'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
WASJは個人初優勝を目指す&キーンランドCにも騎乗!
2019/8/23(金)
今週末は関東リーディングとしてワールドオールスタージョッキーズシリーズ出場のため、土日ともに札幌開催へ挑む戸崎騎手。個人としては、相性のいいシリーズといえるが、今年はトップの座を手にすることが出来るのか。また、先日発売した1000勝達成記念パーティーは即日完売の大好評。チケットを手にされた方は当日をお楽しみにいただきたい。(聞き手:競馬ラボ・小野田)
完売御礼・戸崎騎手の1000勝達成記念パーティーを開催!
-:今週はワールドオールスタージョッキーズシリーズ出場のため、札幌での騎乗となりますね。このシリーズが札幌で行われるようになってからというもの、初年度の2015年で個人3位、3年目は同率2位という結果。今年こそ、個人優勝を期待したいところです。
圭太:毎年、出場させていただくには周囲のサポートがあってのことだと思いますし、まず、今年も出られることを嬉しく思います。もちろん勝つことを狙ってはいるのですが、なかなか惜しい結果になってしまっていますからね…。現時点で自分の騎乗馬以外について、把握はできていませんが、今年こそは、と思います。また、一緒に乗ったことのない海外のジョッキーと乗れることも楽しみの一つですね。
▲2015年、2017年と表彰台に上がっているWASJ
-:そして、今年は地方競馬から2名が参加(大井の的場文男騎手、園田の吉村智洋騎手)。意識されるのではないでしょうか。
圭太:さすがに大井の先輩の的場さんですからね。こういう舞台で一緒に乗れることを嬉しいですし、レースに一緒に乗る上ではライバルになるわけですけれど、いい成績を残して欲しいと願っています。
-:的場騎手も8月1日に落馬があったり、5月にも落馬で歯が折れてしまったりしながらも、早期復帰される精神力がすごいですね。
圭太:やっぱりそれだけの気持ちの強さがないと、あそこまでできないですよね…。いつも頭が下がります。
-:シリーズの対象レースではありませんが、今週はアスターペガサスでキーンランドカップ(G3)に騎乗されますね。
圭太:札幌で追い切りに乗せていただきましたが、状態も良さそうですし、近走の成績をみても安定していますからね。まだ身体は良くなりそうなところはありますが、現状でもこれだけ走っていますからね。テンションの上がりやすいところもあるそうなので、そこは気をつけながら臨みたいですね。
-:今週はなかなか騎乗された経験のある馬がいないところですが、土曜6R(3歳未勝利)のミケランジェロはどうでしょうか。
圭太:前走も惜しい競馬をしてくれているんですけどね。しぶといタイプですし、洋芝に替わる点はいいんじゃないかと思いますよ。
-:7R(3歳上1勝クラス)のアングレームは3走前に乗られて6着。当時はマイル戦でした。
圭太:折り合いが鍵になりそうですからね。その点、距離が短くなったのは良さそうですね。
-:日曜の千歳特別にはロジムーンが予定。ずいぶん久々の騎乗ですが…。
圭太:600勝を決めさせていただいた馬ですね。ただ、ここ最近の成績が振るわないようなので、いいキッカケになれば、と思います。その点、オールスターJ第3戦のマイネルカイノンなども久々過ぎて未知数ですね。
-:先週のレース回顧もよろしくお願いします。まず、札幌記念(G2)のクロコスミアはペースを考えると、早々と手応えがなくなってしまいましたね。追い切りの雰囲気は良く見えたのですが。
圭太:結果的には休み明けがこたえたかもしれません。スタートも見てもらうと分かると思いますが、スピードの乗りが全然違いますし、終わってから思うことは一度使った方がいいのでしょうね。ペース的には前走より楽なくらいですから、力を出し切れなかったようですね。その点、次回は変わってくれればと思います。
-:新馬のモルタルは11着。こちらもペースが遅かった割についていけなかったですね。
圭太:道中から促すような感じで、ペースが速くなるとついていけなかったです。乗り味は悪くないので、ダートの方がいいのかもしれませんね。瞬発力があるタイプではないのでしょうが、あのペースでもついていけなかった点は苦しかったですね。
-:3歳未勝利のサトノダイナスティは惜しくも2着でした。
圭太:当初は中団くらいから、長く脚を使うイメージでした。ただ、スタートも良かったですし、周りの動きをみて、あの位置からに。最後は切れ味のある馬にやられてしまいましたね。
-:しかし、実績を考えると、あのくらいのペースなら押し切るかと思いました。
圭太:正直、距離もやや長いのかもしれません。1800だったら違っていたんじゃないかとも思います。
-:グレイスフルダンスは2着とあと一歩でした。
圭太:新馬はレースをみると、気合い乗りが足りないイメージでしたが、今回はそこも上向いてきましたね。直にチャンスが回ってきそうな馬ですよ。
-:新潟のクインズラミントンは距離短縮でしたが、前に残られてしまいましたね。
圭太:ペースが速かったのですが、こちらはもう少し溜めたい走りでした。ブリンカーも着用して、最後は追い詰めているのですが、いい競馬はしてくれたと思います。
-:日本海ステークスのフェイズベロシティは超スローペースの中、最後は追い詰めるも3着でした。
圭太:あの位置になったので、じっくり構えて、末脚を活かす競馬に。最後は伸びてきてくれたことは良かったと思いますが、自分から位置をとれるタイプではないので、流れは向いてほしいですね。
-:麒麟山特別のサクラアリュールは4着。それにしても、先週の新潟ダートは前残りが多かったですね。
圭太:形は上手くいったと思います。ただ、追ってから尾っぽを振っているように気性の難しさがありそうです。手応えを思えば、もっと伸びていいんじゃないかとも思います。
-:新発田城特別のアゴベイは追い切りにも乗られていたそうですが、結果、ここも前が止まらなかったですね。
圭太:内枠で、いつもよりいい位置で競馬ができたのですが、最後は脚色が一緒になってしまいましたね…。
-:3歳牝馬のティグラーシャはどうだったでしょうか。
圭太:乗りやすい馬ですね。ただ、これから良くなりそうなイメージは受けました。一旦は先頭に出たものの、差し返されてしまいましたね。今のところは一瞬の脚という感じですが、今後、良くなるはずです。
-:シゲルグリンダイヤは勝ち馬の方がいい位置をとっていた印象でしたが、2着でした。
圭太:毎回、頑張ってくれてはいるのですが…勝たせたいところですが、惜しい競馬になってしまいますね。
-:新馬のグレートバローズは昨年のロジャーバローズと同じ番組、同じ厩舎、同じディープインパクト産駒。新馬勝ちの再来となるか、期待しましたが…。
圭太:トビが大きく、ゆったりと走っていて、先行こそできたのですが、もう少し力を付けてくれるといいですね。勝ち馬もあのまま押し切っているくらいですからね。
-:先週の門別ではアンデスクイーンで交流重賞のブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)を勝利されましたね。
圭太:返し馬から行きっぷりも良かったですし、返し馬から状態の良さを感じました。流れに乗っていけましたし、思っていた通りでしたね。かわせそうな手応えはあったものの、ジリジリといった伸び。勝負どころでモタつくところは把握していましたし、最後は馬の力に助けてもらいました。今回は賞金を加算できたので、今後も楽しみです。
-:先週は着順的に惜しい競馬が続きました。2週前も1勝で、今週も決して乗り鞍が多くはありません。福島が良かっただけになかなか歯がゆいところですが、WASJなどで挽回していただければと思います。
圭太:ハッキリ言えば勝てなきゃ悔しいですし、一つでも多く勝ちたいですね。
-:声にも伝わってきます…(苦笑)。ちなみに、現時点での遠征予定はありますか?
圭太:9月15日(日)のローズステークス(G2)ですね。
-:その週といえば、1000勝記念パーティーの直前です。そして、チケットは先日発売させていただいたところ、即完売となりました。予想外の好評です。
圭太:ありがとうございます。なぜ売れたか…という感じですが(笑)。
-:パーティーまで、あと1ヶ月をきりました。当日も沢山いい話題を提供できるよう、好騎乗を期待しております!
圭太:頑張ります!
※次回は8月30日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。