'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月23日時点1569勝
土日中山で16鞍騎乗!来季へ向けて勝ち星量産を
2018/12/14(金)
年内も残すところ、あと半月。今年はクリストフ・ルメール騎手のリーディングも確定し、現時点で110勝のリーディング3位から残念ながらトップを奪回することはできなかったが、年の節目はあっても、ジョッキーたちにとっての戦いは続いていく。先週は4勝、今週は中山に腰を据えて騎乗する戸崎騎手は残念ながら重賞での騎乗こそないが、思うように成績を伸ばせなかったこの一年を挽回するためにも、奮起を期待したい終盤戦に注目いただきたい。
-:今週もよろしくお願いします!先週は阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)でレッドアネモス(牝2、栗東・友道厩舎)に騎乗され、残念ながら9着。このレースから振り返っていただきたいのですが、実戦での騎乗は初めて。いかがだったでしょうか。
戸崎圭太騎手:レース前は前の方で競馬が出来ればと思っていたのですけど、1200mを使っている馬たちもいましたので、なかなかいけなかったですね。ペースが速くなって揉まれる形になったので、戸惑っていたところはありましたね。
-:というと、タイプとしてはキレ味よりも長く脚を使うタイプということでよろしいですか。
圭太:そうですね。どちらかといえば、そうだと思いますね。
-:調教ではデビュー前からかなり良い時計を出す馬で、追い切りで乗った感じと実戦に行った感じでは、そんなに変化というのはなかったですか。
圭太:逆にいえば、調教での動きが良かったので、想定していたイメージとのギャップはなかったですね。
-:客観的にみて懸念していたのは、初戦も外目から先行する形でしたし、2戦目も逃げていたので、周りが速いとどうか、馬群での競馬に対する懸念もありました。今回はそういう面が出てしまった感じですかね。
圭太:はい、そうですね。ただ、まだこれから良くなっていきそうな気配も感じたのも事実です。
-:レースに行って、競馬場に行っての精神面というのはいかがでしたか。
圭太:特に問題なく、落ち着いていましたよ。あとは初めてああいった展開になったのでね。これから競馬のパターンが増えてくれればと思います。
-:そして、今週ですが、土日ともに中山で騎乗されます。日曜メイン(ディセンバーS)はハートレー(セ5、美浦・手塚厩舎)に乗られるようですが、追い切りにも乗られたそうですね。
圭太:雰囲気は良かったですね。先生(調教師)からも「ここ最近ではすごく良い状態だ」と言われました。まだレースも沢山使っているわけではないですし、去勢もしているし、未知数な部分は大きいですが、楽しみですね。
-:この馬といえば、2年前でしたか。春を思い出しますね。
圭太:そうですね。クラシックで乗せていただく話をいただいていたのですが、順調さを欠いて、出走がかなわなかったですからね。2年半以上越しに乗せてもらうことになりましたね。
-:同じく日曜の騎乗馬では(2歳未勝利の)シングフォーユー(牝2、美浦・牧厩舎)はいかがでしょうか。
圭太:初戦から良い感じでレースが出来たので、楽しみかなと思いますね。コース替わりも良さそうですよ。
-:土曜日はひいらぎ賞のダノンキングリー(牡2、美浦・萩原厩舎)ですが、新馬勝ちをあげられました。
圭太:追い切りに乗りましたけど、良くなっていましたね。どんなレースをしてくれるのか、楽しみですよね。
-:性格的に気になる部分はありますか。新馬はちょっと外目から先行する感じだったので、揉まれた時にちょっとどうなのかなという感じもありましたけど、この馬は瞬発力がある方なのか、長く脚を使う方なのかというのはどうでしょうか。
圭太:別にレースに影響はないので、今のところは大丈夫かなと思いますね。上がりもいい脚をつかっていましたから。
-:新馬戦は俗にいう加速ラップの中、押し切っていましたね。2歳未勝利のクリスタルアワード(牝2、美浦・伊藤圭厩舎)はいかがですか。
圭太:距離短縮も良い方に出ると思いますし、楽しみですね。
-:先週のレースで他の所で伺いますと、2歳500万下でヴァニラアイス(牝2、栗東・高柳大厩舎)は1着でしたね。
圭太:この馬も揉まれる形になりましたけど、こちらは元気良く怯まずに上手に走ってくれましたね。直線も感じ良く伸びていってくれたので、良かったですね。
-:以前は乗っていらっしゃらないですけど、どっちかと言うとダートの方がという感じですかね。
圭太:まあ、そういうところはありますね。
-:スタートはけっこう良かった感じがありますけど、あれは敢えてちょっと下げる感じだったのですか。
圭太:いや~もう行けなかったですね。
-:でも、砂を被るような格好になっていたと思いますけど、そこら辺も全然問題なくという感じだったのですね。
圭太:はい。そういった点からもダートにしっかり対応してくれました。
-:師走Sで3着のクインズサターン(牡5、栗東・野中厩舎)はいかがだったですか。
圭太:思っていた悪い方に出ちゃった感じですね。どうしてもコーナーでモタついてしまうので…。重賞でも好走しているように、毎回よく頑張ってくれていますけどね。やっぱり東京の方が対応はしやすいと思いますよ。
-:この馬はさすがに東京の1400だと短いですか。
圭太:いや…コースを考えると良いのかなという感じもしますけどね。
-:霞ヶ浦特別で4着のフリージングレイン(牡4、美浦・古賀慎厩舎)は1番人気でしたが、いかがだったですか。いい評価もされていたので、楽しみにしていたのですが、アレっという感じでした。
圭太:ちょっと動きが重かったですね…。正直にいえば、叩いた方が良くなってきそうな感じはしますね。良い馬ですけど、今回は動ききれていないなという走りでしたね。
-:記事には載せていなかったですが「未知数かな…」と言っていた(2歳500万下1着の)ヴァイトブリック(牡2、美浦・和田郎厩舎)は強かったですね。
圭太:そうですね。競馬もキチッと回ってくれた感じで、強かったですね。
-:2歳未勝利(1着)のメッシーナ(牝2、美浦・萩原厩舎)はいかがでしたか。
圭太:この馬も追い切りで乗りましたけど、それ以上に良い動きで良かったなという感じですかね。
-:先週伺った感じだと「ちょっとまだ甘さというか、緩さがある」ということでしたが。
圭太:その辺はコーナーで出ていましたけど、直線に向いてからはシッカリ走ることが出来ましたね。
-:同じく未勝利馬のウインレフィナード(牡2、美浦・畠山吉厩舎)は待望の初勝利でしたね。
圭太:そうですね。展開も上手くいきましたし、無駄のない良いレースが出来たのかなという感じですね。
-:読者の方からもちょくちょくメールを頂いているので、軽く伺えればと思うのですけど「最近気になるというか、眼に付く若手はいますか」ということですが。
圭太:荻野極や(武藤)雅とか、良いんじゃないですかね。
-:ファン向けに、彼らのこんなところが良いよというのがあったら、教えていただけますか。
圭太:いや~、それは説明し辛いというか、言葉に出来ないというか、ちょっとよく分からないですね。
-:「この秋も外国人ジョッキーがたくさん来ていると思うんですけど、話されることはあったのですか」ということですが。
圭太:いや~特にないですね。しても、挨拶程度。ライアン(ムーア)もそんなに一緒にならなかったですし、あまりレースにも乗っていないのでね。
-:今年は以前のように食事にいくこともなく、そんなに、という感じですか。
圭太:はい。滞在も短かったですからね。
-:こちらはだいぶライトな話題ですが「芸能人の方で、誰かに似ていると言われることはありますか」とのことで、その方が似ていると思われる芸能人の方の名を挙げられています。
圭太:その方に言われたことは一度もないですし、特にないですね(笑)。
-:これは以前も伺いましたかね。「G1の時とかのヤジや歓声はどう思われますか」という質問です。
圭太:基本的にはしてもらいたくないですけどね。応援の意味があって応援してくれているから、気に掛けてくれているから声を掛けてくれるのでしょうから、見てくれているんだろうなと思いますけど…。
-:でも、昔に比べたらマシな方ですかね。
圭太:いや~今の方がえげつない感じはしますけどね。
-:G1の前にファンファーレが鳴って、最近はコールみたいなのがよくありますけど、ああいうので馬が気になるとか、そういうのはありますか。
圭太:馬のよってじゃないですかね。中山なんかの方がスタンドとの距離感は近いですし、ありそうですけど。
-:最後に「最近の連載であまり元気がなさそうに見えるんですけど、元気はありませんか」とのことです(笑)。
圭太:全然!バリバリですよ。そう思われるなら、闘志や元気を内に秘めているだけじゃないですかね。最高に楽しく乗っていますしね。
-:よくあるカラ元気とか、そういうのではないですね(笑)。
圭太:全然違いますね。芯から来ていますからね。
-:それならよかったですね!昨日、年末特番の収録(フジテレビ「最強スポーツ統一戦 禁断のスポーツコロシアム」)が公になっていたので、どんな感じだったのか教えていただければなと。
圭太:色々なスポーツ選手と会えて良かったですし、楽しい撮影になりましたね。
-:けっこう、長かったのですか。
圭太:休憩も入れたら、6時間くらいだったかな。
-:読者の皆さんは放送を楽しみにいただければと思います。次週は有馬記念ウィークですが、引き続きよろしくお願いします。有馬記念はスマートレイアーに騎乗されるということですね。
圭太:はい、よろしくお願いします。
-:戸崎騎手への質問やこんな企画をやってほしいという意見があれば、keita_tosaki@keibalab.jpまで[お名前またはペンネーム]をお書き添えの上、メールでご連絡ください。いつでも募集しております。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は12月21日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。