'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月25日時点1561勝
有馬記念ウィークも復帰を目指しリハビリの日々
2019/12/20(金)
今週は有馬記念。水曜の追い切り、木曜の枠順抽選会を終え、レースへ向けて日増しに白熱するところだが、通常、ジョッキーも参加する枠順抽選会に不在。戦線離脱中であること改めて感じさせる形となった。2014年にはジェンティルドンナで制した大舞台の裏側で、戸崎騎手は何を考え、どんな日々を送っているのか、今週もお届けする。
-:今週の競馬界は有馬記念ウィーク。枠順抽選会も終えて、レースへ向けてより一層盛り上がるところですが、有馬記念は普段、競馬をやらないような人にも浸透しているレースだと思います。ジョッキー的にはどんな位置づけのレースですか。ここ最近はダービーに対してのこだわりは感じるものの、そこまで特別視しているわけではないのかな、とも感じます。
圭太:いやいや、そんなことないですよ(笑)。やっぱり毎年参加したいし、勝ちたいレースですよね。年末ならではの雰囲気があるし、ふつふつと内心盛り上がっていくレースです。今年はメンバーも素晴らしいですからね。乗れたら一番でしたけどね。
▲昨年の枠順抽選会より
-:こんなレースだからこそ、初めて競馬をやる人もいるかもしれません。改めて舞台の中山芝2500mのポイントを教えていただけますか。
圭太:一般的かもしれませんが、外枠になるにつれてロスは大きいですね。昨年は雨で馬場に緩さのある状態。(スマートレイアーは)ダートにも使おうと思われていただけあって、あんな馬場もこなせるのかと思いましたが、やはり良い馬場で走れていたら良かったですね。でも、あれだけ活躍しただけのモノは感じる良い馬でしたよ。今年も雨予報もあり、当日の馬場傾向も変わってくるでしょうが、以前より水はけも良くなっただけに余程の雨じゃなければ、悪くならないのではないでしょうか。そして、コーナーを6度回るように器用さがほしいレースですよね。
-:2014年に勝たれたレースですね。もう5年経ちます。
圭太:ジェンティルドンナにとっては引退レースでもあり、最後を飾れたことは何よりですし、ラストランが有馬記念となることも多々ありますよね。その年はJRAでも初めてリーディングをとらせていただき、有馬を勝った上でリーディングをとれたことは光栄だったと今でも思います。
▲ジェンティルドンナで制した2014年の有馬記念より
-:先程の器用さが求められるところでいえば、ジェンティルドンナの場合、ジャパンCなども走っていたので訳が違いますが、初めての距離でこなせてしまうのも有馬記念ならでは、ですね。
圭太:短いところを走っていた馬でも走れたりするのはトリッキーなコースだからこそと思います。
-:先週の競馬でいえば、朝日杯フューチュリティステークス(G1)はサリオスの勝利。こちらはどう見られましたか。
圭太:レース前はユタカさん(武豊騎手)に注目して見ていました。ユタカさんがまだ勝っていない朝日杯ですし、一瞬「やっぱり勝っちゃうのか。流石だな」と思ったのですが、そこは勝ち馬が強かったですね。サリオスに騎乗していたライアン(ムーア)も従来の競馬にとらわれず、ポジションをとっていましたし、馬も一枚上だったと思います。
-:今年は例年ほどの結果が出ていなかったですが、ムーア騎手は久々のJRA G1勝利でしたね。
圭太:例年に比べると、いい馬に乗れていないのもあるのかもしれませんね。今年は外国人騎手も一斉にきましたし、なかなか馬が回ってきていなかったからかもしれませんね。それに外国人騎手といえば斤量面の課題もあると思います。ライアンも54キロでは乗らないですからね。
-:水曜の全日本2歳優駿(Jpn1)では小回りコースながら差しの結果に。ヴァケーションが制しましたね。
圭太:このところ地方馬の勢いが続きますね~。それは嬉しいところです。そして、コースロスのないよう運んだ吉原(寛人)も素晴らしい騎乗だったと思います。今秋の活躍も顕著ですし、流石だなと思いますよ。
-:JRAの話題でいえば、浜松ステークスのナランフレグは強かったです。
圭太:僕も乗せていただいた馬なので注目していましたが、強かったですね。中山のような小回りだとコーナリングで向いていませんでしたが、中京なら強い走りでしたね。まだ3歳ですし、来年も楽しみだと思います。
-:しかも、ゴールドアリュールというダートの種牡馬から、こんな馬が出てくるのだから不思議ですね。速い上がりを使えますし。
圭太:走りもダートらしさはあるんですよね。それでも、こうして走れる馬が出てくるのも面白さですよね。
-:今週ですが、かつて話題にさせていただいた大井の坂井英光調教師(元騎手)が栗東で研修中でしたよ。1000勝のジャンパーを着られていました。
圭太:ハハハ、ありがたいですね。
-:そして、この1週間の怪我の容態の変化はどうでしょうか。
圭太:大きな意味でいえば、あまりないですね。
-:ただ、現在は幾つかの医療機関に通ってのリハビリを進めているそうですね。どんな治療をなさっているのでしょうか。
圭太:全てを口で伝えるのが難しいのですが、一つは、浮腫や筋肉の硬さをほぐしたり、器具を使ってやったりしていますね。酸素カプセルはずっと入っていたのですが、それはもう止めたところです。
今週の『ファンが選んだ・戸崎圭太騎手お気に入りの1枚』
競馬好きの旦那さんから影響を受けて、3年ほど前から競馬にのめり込んだ、あかしかおと申します。そして、競馬を始めた年から、戸崎さん推しです!!
わたしが住んでいるところは、地方も地方のため、なかなか戸崎さんを生で見られる機会がありませんが、一昨年戸崎さんが、盛岡で行われるジャパンジョッキーズカップに出場されるとお聞きし、盛岡まで5時間掛けて向かいました!その時に、緊張しながらもがんばって戸崎さんの名前を呼んだら、笑顔で会釈していただいて、本当に感動したのを覚えています!!
毎週のように戸崎さんを馬券に絡めて買っていましたが、今回の件で、戸崎さんが騎乗するのは毎回本当に命がけなんだと改めて思いました。戸崎さんが一番辛いと思いますが、完全な状態まで治るまで、ファンのみなさんは待っていると思います!無理はせず、ゆっくりゆっくり治してほしいと思います。
頑張って下さい!戸崎さん!
(「あかしかお」さん)
-:怪我から1ヶ月半、どんな部分が体の変化がありましたか?
圭太:まあ、全体ですよね。やっぱり筋肉が落ちたことは実感します。他にも腰や下半身なども処置していますし、戻ってきたときにパワーアップできるように心がけています。
-:以前、療養期間中に体力UPを図るジョッキーもいますが、という意見に対して「体力には自信を持っている」とのことでした。その意見とは若干、異なりますね。
圭太:ええ、自信は持っていましたが、長い目でみればもっと良くなるでしょうし、更にという思いです。
-:今年は豪華メンバーの有馬記念。枠順抽選会の中継で昨年の映像にその姿を見て思い出すところもありました。もう残すところ年内の開催も3日間。年明けすぐに復帰とはなりませんが、ジョッキーはじっくり準備をされているところ。首を長くして待ちたいです。
圭太:ありがとうございます。
-:年内の更新はおそらく次週が最後になります。今回は手短でしたが、またよろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします。
※次回は12月27日(金)か28日(土)に更新予定です!
『週刊!戸崎圭太』は今後もファンの皆さまにも色々と募集中です!休養期間中でもコラムをチェックしていただいてくれている皆さまのために、今回はプレゼント付きです。締め切り間近です!
(1)戸崎圭太騎手への質問
過去のレースのこと競馬にまつわるギモンなど、何でも問題ありません。ただし、先に行われるレースや馬についてはお答えできませんので悪しからずご了承ください。
(2)戸崎圭太騎手のアナタのお気に入りの一枚
いつの写真でも問題ありません。皆さんが気に入っている写真があれば、コラム内で紹介させていただきます。ただし、1週間につき1枚まで。お名前、なぜその写真を選んだのか、という理由があればよりいいです。軽い容量・サイズ(横幅1000px以内)でお願いします。
(3)当コラムでやって欲しい企画など
実現性は高くないと思いますが、こんな企画が見たい、こういう対談が読みたいなどあれば、ドシドシお寄せください。
すべてのご応募はメールにて受け付けております。メールの件名に「週刊!戸崎圭太プレゼント応募」、本文にお名前(ペンネーム)を記載の上、以下のアドレスまで。応募者多数の場合は抽選に。当選者の発表は当選者の方へのメールでご連絡させていただきます。もちろん戸崎騎手への応援メッセージも引き続き募集中です。
keita_tosaki@keibalab.jp
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。