'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月11日時点1556勝
さあクラシック!素質認めるレッドアステルと第一冠へ!
2019/4/5(金)
素質馬先物買いとなるか。いよいよ開幕するクラシック初戦・桜花賞ではレッドアステルとのコンビで挑む戸崎騎手。前走時の追い切り時点から、本格化はまだ先、としつつも素質の高さを常々口にしてきたのも事実だ。未だキャリアは3戦目、レースを経験したことによる伸びしろも大きいだろう。早くから実績を積んできた相手に、どんなパフォーマンスをみせてくれるのか、注目だ。
-:今週から桜花賞、皐月賞とクラシックが始まります。桜花賞(G1)はレッドアステルと挑まれます。前走はアネモネSで2着となっての出走権獲得となりましたが、振り返っていただけますか。
圭太:テンションには気をつけていましたが、問題なかったですね。スタートも決めてくれたので、じっくりと運んでいきましたが、まだキャリアが浅いので集中力を欠く面はあったと思います。それでも、フットワークはいいですし、バネのある走りですね。前走のような馬場よりもきれいな方が持ち味は出ると思いますよ。
桜花賞はアネモネS2着のレッドアステルとコンビ
最終追い切りは栗東坂路で4F53.2秒をマーク
-:この中間は栗東に滞在しているようですが、かなり小柄な馬ですね。馬体重以上の素質を感じていると。
圭太:正直、本当によくなるのはもっと先だと思います。でも、ポテンシャルは感じますからね。
-:桜花賞の前に3歳牝馬のオープン特別である忘れな草でもテイクザヘルムに騎乗されます。
圭太:東京の新馬戦で乗せていただき、勝たせてもらいましたが、乗りやすい印象でしたね。タイプ的にペースが上がった方がいいとは思いますが、前走でも少し忙しい感じがしたので、距離が延びる点はプラスになると思います。
-:土曜のニュージーランドT(G2)ではヴィッテルスバッハとのコンビ。追い切りに乗られたようですね。
圭太:順調にきているなと思いました。追い切りもしっかり動けていましたね。ただ、レースではモタモタするような面もみられるそうなので、そこは意識して乗りたいですね。
ヴィッテルスバッハは追い切りにも騎乗
-:湾岸ステークスのレッドイグニスは久しぶりのレースになりますが、昨夏の福島で勝利されました。
圭太:1週前追い切りに乗せていただいたところ、まだ太め感はありましたね。そこでしっかりやったことで、スッキリしてくるでしょうし、現状のデキでどこまでやってくれるか、ですね。
-:ここからはレース回顧を伺いたいと思います。大阪杯(G1)はエポカドーロと挑まれて、結果は10着。不可解に思う部分もあったのですが、レース後にも鼻出血という発表でした。
圭太:返し馬では前走よりも馬がよくなっているな、と思ったほど。雰囲気は上向いていましたし、先生との打ち合わせた中、逃げという選択に。道中では「これはいいところがあるぞ」と思ったほどだったんです。それが勝負どころから手応えがなくなってしまい、当初は距離かなと思ったのですが…。
-:もとは皐月賞でも渋った馬場の中、走れているくらいですもんね。先週は「馬場が滑る」「馬場が緩い」なんてジョッキーのコメントがみられましたが、いかがでしたか?
圭太:確かに4角は滑るような感触の馬場でしたね。でも、エポカドーロにとってはいい条件だと思いましたからね。鼻出血ということで非常に残念ですが、まずはじっくり休んでほしいです。
-:シルヴァンシャーはじわじわと伸びて勝たれましたね。逆にいえば、サッと動いてくるイメージではありませんでした。
圭太:全体的に緩さを残す現状ですが、映像なども観ていて、勝てる可能性がある馬だと思っていましたし、馬を信じていました。まあ、3連勝しているのは伊達ではないですよね。今後が楽しみだと思います。
-:フォリオールは勝ったかと思ったものの、結果、前をいく馬には厳しいペースでしたね。
圭太:そうですね。ただ、モマれ弱さがありそうな雰囲気もあったのでああいう競馬になったから、あれだけ走れたとも思います。勝てるチャンスのある馬だと思います。
-:ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)のヤングマンパワーはどうでしたか?
圭太:前半は速い流れにもついていけたんですけどね。そこからの踏ん張りがきかない感じでしたね…。
-:エクリリストワールは3着。もうひと押しあってもいいのかと思いましたが、時計も速かったですね。
圭太:今回は折り合いもスムーズ。でも、最後は伸びきれない印象でした。
-:土曜の中山ダートをみると、前残りも多かったですね。
圭太:ええ。正直、前にいないといけない傾向が強く、レースは面白みに欠けるといいますか、組み立てようがないところはありましたね。
-:そして、水曜は急遽乗り替わりとなったクラウンカップ(S3)をホールドユアハンドで勝利されました。
圭太:馬の気分を害さないよう乗ろうと思っていました。スタートも他より速かったですね。周りの動き次第で出方を考えましたが、他がいかないのでハナへ。最後もしぶとかったですし、馬が強かったですよ。
クラウンカップは見事な代打V!
-:以前、南関東の結果もチェックされているとは語っていた記憶がありましたが、相手関係も頭に入っていたのですか?
圭太:いやぁ、そこまでは(笑)。S1クラスのレースなら分かるでしょうけど、そこまでは分かってませんよ。
-:そうでしたか。そこらへんも踏まえての騎乗かなと思っていました(笑)。そして、次週は皐月賞(G1)。ダノンキングリーの追い切りにはすでに乗られたようですね。
圭太:はい、今までとは違いますね。
-:といいますと。
圭太:今までは乗るごとによくなっていたイメージ。ただ、今回は流石にそこまでの変化、上積みがなかったです。でも、レース2週前に乗ったのは初めて。そこは比較すべきところではないかもしれません。おそらく来週、乗せてもらうので、そこでどれだけ上がっているか、また違った感触がえられるんじゃないかと思うんですよね。
-:昨年は小倉で初騎乗のエポカドーロとスプリングSから皐月賞へ挑まれました。今年はデビュー戦から乗ってきたダノンキングリーということで、また違ったスタンスでクラシックに挑まれることに違った思いもあるのかな、と言葉の端々から窺えますが、今から来週も楽しみです。最後に、当面は天皇賞と福島牝馬S(G3)での遠征予定ということでよろしいですか?
圭太:そうですね。福島牝馬S(G3)はランドネに乗せていただきます。
-:次週もよろしくお願いします!
圭太:ありがとうございました。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は4月12日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。