'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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さあ快進撃の福島開催へ!ラジオNIKKEI賞はキボウノダイチと初タッグ!
2018/6/29(金)
宝塚記念ではパフォーマプロミスとのコンビで挑むも、残念ながら見せ場なく敗退。しかし、今週からは舞台を福島に変え、本格的な夏競馬に挑む戸崎圭太騎手。読者の方ならご存知の通り、例年、夏競馬といえば戸崎騎手が勝ち星量産のシーズン。BIGレースこそ秋までのお預けとなるが、数多くの活躍のシーンがみられるか、期待したいところだ。
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-:今週もよろしくお願いします!まずは先日の宝塚記念(G1)から。パフォーマプロミス(牡6、栗東・藤原英厩舎)は道悪実績、レースに相性のいいステイゴールド産駒ということで期待したファンも多いかと思います。結果、序盤から行きっぷりも悪く9着でした。敗因はどうとらえられていますか?
圭太:斤量か馬場なのか…。スタートは出ているのに、いいところにつけられず、道中の手応えも終始促すようなものでしたからね。
-:藤原英昭先生といえば、前哨戦から状態が一気に上向くことも多いと思います。返し馬での感触はどうでしたか?
圭太:よかったですね。状態はよくなっていると思いました。ただ、馬場には緩さもありましたし、内外の差は大きくないにしても、内だけは残るイメージ。それに、この斤量でこの馬場というのがこたえたかもしれません。
-:馬場が悪化した昨年の東京や中京でも走られていましたが、戦前に言っていたように本質的に渋った馬場はよくないのかもしれませんね。
圭太:色々なことが重なっての行きっぷりの悪さだと思いますが、当時は下級条件だからやれたのかもしれないですね。
-:さて、今週から本格的な夏競馬。戸崎騎手は今週が土日で福島。当面は福島や新潟になりそうですか?
圭太:そうですね。今年は海外もないですし、福島や新潟がメインになります。中京記念(G3)や札幌のワールドオールスタージョッキーズは行くんじゃないかと思いますが。
▲戸崎騎手も高く評価したヴェロニカグレースの未勝利戦
-:土曜の騎乗馬から触れさせてもらうと、福島8R(3歳上500万下)のヴェロニカグレース(牝3、美浦・武市厩舎)は未勝利勝ちを挙げられていましたね。
圭太:未勝利を勝った時は強い競馬。これは上でもやれると思っていました。ただ、その後に乗せていただいた際は、気持ちの入り方が強すぎて、当時と気配が変わってしまいましたね。今回も行きっぷりが良すぎて、前目の競馬になるんじゃないかと思います。
-:その点、距離が短くなるのはよさそうでしょうか。
圭太:そうですね。今ならマイルでもいいんじゃないかと思うほど。前走なども乗せていただいていないので、その後の変動がわかりかねますが。
▲ユニコーンSを除外されたイダペガサス そのうっぷんを晴らすか
-:猪苗代特別のイダペガサス(牡3、美浦・高柳瑞厩舎)は新馬、500万と連勝されましたね。
圭太:ええ、素質だけならこのクラスもやれていいと思います。前回乗せてもらっていないですが、4つコーナーと右回りに変わる部分は気がかりなところもあります。
-:同じゴールドアリュール産駒のサンライズノヴァなどもそういう傾向がありますよね。テレビユー福島賞のアドマイヤナイト(牝6、栗東・梅田智厩舎)は以前にも乗られていますね。
圭太:競馬も上手な馬ですし、安定して走ってくれるイメージです。ひと押しに欠けるところだけがネックですね。
-:ラジオNIKKEI賞(G3)のキボウノダイチ(牡3、栗東・松元茂厩舎)はテン乗りですね。
圭太:映像をみた限りですが、しぶといタイプでしょうか。キレるよりも小回りで持続力がありそうなタイプに思えますね。強い相手もいますが、上手く立ち回りたいです。
-:先週のその他のレースもお願いします。ドラゴンカップ(牡5、栗東・角居厩舎)は東京で乗られていましたが、そこからガラっと変わってきましたね。
圭太:前回は周りの馬を気にするところもあったのですが、今回はブリンカーをつけた効果で全くそんなところがなかったですね。
-:リュヌルージュ(牝3、栗東・斉藤崇厩舎)は51kgの斤量での騎乗。惜しい2着でした!
圭太:早めに来られて動かざるを得なかったのが誤算。それでも頑張ってくれていますし、もう少し距離を縮めてもいいんじゃないかと思います。ただ、レースは上手ですね。斤量については、平日の食事を減らしただけで、週末は普通に摂れましたよ。
-:週末に食事を抜いたわけではないんですね。モンテルース(牝3、栗東・杉山厩舎)は初コンビでしたが、圧勝でしたね。
圭太:ゲートもスムーズにでてくれましたし、強い競馬でした。いいタイミングで乗せてもらいました。
-:先週土曜東京では、スマートダンディー(牡4、栗東・石橋厩舎)が3着でした。
圭太:聞くところ前走はうるさいところがあったようなのですが、今回は落ち着いていましたよ。レースもスムーズにいけたのですが、直線ではジリジリとした脚でした。
-:グッドヒューマー(牡4、美浦・高橋裕厩舎)は歩様の硬さが常にあったそうですが、今回もそういった脚元の不安がありましたか?
圭太:今回は久々ということもあって、返し馬から馬体に余裕がありましたね。硬さの面はほぐれていましたよ。
-:2歳未勝利のウインゼノビア(牝2、美浦・青木厩舎)は圧勝でしたね。この世代の2歳戦、ジョッキーとしては初勝利でした。
圭太:新馬戦から高い能力をみせていましたからね。センスがある馬ですね。抜け出してからも余裕がありました。
-:乗られていないレースですと、水曜日には帝王賞(Jpn1)が行われましたね。こちらはどうみられましたか?
圭太:好走している馬たちは順当な印象はうけましたよね。地方馬でいえば、リッカルドは現役時代にお世話になった(元騎手の)佐藤裕太調教師の馬でしたし、注目していました。それに担当されていた厩務員さんもお世話になっていた人だったんです。常に安定して走っている馬ですが、惜しい結果でしたし、馬もよくなっているのかと思いましたね。地方勢が4、5着で、相手は強いものの、頑張っていると思います。
-:リッカルドについては、先日のイベントの楽屋でも「頑張ってほしい」と言っていましたし、気になっていました。ちなみに、火曜も大井で乗られていましたが、今年1月末あたりに大井のダートは路盤改修されたと聞きます。その後の変化は感じられましたか?
圭太:う~ん、そこまでは。どうしても、本馬場での調教になりますし、砂は痛みやすい。あまり変わらないんじゃないかなというのが本音です。
-:ありがとうございます。そして、世間でも話題が尽きないワールドカップですが、こちらは観られていますか?
圭太:ええ、毎日寝不足にならない程度にみていますし、楽しませていただいています。でも、けっこう観ちゃってるかな。特に昨日の日本戦はちょっと難しい展開でしたね~。それに、フェアプレーポイントなんてものがあるとは初めて知りましたよ。まだワールドカップは続きますし、引き続き楽しみです。
-:全くコネクションはありませんが、いつかまたスポーツ選手との対談などもできればいいですね。次週もよろしくお願いします!夏競馬もがんばってください。
圭太:よろしくお願いします。ありがとうございます。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は7月6日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。