'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月25日時点1561勝
昨年4着サンライズノヴァとリベンジへ&先週は共同通信杯V
2019/2/15(金)
先週の共同通信杯をダノンキングリーとのコンビで勝利。2019年重賞初勝利をマークした戸崎騎手。クラシック、3歳G1路線では強力なパートナーを得たともいえるが、今週は2年前からコンビを組み続けているサンライズノヴァとのタッグでフェブラリーSへ挑む。戦歴が示す通り、東京コースは絶好の舞台。反面、こここそがチャンスの馬ではあるが、勝利の女神は人馬にほほえんでくれるのだろうか。奇しくも騎手、厩舎は直近の東京開催で重賞を制したばかり。不可解な敗戦に終わった前走から巻き返しを期待したい。
-:先週の共同通信杯(G3)はおめでとうございました!ご自身にとっても2019年の重賞初制覇、ダノンキングリー(牡3、美浦・萩原厩舎)にとっても出世レースを勝利と明るい材料だったと思います。
圭太:ありがとうございます!今年初ということで嬉しく思いますし、前走で強い勝ち方をしていたのでワクワクした思いでレースには挑みました。力があることは感じていましたが、アドマイヤマーズという2歳王者がいる中でのパフォーマンス。能力を示すことができたのがよかったと思います。
-:レースプランや戦前の見立てと実際に乗っての印象はどうでしたか?
圭太:追い切りにも乗って、状態のよさは感じていました。レースの組み立てという点では、出来る限りハナには行きたくないと思っていました。少頭数ということもあり、押し出される格好になる可能性もありましたし、ペースは遅くなるだろうと思っていたのですが、他を行かせて見る形はとりたかったですね。
-:これからG1前にまた色々伺うことになりそうなので、あまりドップリ聞き過ぎない程度に、今後の見立て、可能性を教えていただければと思います(笑)。
圭太:距離に関しては、皐月賞の2000mはカバーできるメドは立ちましたよね。繰り返しになりますが、前回で手応えはあったものの、今回は2歳王者もいて、物差しになるレースだったと思うんです。強い勝ち方で負かしたことで楽しみが膨らみましたね。
-:レース直後のテレビ向けのインタビューを観ていても、いい感触は得ているように思えました。レース前後での感触の違いはありますか?
圭太:いやあ、流石に楽しみですよね(笑)。レースごとに良くなってくれています。
-:ゴールしてからもガッツポーズといいますか、拳を握るシーンからも、いいイメージがあったのではないかと思いました。続いて、今週はサンライズノヴァ(牡5、栗東・音無厩舎)でフェブラリーS(G1)。今年初のG1ですね。
圭太:前走の敗因が乾きすぎた馬場だったのか、今週は雨が降ってくれるといいな…とは思います。敗因がつかめない分、分からない点もあるとは思いますが、昨年も4着と上位には来ているレースですからね。
-:馬場も差し込みづらい状態だったでしょうし、追い切りを見ても、今回の方がテンから時計を出すような流れになっていますよね。体重も久々の540kg台でした。その辺りで変わり身があるといいのですが…。
圭太:いずれにしても、前走はレース前も特に変わった様子は感じられなかったですし、アレっという結果でした。どうしても、器用な走りができるタイプではないのですが、立場的にもメリハリのついた競馬をしたいですね。
-:改めて確認しておくと、この馬の好走条件としては、外枠・差しがきく流れ・ワンターンのコース、こんな辺りでしょうか。
圭太:そうですね。あと、前回よりは中間に一度、凍結防止剤も入っているので、多少馬場傾向も変わってきているでしょうからね。
-:多少、条件が揃ってほしいタイプでしょうが、今年初のJRA G1となります。今年は「G1も勝ちたい」と以前よりも口にされていた印象です。
圭太:そうですね。この馬の力を信じて、思い切って臨みたいです!
-:ありがとうございます。土曜のダイヤモンドS(G3)ではララエクラテール(牡7、栗東・今野厩舎)に騎乗されますね。
圭太:2走前は格上挑戦ながら、マズマズの競馬はみせてくれました。北海道で強い勝ち方をしているように、東京コースはどうか…という点はありますね。しかも、今は時計も速いですから。
-:昨年も何度か経験された51kgのハンデといいますか、斤量です。そこを活かせれば。もう減量は取り組まれているのですか?
圭太:いや、まだです。そこは上位勢と大きな差があるので、強みでしょうね。
-:続いて土曜の金蹄ステークスではメイプルブラザー(牡5、栗東・山内厩舎)に騎乗されます。
圭太:このコースを何度か経験していますし、合う条件だと思います。力を引き出したいですね。
-:日曜の7R(4歳上500万下)のタンタフエルサ(牡4、美浦・国枝厩舎)、8R(4歳上1000万下)のモクレレ(牡5、美浦・国枝厩舎)と国枝栄厩舎の管理馬に続けて騎乗されますが、いずれもレースでも乗られています。モクレレには追い切りでも騎乗されていましたね。
圭太:タンタフエルサは能力だけなら上位の存在だと思うんですよね。集中力に課題があるので、しっかり最後まで走りきってくれるか。身体的には距離は問題ないですが、2400で集中力が続くかどうか。モクレレは追い切りでは少し重さを感じたのも事実ですが、エンジンがかかってからはいい動きでしたね。こちらも精神面の課題を抱えていますが、前走はそこが解消されつつある感触を受けました。
-:ヴァイトブリック(牡3、美浦・和田郎厩舎)は3歳オープン特別で出世レースのヒヤシンスSに挑まれます。
圭太:前回は強い競馬でしたよね。レースも上手いですし、初戦では嫌がっていたように見えたのですが、砂をかぶっても問題ありませんでした。ここに入っても好勝負してくれるのではないでしょうか。
-:精神的にはまだ幼い面もあるのですか?
圭太:そこはまだありますね。コース替わりも対応してくれそうですし、楽しみですよ。
-:大島特別のフィスキオ(牡5、美浦・栗田徹厩舎)は先週から連闘ですね。
圭太:正直、相手は強いかと思いましたが、身のこなしなどが以前よりもよくなっていて、成長を感じました。惜しむらくは仕掛け、抜け出しが速かったですね…。ただ、先週のレースの流れからも距離が短くなっても対応できそうですよ。
-:先週のレース回顧もお願いすると、クイーンカップ(G3)のカレンブーケドール(牝3、美浦・国枝厩舎)は4着。いかがだったでしょうか。
圭太:直線の反応をみても、もう少し時間が経ってからよくなってきそうな印象は受けました。レース運びは上手くいっただけに、少なくとも3着馬はかわしたかったところですが、距離ももう少しあってよさそうですね。
-:グランソヴァール(牡3、美浦・尾関厩舎)は距離の不安もあった中で、外枠、ハイペース。それでも、よく粘ってはいたと思います。
圭太:そうですね。やはり1400の方が持ち味は活きるんじゃないかと思います。
-:フィニフティ(牝4、栗東・藤原英厩舎)は勝ったかと思いましたが、相手は直線で切り替えしてから差してきたほど。勝ち馬が一枚上だったと思いました。
圭太:追い切りの段階で成長を感じていましたし、実際にレースで乗ってもよさを感じました。道中も上手く運べたと思いますが、相手が上でしたね。
-:1番人気のカンパーニャ(牡3、美浦・畠山吉厩舎)など、直線でスペースがないレースもいくらかありましたね。
圭太:そうですね。チャンスのある馬だっただけに残念です…。
-:クリスタルアワード(牝3、美浦・伊藤圭厩舎)はモマれたのもこたえましたか?
圭太:いや、1200を使い続けたことで、現状では東京の1300も厳しいイメージでしたね…。1300という距離以上に短距離仕様になっているところがあります。
-:ラブミーチャンの妹ハニーディスタフ(牝3、美浦・伊藤圭厩舎)はどうでしたか?
圭太:流石にお姉さんと比べるのは大変ですが、いいものはもっていますね。まだ遊び遊びで走っているようなところもあるので上積みもありそうですよ。
-:アモーレミオ(牝4、美浦・勢司厩舎)は2連勝となりましたね。
圭太:東京の1800は合いますね。道中は少し行きっぷりのいいところがあるのですが、上手く運べれば、直線はいい脚を使ってくれます。厩舎サイドも上手く落ち着かせてくれましたし、こんな馬場でも問題なくこなしてくれますね。
-:テイクザヘルム(牝3、栗東・安田翔厩舎)はテン乗りでしたが、新馬勝ちでしたね。
圭太:土曜の競馬が順延になったじゃないですか?土曜の調教で一度乗せてもらっていたんですよね。レースは乗りやすそうな印象でしたが、ダートコースの調教よりも芝にいってよくなりそうなイメージ。速い上がりよりは流れた方がいいように思えますが、まだ頻繁に手前を替えたりと、よくなる余地は大いにありそうです。
-:今日は浦和での交流競走に騎乗あとのお疲れのところありがとうございました。大先輩の石崎隆之さんの引退の報道があったり、次週は中山記念でエポカドーロ(牡4、栗東・藤原英厩舎)に騎乗など色々伺いたいことはありますが、また改めてよろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は2月22日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。