'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
ストレイトガールのチームで重賞へ&長期休養中の「継続」が成果に
2020/7/4(土)
日曜福島の重賞・ラジオNIKKEI賞ではディープキングに騎乗。騎手・調教師・馬主とG1を3勝したストレイトガールと同じチームで重賞に挑むのは2016年のヴィクトリアマイル以来。久々のチーム結成で好結果となるか。また好成績となった東京開催や上半期の回顧も続けてもらった。
久々にストレイトガールと同じオーナー・厩舎で重賞に騎乗へ!
——テン乗りで印象だけを伺うことになりますけど、日曜日のラジオNIKKEI賞(G3)のディープキングはいかがでしょうか。
藤原(英昭)先生のところで、廣崎利洋オーナーの馬なので、気持ちも昂るところです。お兄ちゃん(サトノキングダム)も福島で勝っていますし、先行力もあって、乗りやすい感じだと見ています。(ペースが速くなって)すごい展開になりそうですけど、結果を出したいなと思いますね。
ストレイトガールと同じ厩舎・オーナーで重賞へ挑む
——廣崎オーナーの馬には最近あまり乗っていなかった印象でしたが、去年の3月には、他の厩舎とはいえ、コロラトゥーレに乗られて以来でしたね。日曜(3歳以上2勝クラスの)サトノブレイズはいかがでしょうか。
この馬も良いスピードは持っているんですけど、ちょっと気難しいところがあるのでリズム良く行ければ良いですね。
——日曜日の新馬戦は、先週騎乗予定だったスペシャルドラマには追い切りに乗られていたものの、残念ながら除外ということですね。結果、タウゼントシェーンに騎乗されます。
そこは評判馬が割といるようですが、先週、みんな抽選で漏れちゃいましたからね。
——さくらんぼ特別のメジャーレートは昨年乗られていましたね。
あの時(彦星賞4着)もグリグリだったんですけど、ちょっと気難しいところがあるようですね。正攻法のレースはできたとは思うんですけど、結局、それがこの馬には合っていなかったという感じですかね。
長期休養中の積み重ねが騎乗成績にも好影響!
——先週の回顧の続きですが、日曜東京4Rの芝2400戦で勝ったのが、江田(照男)さんが乗っていた大外の馬(フェスティヴスーリ)でしたね。東京の2400で、大外枠の馬が勝つことはないので、この時点で、馬場傾向は大分違うのかなと持っていたら、やっぱりそうでしたね。その次のレースの(3歳以上1勝クラス1着の)ルコントブルーはどうでしたか。
乗りやすい馬でしたね。攻め馬だとちょっと気難しいところもあるようですが、そんなところは出さずに、イメージ通りのレース運びもできましたし、人気に応えられて良かったか感じはしますけどね。
——(日野特別11着の)ニュートンテソーロはいかがだったでしょうか。
前回よりも返し馬の感じは良かったんですけどね。結局、同じ形のレースだったのですけど、前走よりもペースの壁は感じましたかね。それで、最後は脚を使えなかったので……。馬場的にも前残りは前残りなんですけど、前走もそんな感じでも差し切っているので、やっぱりクラスが一つ上がったので、追走でちょっとエネルギーを使っている感じですかね。
——ただ、あくまで数字だけですけど、3ハロン通過と5ハロン通過はほぼ前回と同じでした。丸っきり同じレベルで、コンマ1秒くらいの差でしたけど、上がりだけが前回は速かった感じがしましたね。
じゃあ、そっちの方かな。なるほどね。
——あとは、前回先行した馬たちが力を使って先行したのと、今回は楽に先行したという形で、その点で上がりの違いが出たのですかね。
それが正しいですね。
——(江の島ステークス1着)のボッケリーニは久々の騎乗でしたね。
素軽くなっていましたね。新馬の時はちょっと体も使えていないというか、まだモッタリした感じがあったんですけど、能力の高さといいますか、雰囲気はやっぱり良くなっていましたね。馬場も問題なかったです。
——(パラダイスS1着の)アルーシャこそ、勝手な考えでは馬場は苦労するのかなと思ったのですが、いかがだったですか。
そういうイメージでしたけど、上手に走っていましたね。序盤は脚を溜めて、3コーナーから徐々に動いて、4コーナーで馬場のいいところに出してからはよく伸びてくれました。
—— 6月は10勝ということで、成績に関してはいかがでしたか。
まずは無事に復帰できたことをすごく幸せに思っています。結果に関しては、今、競馬に乗れている幸せを感じていますし、その中で10勝できたということは良かったですね。この休みで、色々気付けた部分もあるし、感じた部分もあって。それが良い感じで繋がっている部分もあるので、もっともっとレースに活かせられたら良いなとは思っています。まだ騎乗も制限していますし、その辺も徐々に増やしていきながら、良い騎乗をしていきたいなと思っています。
——先ほどおっしゃっていた、何かしら気付けていることとか、何か一つ具体例を挙げられればお願いします。たくさんあると思いますけど、明かせるものがあれば。
下半身の安定さというのは、ケガ前よりも安定している感はありますね。
——以前は「筋力の強化に努めている」とおっしゃっていましたけど、そことはまた違いますか。
いや、そこはもっともっと付けたいなと思いますね。下半身に関しては、それがあるから、感じている部分もあるので、ちょっと重心の位置も変わったりしているかな。体の使い方が変わっているかなという感じですね。
——その辺が良い方に出てきている兆候、感覚があると。
感覚も良いですし、その分で良いところで乗れているから、馬も走ってくれているんじゃないのかなというのも思います……。まだまだ半信半疑ですけども、良いように繋げられたら良いなと思っていますけどね。
——他のジョッキーも長期休養を境に、かなり体を鍛えて戻ってきた方もいたと思います。休みの間も、ダノンキングリーの騎乗など一定の目標もあったと思いますけど、なかなか目途が立て辛い中で、毎日しんどいトレーニングをやって、ちゃんと成果が出た喜びというのはかなりあるんじゃないですか。
やっぱり続けていれば、どんなことでも成果にはなると思うんですよ。
——スポーツじゃなくても、ということですね。
だから、諦めないというか、少しの成長でもあるということを感じながら、頑張ってもらえると良いなと思いますよね。自分も、これからもまだまだするべきことはあるので、そういうことを思って頑張りたいですよね。
——精神的な部分はいかがですか。レースに対する怖さは大丈夫ですか。
大丈夫ですね。この前も逆に、俺の頭は大丈夫なのかな!?と思いましたけどね。自分で心配しちゃいますけど(笑)。先週の土曜日も落ちたので、すぐだったので精神的に自分でもちょっと心配しましたけど、大丈夫でしたね。
——今週から交流競走も始まりましたけど、ゆくゆくは浦和でもリベンジとは言わないですけど、いつかそういう時もあるでしょうからね。
行きたいと思いますね。今のところ、予定はありませんけど。
——改めて今週から福島になりますけど、何か目標というか、福島に臨むにあたって、意気込みはございますか。
今年は(3週間と)短いので、そんな中でファンもいなくて、ちょっと寂しいですね。福島はちょっと難しさもある競馬場ですけど、色々楽しみながら、騎乗していきたいと思いますね。
——ファンもいない中で遠征しに行くというのは、ちょっと不思議な感覚なんじゃないですか。
でも、あまり不思議な感覚はないですね。当日の競馬場はやっぱり不思議な感覚がありますけど、移動する時はそんなにないですね。終わった後は車も全然ないので、スムーズに帰れたりしますけどね。
-ここから福島、新潟と遠征は続くと思いますが、今の騎乗内容だと、結果もだいぶ楽しみにしていいんじゃないかと感じています。無事が一番ですが、好成績も期待しつつ、また来週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
※次回は7月10日(金)に更新予定です!
※当コーナーは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点に基づき、電話で取材を行っております
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。