6月21日に行われた競馬ラボのトークイベントシリーズ『生うまトークサミット』。これまで9回の開催を数えるが、今春、皐月賞を制し、自身初のクラシック制覇を成し遂げた戸崎圭太騎手が3度目の登場!今回は、そのイベントの模様を動画ではなくテキストでお届け。トークショー内ではお届けできなかった来場者からの質問も踏まえ、春の名場面を回顧していただく形で、上半期の騎乗を総括してもらった。

テン乗りヴィクトリアマイルは不運続き

MC・水上学:改めまして、戸崎圭太ジョッキーでございます。この花束は皐月賞の勝利を祝してのものです。おめでとうございます。

戸崎圭太騎手:ありがとうございます。

ファン一同:(拍手)パチパチパチ。

:いつものように競馬ラボの小野田さんにも登場してもらいます。

競馬ラボ小野田:よろしくお願いします~。

戸崎圭太

戸崎圭太

▲冒頭に記念撮影と皐月賞優勝記念の花束贈呈

:ということで、戸崎さんは3回目の出演。もうすっかりとこの雰囲気には馴染んで、今日も本当にスタイリッシュで格好良いですね。

圭太:いやいやいや。ちょっと挨拶をして良いですか。こんばんわ~。

ファン一同:こんばんわ~!!

圭太:出てくるのが遅くなりましたけど、楽しい時間を過ごしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

ファン一同:(拍手)パチパチパチ。

:冒頭でご挨拶をされるというのは初めてのパターンですけど、今日はこうしようと考えられていたのですか?

圭太:いやいや、何か前半が随分押していたみたいなので。

:それはお気遣いいただきありがとうございます。このところ、非常に好調でございますけど、体調面、気力、体力は充実されている今日この頃になりますか?

圭太:やはり結果にはなかなか満足いかないところがありますけど、体調面は本当に充実して、気持ち的にも良い感じで来られていますね。

:去年、イベントにいらっしゃった時には「大きいタイトルがほしい」とおっしゃられていました。本当に今年の上半期の戸崎さんは見せ場たっぷりでしたね。

圭太:そうですね。馬券には絡めていたので。ただ、あそこまで行ったら、1着が欲しいので、一概に納得はいかないところですけどね。

戸崎圭太

:でも、本当にそれぞれ見せ場のある春のG1戦線、重賞戦線だったと思うんですけど、今日は戸崎さんの手綱捌きを、春のG1を中心にクライマックスシーンを振り返って、ご自身に解説していただこうという企画です。早速、アエロリットと挑んだヴィクトリアマイル(G1)(4着)から振り返っていただこうと思います。アエロリットは5枠10番に入っていましたが、イメージとしてはもちろん横山典弘騎手のお手馬という印象がありました。この馬が回ってくることが決まった時の率直な気持ちをまずは教えていただけますか。

圭太:やはり有力馬ですし、G1馬ですから、とても光栄に思えましたね。ノリさんにも話を聞きに行きまして「とても良い馬だ」ということは言っていましたし「元気のある馬だ」とも言っていましたね。「最後は乗った感触で、自分で判断した方が良い」という感じのお言葉をいただきました。

:当日は雨模様で、少し馬場が渋り気味だった訳ですけど、そのような天気になったことについてはどうでしたか。マズいことになったかな、という感じでしたか。

圭太:天気はしょうがないので、受け入れるしかなかったんですけど、良馬場で走らせたいなとは思っていました。これ以上、雨が続くと…とは思っていましたね。ただ、その次点ではレースで乗ったこともないですし、どういう馬場が合うかも未知数でしたが。

:具体的にヴィクトリアマイルのスタートから聞いていきたいのですが、さっきも「元気のある馬」というお話もありました。やっぱりゲートを出てからガツッと来るようなところがあるのですか。

圭太:いや、ゲートを出る時はそうでもなくて、ちょっとスタートで脚を取られたんですよね。そこが痛かったんですね。落鉄は発表されていると思いますが、多分そこで落鉄をしたと思います。レース中に落鉄したことはわからないですけどね。

戸崎圭太

小:気持ち掛かっているのかなというように見えたのですが。

圭太:そうですね。やっぱり出脚で勢いがつかなかったので、出していった分、ハミの取り方が良かったですね。

:外々の方から先頭に並びかけようとしているのですが、この辺の手応えはいかがでしたか?

圭太:手応えは十分でしたね。僕のイメージとしては、速い脚があって切れるというタイプではなかったので、早めにセーフティリードを取っていった方が良いかなと思いました。4コーナー手前くらいから少し促していきました。

:そして(3着の)レッドアヴァンセに交わされそうになって、差し返そうとするのですが、さらに外から2頭(ジュールポレール、リスグラシュー)やってきました。残念ながら4着ということでしたが、前半が35秒2で、上がりが34秒0ということで「前半は掛かっていた」ということからも分かるように、ちょっとスロー気味だったのですか。

圭太:そうですね。(ペースが)落ち着いてはいましたね。結果、このときの馬場は時計が速いけれど、けっこうゆるさのある馬場でしたね。アエロリットにとってあまりよくない条件だったのではないかと思います。

戸崎圭太

▲アエロリットの1週前追い切りにも騎乗していた

:ちなみにこの東京開催というのは、良馬場だと時計がすごく速い日というのが多かったんですけど、たくさん乗っていらっしゃって、馬場の硬さは感じられたのですか?

圭太:いえ、乗っている方としては、そんなに硬さは感じないんですよね。でも、時計は出ていましたので、何とも難しい馬場だったなというのはありましたね。

小:今年の東京は、馬の脚元への負担はどうだったのですか。

圭太:硬く感じないので、多分そんなに負担はないのかなと思うんですけどね。

:でも、ゲートでトモを滑らせてスタートをして、そのままジッとしていると、前がドンドン塞がってしまいますもんね。促していくしかなかったということですね。

圭太:はい。理想は一列目で競馬をしたいなと思っていましたので、この馬のペースとリズムで行きたいなと思っていましたので、(ポジションを)取りにいった反面、途中で力んでしまったというのはありますね。

小:レース前の印象としては、戸崎騎手自体、追って追ってというタイプよりもキレ味のある馬のほうが得意としているのかな、という思いはありました。アエロリットはそれとは違ったベクトルの能力を持った馬なので、どこまで思い切った競馬ができるのか、そこに尽きると思っていました。ただ、ゲートを出てからは馬も楽に流れに乗れず、力を出し切れていないように感じました。安田記念で相手が強くなるとはいえ、まだ上積みがあるんじゃないかと思ったんですよね。

生うまトークサミットで春の名場面を振り返る!
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