'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
祝・メモリアル達成!今週はWASJ出場&あの馬と再会
2018/8/24(金)
先週、晴れてメモリアル勝利を達成した戸崎騎手。2013年よりJRAのジョッキーとなり、6年目。大きな怪我や騎乗停止もなく、1000勝という大台にもあと僅か。そして、今週は札幌でワールドオールスタージョッキーズに出場。これまでは惜しい結果が続いているシリーズだが、今年こそ個人総合優勝となるか。また、週中は久々に栗東トレセンで騎乗した中で耳寄りな話題も。次なる節目へ向けての奮闘を見守りたいところだ。
-:今週は札幌競馬場でWASJに出場されますが、まずは先週、JRA通算900勝おめでとうございました!
圭太:ありがとうございます。
-:パートナーは関西馬のロジャーバローズ(牡2、栗東・中竹厩舎)で新馬戦を制されました。馬の印象はどうでしたか?
圭太:返し馬から素質の高さを感じました。躍動感のある走りで、トビはゆったりしているところはありますね。距離はもっと長くてもこなせそうです。気性的には少し元気の良さはあるもの、扱いやすさもありましたよ。
-:900というと、あまり切りの良い数字ではありませんが、節目の勝利にはなりますね。
圭太:そうですね。ただ、これで1000という数字もみえてきましたし、節目となると、また違った思いもありました。南関東時代も沢山勝たせていただいて、もう3000以上にはなっているはずですが、気持ちも新たになりますね。
-:今週は札幌での騎乗。ただし、テン乗りが多いですね。オールスターJ第2戦のドレッドノータス(セ5、栗東・矢作厩舎)はだいぶ前ですが、乗られていますね。
圭太:シリーズにおいてはこれがAクラスなので、是非ともいい結果を残したいところです。以前は追い出してから耳を絞るようなところがあったので、馬の気分を害さないような騎乗を心がけます。
-:日曜6R(3歳未勝利)のバララットゴールド(牡3、美浦・黒岩厩舎)は2走前に乗られていますね。
圭太:ひと押しに欠けるところはあるので、工夫して乗れればいいですね。ただ、時計が掛かる馬場はいいんじゃないかという思いもあります。
-:しかし、台風が接近しており、開催ができるのか気になるところではあります。
圭太:そうですね。日曜は晴れ予報ですが、土曜がどんな天気になるか、ですね。
-:先週のレースですが、アードラー(牡4、栗東・音無厩舎)やスパイラルダイブ(牡4、美浦・古賀慎厩舎)はテン乗りでしたね。
圭太:アードラーはどっしりした雰囲気のある馬でしたね。ただ、戦法的に後方からになってしまいますし、展開に左右される面も否めません。いい脚ではあがってきてくれていますが…距離はもう少しあっていいのかもしれませんね。ただ、このクラスでもやれる馬だと思いますよ。
-:ただ、新潟だとどうしても差し込みづらいです。
圭太:ええ、特に日曜はそういう傾向が強かったです。勝った馬はほぼ逃げ馬じゃなかったですか?前日ともまた違いましたよ。
-:確かに減量騎手、若手騎手の台頭も目立ちましたよね。スパイラルダイブは休み明けも影響しましたか?
圭太:そうですね。スパイラルダイブはフットワークもよかったですし、走る馬だと感じました。ゲートでそわそわするようなところがあって、いいスタートをきれていたら、もう少し着差も縮まったかもしれませんが…。
-:アメリカンファクト(牡3、美浦・戸田厩舎)も同じくテン乗り。内枠も災いしたかなと思ったのですが。
圭太:いや、この馬もよく走ってくれていますし、勝ち馬も強かったですよ。このクラスでも十分にやれる存在だと思います。
-:ルックトゥワイス(牡5、栗東・藤原英厩舎)は3着。どうしても4角で離されてしまいますね。
圭太:そうですね。あそこが課題ですね。勝つチャンスでいえば、前走のほうがあったかもしれません。
-:グランドピルエット(牝3、美浦・田村厩舎)は前走の内容と相手関係を思えば、もっとやれると期待していました。
圭太:う~ん、本音をいえば前走のほうが雰囲気はよかったですね。中間、除外もあったようで、その影響もあったかもしれません。
-:サクラボヌール(牝3、美浦・田島俊厩舎)は初めての千直競馬。それでも、勝ちきれなかったですね。
圭太:もう少し(ハミを)とっていってくれると思ったんですけどね…。連戦の疲れなのか、初めてのコースなのかわかりませんが、もどかしいところです。
-:先週の交流重賞ではブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)のプリンシアコメータ(牝5、美浦・矢野英厩舎)は2着。勝ち馬も強かったですが、しぶとく踏ん張っていたと思います。
圭太:初めて乗せていただいて、先生(調教師)からも「ハナにいっていい」という指示。遅いペースではなく、後続に脚を使わせるようないい競馬の形には持ち込めたのではないかと思います。ただ、勝ち馬が強かったですね。
-:戦法もある程度、意識していたわけですね。
圭太:モマれるよりは少々キツかろうが、ああいうペースのほうが向いているんじゃないかと思いました。馬場も少し渋ったほうがよさそうな感触はありましたよ。
-:今週はこれから乗る馬についての話題が少なめになってしまいましたが、先に乗る馬といえば、日本ダービー以来、エポカドーロ(牡3、栗東・藤原英厩舎)に跨がられたそうですね。
圭太:ハハハ、バレましたか?
-:ええ、噂を耳にしまして…。
圭太:追い切りではなかったので、内緒にしておこうと思ったんですけどね(笑)。特に意味はないですけど。
-:いやいや、せっかくなのでお願いします。
圭太:皐月賞を勝たせてもらったわけで、乗ったことのある馬でこうして秋、クラシックを迎えるのは初めてですからね。気分的には、今までとは違った感覚ですし、また新鮮な思いがあります。まだレースは先ですが、どんな戦いになるのか、戦いをしようか、今から楽しみですし、なんだか「相棒」じゃないですが、今まで味わったことのない気分です。
-:ええ、僕も初めて聞いたコメントです。もったいぶるのはもったいないコメントですね(笑)。肉体面の変化はありますか?
圭太:力強さが増した感じはありました。ただ、まだ馬の気分がレースに向かっているわけではないですし、緩さもあります。これからレースへ向けてピッチが上がっていいわけですし、現段階ではいいゆとりかと思います。とてもいい夏の過ごし方ができたのではないでしょうか。
-:それは楽しみです。たまには競馬とは関係ない話題も。最近はスポーツ観戦などもされていますか?
圭太:はい、さすがに全部みていませんが、高校野球は観ていました。地元(栃木県)は残念ながら、一回戦で大阪桐蔭高校と当たって初戦負けでしたが、大会通じて盛り上がっていましたね。パワーをもらえた気分がします。
-:暑さはまだまだ続きますが、段々と秋の息吹も感じるところですね。また、次週もよろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は8月31日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。