'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
【謹賀新年】目指せ中山金杯連覇!そして、新年の目標は?
2019/1/4(金)
新年、あけましておめでとうございます。南関東時代を含める今年で9年目となるこのコーナー。傍から見る分には、昨年はジョッキーにとって苦しい一年だったと思います…。とはいえ、昨秋は安定して勝ち星を量産。この流れで新年も大活躍を期待したいところです。また、今年はJRA通算1000勝の節目も迫ります。競馬ラボとしても、戸崎騎手を大いにバックアップしていきたいと思います。ご期待ください!
-:あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします!早速ですが、読者の皆様へ新年の挨拶、目標からいただけないでしょうか。
圭太:あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。そうですね、目標は強いていうならば具体的なものはないです。例年通り、丁寧に、一鞍一鞍を大事に乗っていきたいと思います。その中で、一つでも勝ち星を挙げたいですし、一つでも多く重賞やG1を勝ちたい。言ってしまえば、成績がよりよいほど良いにこしたことはありませんからね。
-:もともとJRAに入ってからは数字の目標を明確に掲げられていた印象はなかったですね。
圭太:そうですね。地方競馬だったら、年間300勝や400勝と言っていましたが、JRAではなかなか挙げづらい部分はあります。でも、昨年も序盤の成績などには納得していませんし、コンスタントにいければと思います。
-:年末年始の過ごし方はどうでしたか?
圭太:例年と大きな変化はなかったです。ただ、東京大賞典(G1)に乗せていただいたことはここ最近と違いましたかね。大晦日は紅白(歌合戦)を観ていましたが、盛り上がっていましたよね。(北島)三郎さんの「まつり」もよかったなあと思いますし、視聴率もよかったようですね。
▲3日、美浦トレーニングセンターで騎乗する戸崎騎手
-:今週は中山と京都で騎乗されるそうですが、中山金杯(G3)はブラックバゴ(牡7、美浦・斎藤誠厩舎)とのコンビです。2歳時にも騎乗されていた馬ですが、昨年のこのレースでは4着でしたね。
圭太:基本的には後ろからの競馬で追い込む形になるのかな、と思いますね。そういう意味では、少しでもペースが上がってほしいです。
-:2歳や3歳時は非常に乗り難しい印象がありましたね。
圭太:ありましたねえ。ただ、当時よりもいくらか穏やかになっていそうですよね。コースも何度か走って結果を残しているように相性はいいでしょうから、いいレースを期待したいです。
-:この勝負服で、年始というと、昨年(3日間開催連続重賞制覇)を思い出します(笑)。
圭太:ハハハ、シルクさんも昨年はスゴい活躍をされていましたからね。勢いにあやかりたいところです。
▲昨年の中山金杯はセダブリランテスで勝利
-:今週は土日19鞍の騎乗ですが、テン乗りの馬が多いですね。残念ながらシンザン記念は紆余曲折あり、騎乗馬もなくなってしまいましたが…。話題にできるところといえば、土曜中山のマルカウォーレン(牡7、栗東・今野厩舎)(招福ステークス)、日曜京都7R(4歳上1000万下)のダブルフラット(牡4、栗東・中竹厩舎)でしょうか。
圭太:マルカウォーレンは前走が1年半以上ぶりのレースだったようですからね。その中でも5着と目処の立つ結果だったと思います。叩いてよくなりそうな手応えもありましたし、能力も感じました。ダブルフラットは新潟でレコード勝ちした時が圧巻でしたよね。僕が乗せていただいた頃は立派な馬というイメージで、逆にいえば緩さもありましたから。先々が楽しみなタイプでしょうね。
-:昨年末のレースでは、ホープフルS(G1)のコスモカレンドゥラ(牡3、美浦・田中博厩舎)は4着。上位勢は着差以上の強さを感じましたが、この馬もよく粘りましたね。
圭太:確かに上位陣は強かったですね。序盤は誰もいく様子がなかったのでハナへいきました。欲を言えば、もう少しリラックスして走ってほしいところはありますが、最後まで粘ってくれていますね。
-:2走前に乗られたときは東京のアイビーSでした。短期間ですが、当時との変化はありましたか?
圭太:身のこなしは当時より良くなっていましたね。中山か東京のどちらが良いかといえば、強いて言えば中山のほうがよさそうですね。
-:東京大賞典のクリソライト(牡9、栗東・音無厩舎)ですが、序盤からかなり速い流れでしたね。いかがでしたか?
圭太:この馬の良さを活かす上では、前々での競馬はイメージしていました。ただ、序盤もついていくのがやっとでしたね…。最後も後方にいたからとはいえ、脚が溜まっていたわけではなかったのでいいところがなく終わってしまいました。
-:また昨年の回顧などは場を改めてお願いできればと思いますが、年末年始のスポーツなどはチェックされましたか?
圭太:う~ん、観たかな…。箱根駅伝ですか。青学大が負けたことは驚きましたね。
-:絶対的本命が勝つとは限らないのは競馬界にもいえることですよね。昨年後半は外国人騎手の独壇場でしたが、その牙城を崩す結果を期待しています。
圭太:がんばります。
-:今年はJRA通算1000勝も目前に迫ってきていますし、読者の皆様も応援宜しくお願いします!
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※連覇の懸かるフェアリーSでグレイスアンに騎乗の話題など次回は1月11日(金)に公開予定です!
また、戸崎騎手への質問やこんな企画をやってほしいという意見があれば、keita_tosaki@keibalab.jpまで[お名前またはペンネーム]をお書き添えの上、メールでご連絡ください。いつでも募集しております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。