'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
さあG1!スプリンターズSはレッドファルクスに初騎乗!
2018/9/28(金)
急転直下の代役騎乗をモノにできるか。スプリンターズSでいよいよ幕を開ける秋のG1シリーズ。今年は急遽レッドファルクスとのコンビで挑むことになった戸崎騎手だが、3連覇の偉業が懸かる重役を担うことになった。
7歳にもなり、いわば「古豪」といえる域の大ベテランだが、貫録をみせたい一戦。ジョッキーにとっても腕の見せ所。水曜の追い切りに騎乗した上で見通しを語ってくれた。
-:今週はスプリンターズステークス(G1)。急遽のことですが、レッドファルクス(牡7、美浦・尾関厩舎)の騎乗が決まりましたね。
圭太:そうですね。水曜の追い切りに乗せていただきましたが、さすがG1という雰囲気を感じました。力強さもありますし、ギアの入り、フットワークの良さも感じましたね。
同一レース3連覇が懸かるレッドファルクスの最終追い切りに騎乗した
-:しかし、先週の追い切りはズブさを感じさせる内容でしたね。
圭太:僕も映像を見ましたが、それは感じるところはありました。ただ、今週はそんなところはなかったですよ。ゲートから出して追い切りをされたり、今回はメンコを外したり、そうした効果もあったのかもしれません。
-:今回は馬場の悪化も想定されますが、そういう意味でも流れは向いてほしいところでしょうか。
圭太:まあそうでしょうね。馬自体は素晴らしいと思いましたが、やはりそうしているということは、落ち着きが出てきていることの現れでしょうからね。乗った感じでも、1200の馬のピリっとした感じとはちょっと違いましたから。
-:とはいえ、これまで連覇の舞台。馬場状態は変わりそうですが、偉業となるか、注目です。
圭太:馬にとっては3連覇の懸かるレースですし、しっかり騎乗したいですね。こういうチャンスのある馬に跨れることを嬉しく思いますし、嬉しいだけじゃなく、結果を残したいですね。
-:ありがとうございます。土日のその他の騎乗馬についてもよろしくお願いいたします。土曜7R(3歳上500万下)のトータルソッカー(牡4、美浦・伊藤正厩舎)は3走前にも騎乗されていますね。
圭太:このクラスを勝ったことがあるように力は上位だと思います。距離も延びますが、問題ないと思いますよ。
-:日曜は2R(2歳未勝利)のシティーオブスター(牡2、美浦・矢野英厩舎)、7R(3歳上500万下)のテンワールドレイナ(牝3、美浦・矢野英厩舎)と騎乗されていますね。
圭太:シティオブスターは徐々に良くなってきていると思います。テンワールドレイナは雰囲気のある馬ですね。走りも中山が合う印象ですし、開催最終日ですから、結果を出したいところです。
-:サフラン賞のブルーグローブ(牝2、美浦・矢野英厩舎)は新馬勝ちして中1週。課題となると…。
圭太:能力はあると思いますが、新馬戦でも折り合い面が気になりました。2戦目でどう変わってくるか、そこは気になるところですね。走り自体は上手だと思いますが。
-:今週月曜日は浦和競馬場でオーバルスプリント(Jpn3)、ジョッキー自身は5連覇がかかっていたものの、ネロ(牡7、栗東・森厩舎)に騎乗されて5着でした。
圭太:ハナを主張したかったのですが、内の馬が速かったですね。ただ、競馬でも遊ぶようなところがありましたし、コーナーも経験の浅い4つのレース。やっぱり1200でハナを切る馬がベストなのかなと思います。
-:先週の競馬ですと、神戸新聞杯(G2)のエポカドーロ(牡3、栗東・藤原英厩舎)は、この馬以外のワグネリアンなど含め、ファンも注目の一戦だったと思います。
圭太:秋初戦の重要なレースですからね。やはりスタートしてすぐに躓いてしまったことに尽きますね…。
-:人によってはあのアクシデントの大きさが分からない可能性もあるかと思いますが、かなりのロスになってしまいましたね。
圭太:そうですね…。応援してくれた方には、申し訳ないレースになってしまいました。ただ、乗った雰囲気も次へ向けてよくなりそうな気配もあったのでね。
-:ダービー馬ワグネリアンは残念ながら菊花賞に向かわないとのこと。ただ、夏を越して力をつけてきた馬もたくさんいますね。
圭太:そうですね。パドックなどの雰囲気もいつもより大人しいところもありましたし、逆転を狙っていきたいです。
-:先週の日曜最終から土曜中山にかけて振り返ってもらうと、マイネルオスカル(牡3、栗東・中村厩舎)はどうでしたか?
圭太:いい形で4コーナーをむかえられたのですが、結果的にもう少し距離があっていいのかもしれないですね。少し身体も重そうに感じました。
-:少し壁になる部分もありましたが、前が開いてからの伸びもひと息でしたよね。ロイカバード(牡5、栗東・松永幹厩舎)はどうだったでしょう。
圭太:イメージでは引っかかるところがあって、折り合い重視でいこうと思っていました。先生が不在で、厩務員さんともレース前に話したところ、位置はとっていって欲しいとのこと。ゲートも普通に出して、ペースも遅かったのですが、力まず走ってくれましたね。ただ、この馬も追い出してからの伸び切ってしまう感じでした。
-:リンクス(セ5、栗東・安田翔厩舎)はもう少し伸びるかと思いましたが…。
圭太:そうですね。4コーナーでは「コレはやったな」と思ったほど。ただ、聞けばノドの手術もしたりしたこともあって、なかなか体調面が噛み合っていないのかもしれないですね。
-:土曜中山のカイザーメランジェ(牡3、美浦・中野栄厩舎)は時計の速い決着の中、6着でしたね。
圭太:外枠でしたし、ある程度、流れが向いてほしかったところはありましたが、早めに踏んでいきました。ただ、坂も苦手そうに感じましたし、もう少しパワーアップしてほしいですね。昇級初戦でまだ3歳。今後、成長できる余地はあるでしょうからね。
-:コスモカレンドゥラ(牡2、美浦・田中博厩舎)で勝利を挙げられていましたね。
圭太:前向きさがあると聞いていましたし、折り合いに気をつけて乗りました。前進気勢のいい馬でしたが、いい形でリラックスして運べましたね。一瞬の伸びはよかったですよ。
-:早いもので、中山開催もラスト。来週から東京開催が始まります。2週後にはG1レースも続きますね。
圭太:そうですね。夏競馬ももちろん大事ですが、ここからよりたくさんのファンが注目をするレースも多くなってきますし、一番盛り上がる時季ですからね。頑張りたいです。
-:来週もよろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は10月5日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。