'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
先週土曜は6戦オール連対!福島最終週もVへの好感触!
2020/7/17(金)
やっぱり夏の福島は好相性?今年は変則開催の余波で僅か3週間の開催となる2回福島。戸崎騎手は乗り鞍もフルに入れていない中でも、ここまでトップタイの5勝、勝率20%超えの数字を残している。最終週は怪我からの復帰後、最多とはなる13鞍の予定。ここまで除外や騎乗予定馬の回避なども見受けられるが、次週からの新潟へ向けて繋がるパフォーマンスを期待したい。
最終週は13鞍を予定 久々のコンビに好感触の素質馬も
——先週の福島は日曜の馬場が悪化して難しい条件になったと思いますが、一方の土曜が6戦6連対!個人的な見解の違いはあって当然でしょうが、ラインナップを思えば全て連対したことは素晴らしい結果だと僕は思いました。
ありがとうございます。僕も5鞍目辺りからは気づいていて、やれるならば全ていきたいと思っていただけに良かったです。ただ、土曜の最終レース辺りから雨が降ったようで、夜中も雨が続いたのかな?日曜に関しては馬場がかなり悪かったですね。ただの道悪というよりは僕があまり好きじゃない、上滑りするような馬場だったので馬の得意、不得意はハッキリしたと思いますよ。
——今週も天気の移り変わりは気になるところですが、引き続き福島での騎乗となりますね。土日で13鞍の予定となり、追い切りまたは実戦で騎乗したことのある馬自体が決して多くはないですが、教えていただけますか。
毎週のように雨が降っていますし、今週も降らなかったとしても馬場はかなり悪い状態じゃないかと思いますね。天気予報も目まぐるしく変わるので、どんな天気になるのかも分かりづらいですよね(苦笑)。
(土曜2Rの)リングアベルは継続して安定していますし、相手次第じゃないでしょうか。モマれる形になってもこらえられるタイプですね。(いわき特別の)スパークオブライフは福島に替わるのはプラスだと思います。ただ、小柄な馬でもあり、今の馬場はどうかな、という心配はありますね。
——日曜(5Rの)メイサウザンアワー、(横手特別の)ロンゴノットと追い切りに乗られたそうですね。ロンゴノットは新馬勝ち以来のコンビ。新馬の勝ち方が良かっただけにジョッキーが負傷されて以降も3歳ダート重賞に出てくるかと期待して個人的には注目していました。
▲新馬戦以来の実戦での騎乗となるロンゴノット
まず、メイサウザンアワーは一週前の追い切りですが、いい動きでしたよ。気性的な心配も感じませんでしたし、今の馬場も心配ないんじゃないかと思います。ロンゴノットは新馬でとても強い勝ち方をしてくれました。追い切りの感触でいえば、このクラスにいるレベルではないと思いますが、それだけ気性だったりで、力を出し切れていないんじゃないかと思います。仕上がりは問題に感じませんでしたし、能力そのものは福島コースの相性どうこうというレベルじゃないと思っただけに、力を出し切れればいいですね。
先週は3勝+オール連対の土曜から一転、日曜は重馬場に泣く
——先週のレース回顧もよろしくお願いします!先週土曜はゴルトベルク、ナーシサステソーロ、セクシーフェイスと3歳勢での勝利となりました。
ゴルトベルクは追い切りの段階から力を感じていました。競馬にいったら随分元気のいい馬だなと思いましたが、追い出してからは長く脚を使ってくれましたね。ナーシサステソーロはダートに戻るのは良いんじゃないかと思っていました。本当は逃げようかと思っていましたが、囲まれてあのポジションに。ただ、その分リズムも良く、上手く脚も溜まっていましたね。セクシーフェイスは(スローペースになったが?)流れがスローになったのは、自分がそうさせたとも言えますけど、終始いい手応えで進められましたね。力みがちなところがあるとは戦前に聞いていましたし、位置を取りにいくことなく、リズム重視の競馬で。形的にも良い形にハマってくれましたね。
土曜のその他のレースでいえば、レオテソーロはダート向きというのもあるのでしょうが、芝の1200mという条件は忙しかったですね。
——先週の日曜は七夕賞(G3)のパッシングスルーと再コンビ。馬場の進路を選んでの競馬になりましたね。
レース前に先生と話して、枠も内目ということもあり、そのまま枠なりだと馬場の悪いところを通ってしまうし、道悪だと進みの悪いタイプ。出して行かず後ろからで良いくらいの考えで一致してしまいました。ただ、スタートも出てくれて、その後の行きっぷりが良かったですね。リズムも保っていましたし、引っかかるというわけではないにしても、馬もムキになって走っていましたね。返し馬で元気の良いところがあったりする性格はもともとですが、レースでも思っていたより行きっぷりが良かった印象です。レース自体は馬場のいいところを選んで走っていましたし、交わされてからも食い下がっていたので、頑張って走ってくれたとは思います。
——先週日曜では新馬のグランスエーニョ、1勝クラスのルヴェルソー、織姫賞のシンハリングと重馬場でのレースが続きましたね。ルヴェルソーは特に馬場に苦しんでいるように思えました。
ルヴェルソーは脚をとられてしまいましたね。馬の調子が良さそうなだけに残念な条件でした。グランスエーニョも同じく馬場は向かなかったですし、調教で乗せていただいたときよりも子供っぽい気性を出していましった。もっと道中の進みの良いタイプだと思っていましたからね。シンハリングは以前に道悪で走っていたようですが、3~4コーナーで他馬に来られたら、抵抗できる脚がなかったですね。道中でエネルギーをロスしたのか、入れ違いのあるレースでロスしてしまったのかわかりませんが……。
——シンハリングは長期休養明けから2戦目。ただ、馬体重は増えたままでしたね。
そういうところも影響したかもしれません。パワーはあるのに素軽さがない。そんなイメージでしたからね。
——今週は13鞍の騎乗予定。たった1つの差とはいえ、復帰後、最多の騎乗数ですね。これまでにもありましたが、3鞍連続を含むスケジュールです。
まだ騎乗数を絞っているところはありますが、随分状態も良くなりましたからね。ただ、先週も土曜だけ暑かったんですけど、3鞍乗ったらちょっと目が回るようなところがありましたね。これで4つ目にいったらキツいなと思う感覚でした。
——復帰へ向けてそれだけ体を作ってきても、ですか?
とはいっても長時間走ったりしているわけじゃないですし、鍛え足りないんでしょうね。休んで体力は落ちているでしょうし、もっと上げていかないといけないなと。レース以外でも元気のいいところがある馬が続いたのもありますが、湿度が高いと疲れやすいのもありますよね。
——次週からは異例の夏の2場開催が続きます。乗り鞍を集めるのも簡単じゃないと思いますが、どうなりそうです?
おそらく増えることはないと思いますね。同じ開催場に集まるジョッキーの数も増えますからね。2場が終わったら、コンディション的にももう少し増えるんじゃないかなと。
——今のところ当面は新潟のみでの騎乗になりそうですか?
そうなりそうですね。地方交流も予定はないですし、地固めしていきたいですね。
——とはいっても、ここまで好走率、勝率はラインナップを加味してもなかなかの成績だと思います。
ハハハ、ありがとうございます(笑)。
——次週もよろしくお願いします!
ありがとうございましたー。
※次回は7月24日(金)に更新予定です!
※当コーナーは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点に基づき、電話で取材を行っております
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。