'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月11日時点1556勝
1年ぶりの新潟遠征は「異例」の開催 少数精鋭での騎乗に
2020/7/24(金)
今週から始まる新潟開催。今年は本来予定されていた五輪の影響で、開幕週から3週間ばかり新潟と札幌というスケジュールとなるが、単なる2場とはまた違う、東西所属馬が新潟に集まる異例のケース。今夏は順調に勝ち星を重ねていた戸崎騎手でも例外とは行かず、乗鞍は狭まるが、その中で存在感を発揮できるのか、注目だ。
戸崎騎手からのスペシャルプレゼント企画も実施中!詳しくはコチラ→→→
新潟開幕週は新馬戦で土日3頭に騎乗予定!
——今週から新潟開催。ただ、今週は単なる2場ではなく、東西から新潟に人馬が集まるので珍しいケースでの開催になりますね。
そうですね。夏競馬といえば、場所によって年々同じような顔ぶれになりやすいものですが、今年は3週間、また違った感じですね。違った面々と新潟で乗るわけで楽しみです。ただ、僕なんかは今までと同じように乗るだけですが、人が多い分、鞍置きのスペース問題がありそうでバレットは先週からも色々対策していたようですね。(調整)ルームもどれくらい部屋があるのか、実際わからないですけど、以前、中京などでは人が居すぎて若い子が相部屋になったこともあるそう。場合によれば、今夏もそんなこともあるのかな?ハッキリとはわかりませんが、3週間、違った状況の中でいい騎乗ができればと思います。
▲昨年夏の新潟初日はメインレースを含む3勝
——ということで、週末の騎乗ですが、土曜が3鞍の騎乗予定で新馬のチャペルレーンには追い切りに乗られていますね。
どちらかと言えば小柄な馬でしたね。新馬としては前向きさもありますが、追ってからがもう一つ伸びてほしいところですね。そこは使いつつ良くなるかもしれません。
——日曜ではコトブキテティスは自厩舎の管理馬で前回に続く騎乗。個人的には東京コースよりも内回りのコーナー4つに替わるのはいいんじゃないかと感じました。
以前乗っていたジョッキーや先生がコースについて、どう捉えていたか、そこは話をしていませんが、自分のイメージでもそう思いますね。追い切りも具合が良さそうですし、3歳未勝利戦は時季も時季なので何とかしたいです。
——6Rの新馬のフーラリや7Rのヒューマニズムには追い切りに騎乗されていますね。
フーラリはまだ気性もフットワークにも幼さが残りますが、追い切りは動けていますね。走ることに対する気持ちも感じますし、いいレースができればと思います。ヒューマニズムは大きな馬で560kgくらいあるのかな。初戦の映像もチェックしましたが、追い切りに乗せてもらっても、一度使ったことで良さが出ていそうです。不器用な面は否めないと思いますが、仕上がりも良さそうですよ。
——今週は想定段階から決して頭数が多かったわけではありませんが、ここのところ除外だったり、予定していた馬の回避など、実はちょくちょくありますよね。
そうなんですよね。今週も土曜のメインはメイプルグレイトに乗せていただく予定でした。残念ではありますが、馬ありきなので致し方ないところです。
福島最終週は惜しくも3度の2着・4度の3着
——福島最終週の先週は残念ながら未勝利。6月に入ってからは順調でしたし、コンスタントに結果を残されていただけに残念ではありますが、惜しい内容も多かったですね。
ここまで勝たせてもらってきましたが、やっぱり乗る以上は勝ちたいものですし、結果を出せなかったことは率直に悔しいですね。今週もこれまで例年乗せてもらってきたアイビスサマーダッシュの騎乗がないのは残念ですが、与えられたところでベストを尽くしたいですね。
——ということで、レース回顧もお願いします。先週土曜でいえば、ドリームメッセージは外枠ですし、ケチのつけようがない騎乗に思えましたが、惜しくも2着。他にも土曜は2度の3着がありましたね。
ドリームメッセージはまず、もう少し道中でリラックスして、なだめて走らせてあげたら良かったです。仕掛けどころについても、もう少し考えられたら。違った乗り方ができれば良かったかもしれません。「周りの馬を気にするようなところがある」と聞いていましたし、ジックリ出していくよりは、と思ったのですが、もう少し乗りようがあったと思います。
他のところでは、リングアベルは勝ち馬が強かったにしても負け過ぎ…ちょっと原因がわからないですね。スパークオブライフは福島に替わるのは良かったと思いますが、やはり馬場が堪えました。外に出せれば良かったのですが、内枠もあって勝負どころから出せなかったですね。
ロードアクアはこれまで同様、あと一歩という負け方になってしまいました。いいスピードはあるものの、体が緩いところがあって使い方がもう一つ。馬場も現状はもう少しいい方が良さそうです。アースコレクションはあの枠から内に入れた割に窮屈な競馬にはなりませんでした。どうしても、もうひと押しという結果になってしまいますね。
——先週日曜は新馬のメイサウザンアワーと新馬以来の騎乗となったロンゴノットで2着。他にも2度の3着がありましたね。
メイサウザンアワーはいかにも優等生です。返し馬から凄く乗りやすくて、レースでもこれといった悪いところがなく、運んでくれました。近い内に勝つチャンスがありそうです。ロンゴノットはあのペースだけに押し切ってほしいもの。勝っておきたいところでしたね。距離なのか、気性なのか。もっと走れていいところだけに、惜しいところです。ハナに行きさえすれば、今後も一定の走りはできそうですけど、甘さを考えると、今のままの条件でいいのかは考えどころ。距離を短くして、モマれてもいいから競馬を教えていくべきか、難しいところですね。
3着だったチャオコーリーは前に壁を造って乗れれば良かったのですが、ペースが遅すぎて我慢がきかず、前へ行く形に。我慢が利いていたリズムではなかったですし、リズムでよく運べませんでしたね。ただ、フットワークは素軽いですし、決して馬場も合っていたとは思わないので、未勝利を勝てる力はあると思います。
カルヴァリオはいいフットワークをしていますが、ゆったりとしたトビでこの距離はどうか、と感じたのも事実です。ただ、気性が勝っている馬で気持ちが乗り過ぎてしまう分、1200mに使っているのも納得です。レースはもう少しいい位置で運べれば良かったのですが、後方からでも狭いところからよく伸びてくれました。
——今週から新潟開催となりますが、相変わらず中央競馬は無観客開催が続きますね。他のプロスポーツでは若干数ではあるものの、集客をした上での催しも増えてきていますね。
プロ野球だったり、相撲はやっぱり指定席ということが大きいですよね。どこも対策はとっているでしょうし。競馬の場合は指定席があるとしても、同じ場所にとどまるわけじゃなく、どうしても位置が決めづらい部分もありますからね。そこが難しいところかと、僕は思っています。今は岩手でお客さんが入ったりしたようですが、東京も感染者数は増えていますし、関係者一人一人、気をつけていかないといけないと思います。
——関係者も夏競馬という土地柄での楽しみ方もあると思いますが、今年はなかなか例年通りにいかないですね。
前も話したと思いますが、例年なら福島開催は金曜にルームへ入る前に地元の食事を楽しんでから行っていたものですが、今年はそういった我慢も必要ですね。ただ、新潟は調整ルームの食事も美味しいのでもともと新潟の場合は寄らずにルームへ行っていましたけどね。
——今週は2週ぶりの勝ち鞍も期待したいところ。また次週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
※次回は7月31日(金)に更新予定です!
※当コーナーは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点に基づき、電話で取材を行っております
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。