
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

4月21日時点1609勝
5週連続東京G1開戦!NHKマイルCはヴィッテルスバッハのコース替わりでもうひと伸び魅せる
2019/5/3(金)
-:その他のところでは、土曜日7R(3歳500万下)のロークアルルージュはどうでしょうか。

戸崎圭太騎手:能力は感じます。少しずつ競馬を覚えてほしいところもありますが、楽しみですね。
-:ただ、どちらかといえば、使った方がいいタイプかなとも思います。
圭太:そうですね。叩いてからの方がいいかもしれませんね。
-:5R(4歳上500万下)のタンタフエルサはどうでしょうか。
圭太:未勝利で勝たせてもらった時は強い勝ち方をして、それから気性に難しいところを出してしまったようなのですが、前走など少しずつ前向きさも出てきたようですね。いいレースもしてきていますし、力が足りて不思議ではないですね。
-:立夏ステークスのイダペガサスは久しぶりの騎乗になりますね。
圭太:昇級の前走でもしっかり走れていますので、楽しみですね。このコースにも実績はありますから。
-:最終レース(4歳上1000万下)のアームズレングスは前回が惜しい競馬でしたね。
圭太:スムーズな競馬を心がけたいですね。このクラスでもやれることは証明できているので。

天皇賞に挑むグローリーヴェイズの併せ馬を務めていたグランソヴァール(右)
-:日曜で気になっていたのは5R(3歳500万下)のグランソヴァールです。今回は芝になります。
圭太:能力を感じている馬ですし、フットワークもよくて、芝でもやれるんじゃないかと思います。
-:グローリーヴェイズとも併せていましたよね。距離も結果的にはよさそうですね。
圭太:そうですね。この距離の方がいいかもしれませんね。
-:4R(3歳未勝利)のレッドクーゲルはどうでしょうか。中山では惜しい競馬が続きました。
圭太:惜しい競馬が続いていますが、東京に替わるのも悪くないと思いますね。
-:湘南ステークスのミュージアムヒルはこれまで2度、乗られていますね。
圭太:レースセンスのいい馬で、乗りやすいですね。しっかり勝てるように組み立てて乗りたいですね。
-:立川特別のフィスキオは2週前も惜しい競馬でした。
圭太:このコースはもう実績もありますし、あとは1着がほしいところです。
-:前回は馬場もかなり乾いていましたよね。
圭太:少し水分を含んでくれた方がいいタイプだと思います。それに一度使ったこともプラスになると思うので。
-:そう考えると、我々的に意識していることがあるのですが、先週同様、3つ、4つの勝利は…(笑)。
圭太:まあ、勝ちたいところですね(笑)。
-:ここからはレース回顧に戻らせてもらいます。青葉賞(G2)のピースワンパラディは3着でしたね。
圭太:返し馬で初めて芝でのフットワークを確かめましたが、いいフットワーク。楽しみが増しましたね。道中は距離に戸惑っている走りではありましたが、1コーナーに入る前に厳しい、タイトな形になりました。その後はリズムよく走ってくれたのでね。そこはよかったと思いますね。
-:マイルの時はすごい脚を使っていましたが、流石に同じような脚を繰り出すまでにはいたらなかったですし、先着馬もバテてもおかしくないようなペースで逃げきられてしまいましたね。

圭太:そうでしたね。なかなかキレるというよりはジリジリといった伸びでしたが、よく頑張っていたと思います。
-:人によっては馬場が柔らかい、ゆるいといったような声もあったようですが、土曜東京の馬場状態はどうだったでしょうか?
圭太:そんなにゆるいという程ではなかったと思いますけどねえ。もっと良馬場でもゆるい時がありますからね。
-:新潟大賞典(G3)のランガディアは16着と大きく沈んでしまいました。
圭太:具合はすごくよかったのでしょうが、逆にそれが噛み合わなかったといいますか、前半で馬を追いかけ過ぎてしまうような雰囲気で、ロスがありましたね。あの感じならマイルくらいでもよさそうでしたね。ここ最近はズブさが出ていたようなのですが、今回はまたそれと違った感じでしたね。
-:先週の土曜から、また戻らせていただくと、土曜東京のイサクで勝利されましたね。
圭太:強かったですね。東京の方がいい感じでしたね。外枠も結果的には、展開からみると、よかったです。

-:タイセイシャトルは逃げて4着でしたが、サンライズメジャーの全弟ということで注目していました。
圭太:映像を観ると、ズブいのかなあと思いましたが、テンションが高いというよりはスイッチが入ってしまっているような気配でした。返し馬も止まらないんじゃないか、と心配になる程。でも、力は秘めていると思いますし、このテンションなら2100mは長いかなと思うくらいです。今までの走りなら2100がちょうどいいかと思いましたけど、生き物ですから、そこは変わってきますよね。
-:ホーリーライン、クリップスプリンガ、ビーカーリーと惜しくも2着でしたね。
圭太:ホーリーラインはダートで乗せてもらったところ、センスの良さを感じた反面、非力さも窺えました。芝でも良いかと思いましたが、いい走りをみせてくれましたね。クリップスプリンガは東京の1400mくらいがちょうどいいかなという走り。ただ、頭が高い分、そこはよくなるといいですね。乗りやすいですし、あと少しでしたね。ビーカーリーはいいところを抜けてこられたのですが…外の方が一枚上手でしたね。
-:エングローサーも前残りの結果の中、4着でしたね。
圭太:堅実に走ってくれるのですが、もうワンパンチという結果になってしまいますね。
-:3コーナーでモタれるような馬もいましたが、あの影響もありませんでしたか?
圭太:いやあ、でも、大きくは変わっていなかったと思いますよ。
-:先週の土曜、またしても、と言いますか、全て掲示板でしたね。ジョッキー的には勝たないと、というところでしょうが…。
圭太:そうでしたね。満足はしていませんが、次に繋がる部分もあると思うのでね。
-:日曜京都ですと、ブランシェットは外枠でしたが、差し切り勝ちでした。
圭太:まだ身体がゆるくて、頼りなさも感じましたが、直線はいい脚でしたね。まだ良くなりそうな雰囲気もありますね。





-:ジャパンスウェプトは展開でしょうか?輸送の影響なのか、先週のレース前の話では気性の懸念もありましたが…。
圭太:この馬は精神面がどう出てくるかな…という懸念はありました。ちょっとあんまりいい方に出ていない雰囲気でしたね…。それが遠征なのか、レースを使ったことなのか、それは分かりませんが、嫌な気配を感じる気性でしたね。
-:いずれにしても、前残りでしたが、あまりに見せ場がなかったですもんね。アンティノウスのレースといい、前残りでしたが。
圭太:先週は東京、京都とダートは前残りが多かったですからね。
-:月曜の新潟では、トゥフラッシー、クリノヴィクトリアとダート戦で勝ち星を挙げられました。クリノヴィクトリアは以前、乗った時は外枠続きでしたが、今回は内枠。ただ、使い詰めだったのが、どうかと思いました。
圭太:トゥーフラッシーは能力があるのは分かっていましたので、スムーズな競馬を心がけていました。クリノヴィクトリアは前に乗せていただいた時よりも前向きさが出ていて、行きたがる部分はありましたが、我慢をしてくれて、最後はしっかり伸びてくれました。いいレースをしてくれましたね。

-:サトノブレイズは不安要素もあったでしょうが、昇級初戦としていかがでしたか?
圭太:これもひと息でいってしまうような雰囲気で、前回のような競馬ができなかったですね。右にヨレるようなので、片側ブリンカーをしたせいなのか、遠征の影響なのか、それは分かりませんが、こういう雰囲気だとよくないなあというイメージになってしまいましたね。
-:モンテルースは馬具も工夫されたようですが、結果、最後は沈んでしまいましたね。
圭太:未勝利を勝たせてもらった時は楽勝。500万でも、と思いましたが、身体の鈍さというか、当時の感じではなかったですね。先生もそれは分かっていたようですし、今後休ませると言っていたので、またよくなれば、このクラスでもやれていいはずですね。能力はあると思うので。
-:1週間に3勝くらいで行かれると…「東京開催中」が見えてきますね。
圭太:……そんな甘くないですよ。
-:ハハハ(笑)。確かにG1デーともなると、クリストフ(・ルメール)さんやジョッキーも集まりますもんね。僕的には、福島競馬場は僕も好きですが、東京の方が沢山のお客さんに観てもらえるでしょうから、東京の方がいいかなと思っていますが…。
圭太:僕もそうは思いますよ。
-:今週はゴールデンウィークでの騎乗もあり、お忙しいところ長々とありがとうございました!
圭太:ありがとうございました。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は5月10日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。