でしたが、最後にとらえました。
圭太:そうですね。でも、よくなっていました。ただ、テンは遅れてしまうところがあるので展開に左右されてしまいますね。ダッシュがつかないタイプでそのぶん、現状は直線の長いほうがいいタイプだと思います。
-:直線も行き場があやういところもありましたね。ゴール前でどうなるかな?と思いながらみていました。
圭太:あの感じで外を回したら、スムーズにはなるけど、どうかという思いもありました。上手いこと内を突いていけましたし、よかったと思います。
-:ユニコーンステークス(G3)のハーベストムーン(牡3、栗東・浅見厩舎)はどうでしょう?直線で不利もあったのが痛かったですね。
圭太:思い通りの展開、位置にはなったのですが、進路が狭くなってしまい、不利を受けてしまったので。まだ(脚も)あった感じなので、もったいない競馬になってしまいました。
-:跳びも大きいですね。
圭太:そうです。それだけに痛いですね。ただ、早めにエンジンをかけて踏んでいってもよかったのかと。そこは反省点ですね。理想をいえば、コースも違ったほうがやりやすいのかもしれません。
-:2歳新馬のエトワール(牝2、美浦・牧厩舎)は追い切りに乗られていましたよね。
圭太:追い切りでも沈むところがないのがどうかと思っていましたが、レースにいって芝で変わってくれればという見立てもありました。ただ、実戦でも沈まなかったですね。そこはレースを使いつつよくなってくれればいいですね。フットワークに軽さがあるところはいい印象をうけますが、ギアが変わらなかったですね。
-:3歳未勝利のシンボリティアラ(牝3、美浦・菊川厩舎)はどうでしょう?待望の初勝利ですね。
圭太:距離を短くして、いい感じで運べました。いいスピードをみせられましたね。最後までしっかりしてくれましたよ。
-:ルックトゥワイス(牡5、栗東・藤原英厩舎)はまたしても2着…惜しい競馬が続いてしまいますね。
圭太:藤原(英昭)先生なので、事前に綿密な話をしましたし、位置取り的には最高の位置だったと思います。ペースが遅かったので、これも仕掛けどころの差になってしまいましたね。
-:どうしても詰めの甘さがあるところは課題ですね…。サノサマー(牡4、美浦・中舘厩舎)は人気を集めていましたが、これは不器用なイメージを抱いていたので、敗れるケースもあるのかなと思っていたんです。
圭太:力があるので勝てるだけの能力はあったと思いますが、不器用なぶん、展開にも左右されてしまいますし、乗り難しい馬ではありますね。一番はゲートをスムーズに出ていかなかったので、それが一番の敗因かと思います。位置取りは後ろからでも走っていますから。
-:こちらも3歳未勝利のダノンポピー(牝3、美浦・尾関厩舎)も初勝利を挙げましたね。
圭太:今回はゲートも出ていますし、スムーズな展開で力を発揮してくれましたね。今後も楽しみです。
-:僕も個人的に予想はしますが、これ今週は勝てるのかな?そう思うことは多々ありながらも、この東京はコンスタントに勝たれたのかと思います。
圭太:たしかに課題がある馬というのも多かったかもしれません。でも、いい馬ばかりですし、勝たせてもらっていますよ。その中でも、自分の感触としてはいい流れでこられているので。
-:いつも謙虚なコメントが多い印象なのですが、この春は少し変化もあって、そこは客観的に聞いていて面白い部分だなと思います。
圭太:ハハハ、そうですね(笑)。ただ、取りこぼしもありますから。もっと高めていかないといけないですし、慢心はしていません。
-:残念ながらイベントで取り上げられなかった質問も近々答えていただければと思います。今週も頑張ってください。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は6月29日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。