'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月25日時点1561勝
先週は2019年初勝利&AJCCはシャケトラに初騎乗!
2019/1/18(金)
次は新年の重賞初勝利を期待したいところだ。開幕週こそ2着が多く、残念ながら未勝利に終わってしまった戸崎騎手。しかし、開催2週目は初勝利だけでなく、2勝目、3勝目と勝利を積み重ねてきた。今週はアメリカジョッキークラブカップ、次週以降も重賞で有力馬に騎乗予定だが、重賞タイトルも期待したいところだ。また、2018年を振り返るインタビューも近日公開予定。こちらもお楽しみに。
※1月19日・20日のレースは病気のため全て乗り替わりとなりました
-:今週で1回中山開催もラスト。AJCC(G2)にはシャケトラ(牡6、栗東・角居厩舎)とのコンビで挑まれます。調教を含めても、テン乗りということですが、見立てとしてはどうでしょうか。
圭太:中山コースで実際に重賞を勝たれていますし、同じレースで乗っていても能力が高い馬だとは思ってみていました。コースの適性は高そうなので、長期休養明けがポイントになりそうですね。
▲初コンビとなるシャケトラ 最終追い切りには厩舎スタッフが騎乗
-:土曜のメインレースとなる初富士ステークスにはアッフィラート(牝6、栗東・藤原英厩舎)に騎乗されます。昨夏の新潟では3着でしたね。
圭太:前走と同じコースの出走ですが、当時より、距離が短くなるという分でいいんじゃないかと。その方が決め手は活きるのかと思っています。
-:日曜には4R(3歳新馬)のユイノオールマイト(牡3、美浦・尾関厩舎)は追い切りにも騎乗されていましたね。
圭太:ええ、初戦から動けそうな馬ですね。現時点では気性も気になるようなところはないですし、追い切りも楽な手応えで駆け上がってきましたよ。
-:7R(4歳上1000万下)のオーケストラ(牡4、美浦・斎藤誠厩舎)は何度か乗られた馬ですね。
圭太:順当に力を出してくれれば、このクラスでは上位の存在だと思いますよ。
-:先週は3日間開催ということで、色々と回顧もお願いします。(3歳未勝利牝馬限定3着の)クリスタルアワード(牝3、美浦・伊藤圭厩舎)はいかがだったでしょうか。
圭太:前走がある程度勝ちに行って、ペースも流れたことも踏まえ、今回はあまり行き過ぎても、と思って、ジックリ行きましたけどね。レースの内容としては、前走よりは終いも伸びていましたし、良かったかなと思いますけどね。
-:最後は相当上がりが掛かって、バテ比べみたいな感じだったので、あれで3着に残りましたし、頑張っているのかと思いましたが、忙しくなり過ぎない意味では、やっぱり東京の方が良いのでしょうか。そういう訳ではないですか。
圭太:う~ん、どうなんですかねぇ。
-:初春Sで2着のスビールアスール(牝5、美浦・武藤厩舎)はいかがでしたか。
圭太:ハナに行ってもいい考えでしたけど、僕も一度乗せていただいているスマートレイチェルに外から勢いづけて来られたので、あれ以上行っても、と思ったので控えました。外に出せる形ならもっと良かったかなという気はしますけど、ずっと前目で競馬をしている中、ああいう形でも競馬が出来たことは良かったかなと思いますね。
-:勝った馬(モアニケアラ)も嵌まるとやっぱり良い脚は持っている馬ですもんね。
圭太:そうですね。いつも力が違う感じで、勝つ時は強いですけどね。
-:フェアリーS(G3)のグレイスアン(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)は3着。改めていかがでしたか。
圭太:有力馬がことごとく除外になって、メンバー的には楽になったのかなと思っていました。ただ、この馬なりの競馬はしようと思っていましたけど、イメージ通りに行けたかなと思いますね。最後も凌いでくれるかなと思ったんですけど…負けてしまいましたね。
-:「前回から前向きさが出ている」という話をされていましたけど、肉体的な面で前回からの変化はあったのですか。
圭太:シッカリしたイメージはありましたね。
-:3歳未勝利のジュンアサヒダケ(牡3、美浦・高柳瑞厩舎)は初勝利となりました。
圭太:力がある馬だなと感じました。速い脚というよりはパワー型のイメージの返し馬で、オルフェーヴル産駒でもありました。先生(調教師)も「揉まれるとどうかな」ということを言っていたので、外枠も良かったと思いますし、一度交わされたのにもう一度差し返しているように、しぶとさなんかも出していましたが、やはり気難しさはあるかなという感じですね。
-:やっぱり産駒全体にそういうところはありますか。
圭太:まあ、そうですね。そう感じる部分はありますね。
-:3歳未勝利のフィンガーポップ(牝3、美浦・田島俊厩舎)は2着。人気以上に走ってきました。
圭太:追い切りに2週続けて乗せていただいて、良い感触でした。未勝利では上と思っていましたし、前に残られましたけど、この馬としても良い形でレースが出来ていますかね。まだ精神的に幼い部分があるので、その辺が解消してくれれば、というところでしょうか。
-:3歳未勝利ではカンパーニャ(牡3、美浦・畠山吉厩舎)は2着。枠の差もありましたかね。
圭太:前半で付いていけなかったですね。常に後ろからの馬ですけど、思ったよりも付いていけなくて。長い脚はありそうだったので、外目から上がっていきましたけど、上がっていくのにモタついている中で、内から出されて外を回るような形になってしまったのは勿体ない競馬だったなと思いますけどね。
-:3着のジオラマ(牡6、栗東・西園厩舎)(4歳上1000万下)は手応えが良かったので、前回よりも一押しがあるのかなと思ったのですが…。
圭太:そうですね。何かイメージ以上に行ってしまって、形も良かったので、勝ったなという感じだったんですけど、(直線の)伸びからしたら、気性的にも何か気難しいところもあるのかなと。
-:ニューイヤーSのワンスインナムーン(牝6、美浦・斎藤誠厩舎)は11着でした。
圭太:気持ち良く走らせようというイメージで、ハイペースでしたけど、邪魔することなくという感じで行きました。最後は何か競馬を覚えているのかなという感じで、直線に向くともう止めているというか、もう力を抜いているところはありましたね。
-:3歳未勝利ではユキノヴェルデ(牡3、美浦・和田郎厩舎)でも勝たれましたね。
圭太:馬っ振りも良く、フットワークも力強くて、レースセンスもあるイメージ。気性的に難しいところもありそうですが、押し切ってくれましたね。
-:3歳未勝利のシングフォーユー(牝3、美浦・牧厩舎)はまたしても2着。負けて強しの競馬をしていると思いますが。
圭太:そうですね。イメージ通りでしたし、特に問題なく走れたのでね。
-:1枠という時点でハナというか、ある程度主張するというのはあったのですか。
圭太:スタートが速いので、遅れれば…(控える)というのはありましたけどね。あまり速くなるようだったら、行かせてもいいのでしょうが、あれくらいなら、という感じですよね。
-:この馬はやっぱり中山の方が競馬はしやすいのですか。
圭太:そうですね。そんなイメージはありますけどね。今回も強い競馬はしてくれていますからね。
-:初凪賞のベディヴィア(牡5、栗東・野中厩舎)はいかがでしたか。先週は当欄でも取り上げなかったのですが、1着でした。
圭太:正直、500万を勝った時もアラアラな感じで、どういう組み立てをしようかと思っていたほど。まずは馬を慌てさせずに、馬のリズムでコンタクトを執りながら、という感じで乗ろうと思っていました。ずっとペースも遅かったですし、良い感じで馬もやる気になってくれて、嵌まった感じもありましたけど、なかなか強い競馬でしたね。
-:個人的に、このレースはペースが速くなるのかなと思っていたんですけど、あんなに遅くて、結局差し馬が来ているというのは意外でしたね。
圭太:そうですね。戦前はなかなか強気にいけないところはありましたが、以前よりもフットワーク的には、体を使えて走れているなとは返し馬で感じましたね。
-:あとは、ジックリ待ったというのは結果的に良かったのですかね。
圭太:そうですね。展開に左右される部分はあると思いますけどね。
-:ジャニュアリーSのワンダーリーデル(牡6、栗東・沖厩舎)は3着でしたね。
圭太:映像を観た印象でも、良い馬だなと思っていましたし、チャンスがあるなと思っていました。返し馬でも良い感触があり、1200が忙しいのかなというイメージもありましたけど、上手に走ってくれて良い感じでしたね。
-:京成杯(G3)はリーガルメイン(牡3、栗東・橋口慎厩舎)と初コンビでしたが、5着。後方からの競馬を思えば、今後に向けてメドの立つ内容だったでしょうか。
圭太:中山も合いそうな感じのイメージで、あまり慌てさせることなく、ジックリ長く使える脚を引き出せればと思っていました。少し(スタートで)遅れたのは誤算でしたけど、組み立てとしては、ああいう感じで行こうかなと思っていたので。まだ緩さがすごくあって、普通の緩さよりも更に緩い感じ。それでこういう競馬を見せてくれたので、先々が楽しみな馬かなと思いますけどね。
-:まだ始まったばかりですが、開催2週終えて、現時点の見立てはいかがですか。
圭太:2着が多くて、1週目も勝てず、だったので、どんなものかなと思いましたけど、(2週目で)勝てたことは良かったですし、2着を更に勝てるように乗れればもっと良いなと思います。ただ、例年よりも自分的にもシックリというか、シッカリ乗れている感じはありますので、もっと成長出来ていければなと思いますね。
-:去年も伺って「自分の中でシッカリ乗れているという感触がある」とおっしゃっていましたけど、やっぱり1勝目を挙げるということは嬉しいものですか。
圭太:それはそうですね。やっぱり勝たないことには。勝つことが仕事だと思っていますのでね。
-:前回2着だった馬もまた乗ることがあれば、次こそはということですね。
圭太:そうですね。シッカリ結果を出したいですね。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は1月25日(金)に更新いたします!次週土曜は愛知杯、日曜は根岸ステークスなどに騎乗予定です!
戸崎騎手への質問やこんな企画をやってほしいという意見があれば、keita_tosaki@keibalab.jpまで[お名前またはペンネーム]をお書き添えの上、メールでご連絡ください。いつでも募集しております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。