'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
通院とジム通いは週5+自主トレは週7の毎日 そしてリハビリ以外の近況は?
2020/3/22(日)
毎週のコラムを目にしてくれている方々はお分かりだと思うが、復帰へ向けて、ペースアップしていく段階に入っている戸崎騎手。よって、いい意味で負傷箇所の具合に大きな変化は見られなくなっている。今回は日頃触れていなかったライトな話題や読者からの質問を交えつつ、近況について語ってもらった。
【お知らせ】戸崎圭太騎手が3月28日(土曜)、25時25分より放送~フジテレビ「ドバイワールドカップ中継」にゲスト出演が決定!プロ野球でいえば現在「キャンプ中」 トレーニングの強度も順次アップ
——先週の木曜日に伺ったばかりで、毎週、同じ質問からとなりますが、この1週間のご様子はいかがでしょうか。
そうですね(笑)。やっていることは変わらずですが、重りが2キロから3キロになりましたね。体は追い込みを掛けているような感じで、相当キツいトレーニングになっていますね。
——新たに鍛えたいところを含め、ケガ前までにやっていたことを踏まえて、ということですね。
全体的に、ですね。新しい箇所の強化を含めてという感じですね。
——改めて伺うと、ケガをした頃にジョッキーは鍛え直して戻る人もいるという話をした際には、「体力には自信があるので」と言っていた記憶があります。新たな箇所を鍛える意向になったのは、どんな経緯でしたか?この内容をちゃんと読んでいる人だったら、ちょっと気になるところなのかなという気はするのですが。
▲昨年の阪神大賞典ではシャケトラで制した戸崎騎手
そうでしたね。トレーナーとも相談して、そういう方向になりました。毎週レースがある頃はそんなにガッチリ強化するという訳にはいかないと思うんですよね。だけど、今は一般のスポーツ選手のオフ的な感じですかね。
——ある意味、プロ野球やサッカーのキャンプ期間、学生の合宿みたいな感じですね。
だから、弱いところを強化しながら、より良い騎乗ができるようにということを考えて、トレーニングをやっていますね。その中で自分もこういうところを強くしたいと、トレーナーともコミュニケーションを取りながらですね。
——強くしたいと思うということは、何か乗られていても感じるところがあったということですね。
まだまだ成長しなきゃいけない部分がありますね。でも、それは誰もが思っていることだと思いますけどね。
——ちなみに、再度の入院から退院をされてからは、完全にリハビリというか、トレーニングの日々になっていると思いますけど、今の日頃のスケジュールというのは、どのようになっているのですか。
月、水、金が病院に通ってのリハビリですね。火、木がトレーナーさんに見てもらいますし、トレーニング自体は毎日、家でやっているんですけどね。
——体重は相変わらずというか、段々戻ってきた感じですか。
「これからちょっとパワーというか、筋量が増えると思うので、体重は増えるよ」とは聞いていますし、ケガ前よりちょっと重くなって戻るのかなという感じはしますけどね。太っているということではないですし、筋量なのでしょうがないですし、それは対応していかないといけないかなという感じですね。
——改めて基礎的なことばかり伺っていますけど、他には食事はどうですか。
もう食事は気を付けていますね。
——そして、今回は普段よりライトな話題も取り上げていこうと思います。禁酒宣言もされていました。どうなりましたか。
お酒は飲んでいないですよ。ずっと言っていますけど、そろそろ飲みたい思いはありますね。
——今週も暖かくなってきましたし、汗を流したら、飲みたくなりますよね。
飲みたいですよ。いや、ずっと飲みたいですね、ハハハ。
——ちなみに、今更なのですけど、煙草は吸われたことはなかったですか。減量の厳しい方はタバコで我慢したりするジョッキーもいると思いますけど。
煙草は吸わないですね。これはちょっと恥ずかしい話があるんです。大井にいた頃で、だいぶ昔の話ですけど、周りが煙草を吸い始めていて、自分もちょっと吸ってみようと思ったんです。ただ、何となく煙草は良くないという意識があって、なかなか肺に入れることができなくて、あれは吹かし煙草というのですか。それでちょっとカッコつけていた時期はありましたね。だから、一度も煙草の煙を肺に入れたことがないんですよね。
——そういうキャラではない感じはしますけどね。
それが、何か煙草が良いなと思っている時期があって…。
——何かとおしゃれじゃないけれど、トライしようという意識が色々とありますよね。最近、ヒゲはどうなったのですか。
ヒゲも生えていますよ。ですけど、段々と似合わないと感じてきていて、面白味も自分の中で薄れてきていますね。
——もともとやっていたのは平日だけだったと思いますが、今の状態だと、なかなか会う人も少ないでしょうし、反響もないでしょうからね。
まあそうですね(笑)。
——ということで、読者からも来ていたんですけど「ここ最近、トレーニング以外の時間で、何か新たに始めたことはあるのですか」ということですが。
珈琲を豆から挽いて、入れるようになりましたね。よく詳しくはないですけど、豆を挽いて、普通に紙のドリップですね。
この休みの間に食事に対しても感覚がちょっと変わって、コーヒーは香りを楽しむようになりましたね。今までは出てきたものを食べて、単においしい、という感じだったんですけど、より味わって食べるようになりましたね。食べ物でもそうだったり、お酒も飲み始めたら、ちょっと味わって、こういう料理に合うんだろうなとか、そういうことを気にしたい気分にはなっていますね。
——心境の変化の一つですね。
やっぱりありがたみを感じるというか、それは何か変わりましたかね。
——でも、もしレースが始まったら忙しくなるでしょうし、なかなかそんな余裕もなくなるんじゃないですか。
いや、それは別じゃないですか。やろうと思えば、できるんじゃないですかね。
——珈琲に関しては、こだわりとかは出てきたりされたのですか。
いや、そんなにこだわりはないですけど、ただ、豆によって味は違うなとは感じるようになりますよね。だから、こういうのが好みなのかなとかね。あまり酸味がない方が良いですかね。飲みやすいかな。
——では、将来は珈琲店を開業ということですね。
そうね。バリスタにでもなってね、ハハハ。
——でも、似合いそうですけどね。
いやいやいや。
——その他には何かありますか。
他には、美容室に行っているんですけど、美容師さんに「髪の質が良くなったね」と言われるんですよ。これはなぜかと言ったら、普段はヘルメットを被って、汗を掻いて湿気があるじゃないですか。「それがなくなったのが大きい」というのを言っていましたね。そういうこともあるんだなと思って、新たな発見でしたけどね。
——開催中はなかなか髪を洗っている訳にはいかないですもんね。
だから、すごくまとまりが良いというか、自分でも感じますね。美容師さんも「切りやすいし、セットしやすい」と言っていましたよ。それくらい違うんだなと思いますね。人によって髪質があるのかもしれないですけど、やっぱりちょっと癖っ気もあって、余計なのかなという感じですね。
大井競馬時代 騎手デビュー時の師匠が引退
——世の中はウイルスの影響で、海外競馬も色々と影響が出てきていますが、次週のドバイワールドカップデーも心配ですね。
日々、目まぐるしく状況が変わっていますよね。クリストフ(ルメール)なんかはもう行っちゃっているのかな。
——先週のレースでは、あまり馴染みのある馬が重賞には出ていなかった感じは受けますけど、気になったところでは金鯱賞のサートゥルナーリアは見られていかがでしたか。乗ったことはないにしても、同じレースに出ていることは何度かあったと思います。
強いですね。着差以上に強いのかなというのは、観ていて思いましたけどね。パドック映像などを細かく観ていた訳じゃないので、何とも分かりませんが、落ち着いて走れているなという感じはしましたね。左回りで結果が出ていないということも言われていたようですが、あの走りを見たら、当日のテンションが課題なのかなと思いました。
——しかし、当然ながら「前走・戸崎圭太、2走前・戸崎圭太」という馬柱はほぼなくなってきた感じはしますね。
そんな感じですね。流石に。
——今週のレースで言えば、去年の阪神大賞典はシャケトラで勝たれたレースでもあります。細かい話は読者の方々にはバックナンバーを検索していただきたいところですが、思い出すことはありますか。
当時は、僕も3000m以上の距離を勝っていないと言われていましたし、そこは気になっていましたね。でも、馬としては最後のレースになってしまいましたけど、強い勝ち方でしたし、僕も嬉しかったですね。記憶には鮮明に残っています。
——シャケトラ自体も、阪神大賞典の当日が誕生日でしたし、最後が残念なことはなってしまいましたけど、天皇賞(春)に出ていたら、と期待せざるを得ない勝ちっぷりでしたね。
やっぱり良い勝負をしていたんじゃないですかね。充実しているのだと感じる走りでしたよ。
——そして、大井競馬時代の所属先であった香取和孝先生が引退されたそうですね。
大げさなたとえになってしまいますが、僕は香取厩舎に所属していなかったら、今はないんじゃないかと思います。昔は所属先以外、乗れない暗黙のルールみたいなものがあったんです。でも、香取厩舎にはそれがなくて、自由に乗せてもらいましたし、香取厩舎の走る馬もよく乗せていただきました。決して厳しい先生ではなかったですが、馬に乗る時は「お願いします」、レースが終わったら「ありがとうございました」といった挨拶など常識的なことも叩き込んでもらいました。
——現在のマネージャーさんや後輩の(山崎)良騎手も同じ所属厩舎の縁ですね。
そうです。他にも山田勝さんや山本泉さんなども所属していましたね。やっぱり上手くてもレースに乗れない、チャンスに恵まれないジョッキーって沢山いると思うんです。もちろん自分にとってターニングポイントというか、お世話になった人は沢山いますけど、そういう意味でも人に恵まれたと感じます。
——そして、このところ毎週伺っていますが、1キロ、2キロ、3キロと重さの問題じゃないにしても、順調に来ている感じは受けるんですけど、今のところ、5月の復帰についてはいかがですか。
一応、その予定ではいますけどね。どうなってくるのかは何ともですけど、馬に乗ってみないことには分からない部分もあるので…。
——ただ、3キロと言ったら、軽くはないですよね。
いや、重いですよ。けっこうキツいですよ。筋力トレーニングもそうなんですけど、あとは握力が戻ることが一番なのでね。
——そこは本当に待つしかないということですね。今週もありがとうございました!
ありがとうございます。
※次回は3月27日(金)か28日(土)に更新します!
休養期間中でも『週刊!戸崎圭太』をチェックしていただいてくれている皆さまへ、引き続き戸崎騎手への応援メッセージを募集します!メールをいただいた方の中から、メールをいただいた方の中から今回は抽選で3名様に、戸崎圭太騎手クリアファイルセットをプレゼントいたします。
メールはスタッフがチェックさせていただきますが、メッセージが沢山集まった場合は、後日ご本人へお渡しします。引き続き質問も募集中です。これまでも数多くの質問もいただいておりますが、担当者的には、この際にバックナンバーもご覧いただいた上で質問をいただけると幸いです。
すべてのご応募はメールにて受け付けております。メールの件名に「週刊!戸崎圭太」、本文にお名前(ペンネーム)・応援メッセージまたは競馬ラボへのご意見ご感想を記載の上、以下のアドレスまで。応募者多数の場合は抽選になります。当選者の発表は当選者の方へのメールでご連絡させていただきます。
keita_tosaki@keibalab.jpプロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。