'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月11日時点1556勝
ウィクトーリアでフローラSを勝利&ピースワンパラディと青葉賞へ!
2019/4/26(金)
重賞2連勝で3日間開催に弾みをつけるか。春の東京開幕を彩るフローラSではウィクトーリアに騎乗して、重賞初勝利に導いた戸崎騎手。レース後、関係者の談話を総合しても、「ハナにいく」という意見で一致していたという。検量室前にパートナーと引き上げてきた際、苦笑いといった表情だったが、差して新境地を開拓できた上、今後へ向けて視界の広がる内容だったといえるだろう。今週は3場を転戦しての3日間開催。青葉賞にはピースワンパラディと挑むことになった。チャンスも巡ってきただけに、モノにできるか。注目だ。
-:先週はフローラS(G2)をウィクトーリアで勝利。おめでとうございました。ハナにいく形をとりたかったものの、結果的に差す競馬で対応できましたね。
圭太:レース前は「ハナを主張しよう」ということだったのですが、スタートで行き脚がつかず、切り替えて後ろから乗りました。道中は一生懸命になりすぎるところはあったのですが、手応えは充分。スペースを探して、抜け出せればと思いましたが、よく割ってこられましたね。
-:時計面をみても優秀なレースだと思いましたが、レース前と後で印象は変わりましたか?
圭太:いや、追い切りでもいい手応えは感じていたので、大きな変化はなかったですね。
-:気の早い話ですが、今後も控える形での競馬はどうでしょうか?距離適性は2F延びた場合が気になるところですが、レース後、小島茂之先生も「ジョッキーは『もたせるしかないでしょう』と言ってくれた」とコメントを残されていました。
圭太:あれで勝てていますので、問題ないのではないでしょうか。ただ、距離については正直、2000mくらいが丁度いいでしょうね。オークスよりも、どちらかといえば秋華賞の方が合いそうな印象はあります。
-:現状、逃げる形でも、差す形でも勝てたことで、競馬の幅は広がりましたね。
圭太:両方で結果を残せていますし、おおまかな脚質だけでなく、脚の使い方も幅の広い馬ですね。自在性も広がって、今後がますます楽しみになったのではないでしょうか。
-:東京芝に関しては、時計も出ていましたが、差しもきいていましたね。
圭太:そうですね。開幕週としては後ろからの競馬でも届くイメージ。そんなに硬さも感じなかったですね。
-:今週は3日間開催。東京、京都、新潟で騎乗されます。青葉賞(G2)はピースワンパラディに騎乗されますが、これは追い切りに乗られましたね。
圭太:2連勝中ということでしたが、その結果を残せる、馬の雰囲気は感じました。勝ちっぷりもよかったですからね。併せ馬では誘導している馬に追いついて、感触を確かめる内容。状態もよさそうでしたし、切れ味がありそうな雰囲気でした。
-:マイルを使われてきた馬ですが、一気の距離延長になりますね。
圭太:いやあ、乗った感じは特に短いところの馬という印象はなかったです。精神的にも難しさは感じませんでした。
-:先週は差しがきいていたとはいえ、1コーナーをすぐ迎えるコース。この枠はどうでしょうか?
圭太:うん、いいですね。
-:土曜は他のレースでは、4R(3歳未勝利)のイサクは3度目の騎乗となります。
圭太:どうしてもひと押しに欠ける分がありますね。そこは東京コースで補えたら。どちらかといえば、中山よりも東京の方がいい印象はあります。
-:ただし、大外枠がどうか、というところですね。6R(3歳上500万下)のレトロフィットは昇級になります。
圭太:前走は強い内容でした。クラスが上がっても、という手応えはありましたが、昇級初戦なので、どれだけやれるか、ですね。
-:最終レース(4歳上1000万下)のエングローサーは久々に騎乗します。
圭太:当時は芝のレースで乗せていただいていましたが、ダートでもこなせそうな雰囲気はありました。ここのところも終いは堅実ですし、いいイメージで臨みたいです。
-:先週のレース回顧もお願いします。フィスキオは3着。一瞬はやったかなと思いました。
圭太:条件的にいいところでしたし、勝ちたかったですね。スムーズに走れたと思いますし、叩いてよくなりそうな雰囲気も感じたのでね。
-:テン乗りのグロワールシチーは3着でしたね。
圭太:昇級初戦ではありましたが、センスのよさを感じましたし、上手く対応してくれました。これくらいの距離が合いそうな印象ですね。
-:ヘブンリーデイズは2着。レース運びはスムーズに映りましたが、勝ち馬は去年の青葉賞でも4着だった馬です。
圭太:そうですね。今回は相手が強かったと感じましたね。感触よくいけたのですが。
-:グラスミルキーは3着でしたが、こちらは想像以上に対応したかと。
圭太:芝の部分で勢いがつかないような走りとは聞いていましたが、いいスタートでいいところでレースができましたね。勝ち馬は強かったですが、最後に手前を替えられなかったところは痛かったですね。
-:カンパーニャは差しがきく馬場を考えると、見せ場がなかったことが意外でした。
圭太:テンションが高かったですし、まだゆるさも残っていましたね。あの感じならいつもなら終いは伸びてきますからね。結果、休み明けがよくなかったようです。
-:サクラトスカーナは1番人気に支持されるも、終いがもう一つ。初出走馬とはいえ、もっとやれるかと思いました。
圭太:能力は感じていましたし、道中の雰囲気はいい感触。これなら勝ち負けだな、と思ったほどです。しかし、追ってからがもう一つで、まだギアチェンジができていなかったですね。
-:福島牝馬ステークス(G3)のランドネはどうだったでしょうか?
圭太:前回は僕が進路をみつけることができなかったのですが、今回は騎乗停止の制裁があったほどですからね。不利がこたえました。ただ、ペースもあまり流れず、ランドネにとっては決していいペースではなかったことも事実です。
-:ハイヤーアプシスは3着でした。いかがでしたか。
圭太:レースの時はアレっという感じでしたが、後から聞けば、フケがきていたようなんですよね。もっとやれていいと思いました。
-:トーセンオリンピアは1番人気で3着でした。
圭太:もう少しだったんですけどね。ゆるさもあって、少しフラフラしているところがありました。能力はあるのでしょうが。
-:先週土曜の福島はベルポートでも勝利されましたね。
圭太:いいスピードがあって、ラクな手応えで、最後もしっかり反応してくれました。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は4月27日(土)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。