'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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1月27日時点1583勝
今春、最後のJRA G1騎乗!アエロリットと惜敗続きにピリオドを
2019/5/31(金)
続いて今週は東京開催5週連続G1のフィナーレを飾る安田記念。今年はアエロリットと昨年2着のコンビで挑むが、ジョッキー自身もG1での好騎乗が続くだけに、そろそろ勝利が欲しいところだろう。また、JRA通算1000勝の大台まで、残り僅か。こちらも注目だ。
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-:1つ目の話題が長くなりましたが、ここからは今週末、先週のその他のレース回顧をお願いしたいと思います。安田記念(G1)は昨年2着のアエロリットと挑まれます。追い切りには乗られていないようですね。
戸崎圭太騎手:はい、先生が乗っていらっしゃりました。動きはこの馬らしく、躍動感のある走りはしていたと思います。大きな馬ですし、伸び伸びと走っていたんじゃないでしょうか。
▲菊沢隆徳調教師が騎乗したアエロリットの最終追い切り
-:前走は横山典弘騎手が乗られて、かなりのペースを飛ばして、それでも粘っていましたね。
圭太:あれだけのペースでいっても5着でしたし、昨年もヴィクトリアマイルから安田記念にかけての上昇度は大きかったと感じています。その昨年も早めの仕掛けになりましたが、最後までしぶとかったですね。
-:ある程度、競馬の形は決まっている馬ですよね。
圭太:まあ、そうですね。
-:あくまで馬の並びにもよりますが、枠は真ん中や外枠がいいんじゃないでしょうか。
圭太:あんまり内は避けたいところですね。
-:昨年も素晴らしいメンバーだった安田記念ですが、今年は更に、という感はありますね。
圭太:いいメンバーですよね。昨年も2着と結果を残していますし、胸を借りるというと違った感もありますが、チャレンジャーとして、いい競馬をしたいと思います。
-:去年はアエロリットとのコンビで落鉄の不運もありました。今年はジョッキー自身もG1で惜しい競馬が続いています。
圭太:あとは1着だけ、という感じですよね。上半期のJRA G1に乗せていただくのは、これが最後になりそうですし、ずっと惜しいところまで来ています。あとは結果がほしいです。
-:土曜1R(3歳未勝利)のキモンカラーは前回が3着でしたね。
圭太:初めて乗せていただいて、感覚はつかめたところはあります。相手だったり、流れもあると思いますが、未勝利は勝てるものを持っていると思いますので。
-:スレイプニルSのアンデスクイーン、由比ヶ浜特別のラストプリマドンナなどは騎乗経験がありますね。
圭太:アンデスクイーンは牝馬ながら、立派な馬ですねえ。パワーがあって、広いコースはあっているイメージ。あんまりパサパサの馬場になってしまうと、どうかという思いもありますが、チャンスはある馬だと思っています。ラストプリマドンナは去年の9月以来の騎乗ですか。能力だけなら、このクラスを勝てる馬だと思いますが、結果が伴っていないようなので、そこを確認しつつ導きたいです。
-:日曜の中では、ホンコンジョッキークラブトロフィーのバイオスパーク、麦秋ステークスのグロワールシチー、三浦特別のエングローサーなどどうでしょうか。
圭太:バイオスパークは勝ちにいくと甘くなりそうな感はありますが、タメていければいいですね。グロワールシチーはコース適性も高いですし、レースが器用な馬ですね。エングローサーは展開の助けがほしいところですね。
-:そして、2歳新馬戦が始まります。土曜のタイムマシン、日曜のビッククインバイオには追い切りで乗られたそうですね。
圭太:タイムマシンはまだ子どもっぽさが残りますね。自分から走るところにも欠けるので、そこは促していきたいです。ビッククインバイオは前向きさもあって、終いの反応もよかったですよ。
-:先週のレース回顧に戻らせてもらいます。まず、昇級初戦のフィスキオは11着でした。馬場も合わなかったですね。
圭太:状態は変わらずいいと思っていたのですが、最後は外に張り気味に走っていました。目に見えない疲れがあったのかもしれません。馬場に関しても、この馬にとっては厳しかったですね。
-:グランソヴァールは5着。あとひと押しがきけば、というところですが…。
圭太:速い時計では分が悪いのかもしれません。やはりダートの方が決め手は活きるのかもしれませんね。
-:シゲルヒスイは序盤でセーフティリードでしたね。
圭太:好リードをとれましたし、身体のバランスがよくて、しっかりとした馬。落ち着いた展開で運べて、最後まで走りきってくれましたよ。
-:アームズレングスは差し切り勝ち。意外なレース内容でした。
圭太:出遅れてしまいましたね。そこから、外を回すよりは内にこだわろうと。勝つことができてよかったですね。競馬が上手な馬とはいえ、リズムよく走ってくれました。
-:ワンダーリーデルは前残りの決着かつ、先着した相手も強かった印象を受けました。
圭太:以前、乗せていただいて、いい馬だと思っていましたし、その感触でいければと思っていました。条件も合っていて、強気に乗っていったのですが、前も止まらなかったですね。
-:ビーカーリーは前回より着順を落としてしまいました。
圭太:前走より道中の手応えは良かったほど。ただ、伸びがもう一つなあたり、極端なレースの方が決め手はいきるのかもしれません。
-:ホーリーラインは相手も強かったですね。
圭太:この馬の競馬は出来ているのですが、最後は届かず…でした。状態も変わりなく、出番が回ってきていいのですが。
-:繰り返しになりますが、ダービーを終えられて、今週から新たな一年となりますか?
圭太:今までとは違って、そういう思いは強くなりましたね。自分の中の節目といいますか、拘りとして…。
-:「節目」といえば、残り東京8日間、残り11勝となります!
圭太:ハハハ…精一杯、頑張らせていただきます。
-:僕は福島競馬場も好きですが、是非、東京での達成をよろしくお願いします(笑)。そして、また、新たな一年の活躍も楽しみにしております!
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(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は6月7日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。