'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
自然体で挑む2021年初日 中山金杯はウインイクシードと初コンビ
2021/1/4(月)
世間的にはコロナ禍一色だった昨年だが、戸崎騎手にとってはケガによる約半年ほどの療養、復帰を乗り越えたことが大きなトピック。その中で56勝、うち重賞4勝を挙げたことからも今年はさらなる飛躍を見込んでいいだろう。年明け初日から11鞍の乗り鞍と全体トップタイの騎乗依頼で初日を迎える2021年。まずは初白星の期待が懸かる。
――新年あけましておめでとうございます。昨年はケガの療養中に年明けを迎えられたと思います。今年はどうでしたか?
あけましておめでとうございます!昨年は復帰するまではアルコールを断っていたこともあり、寂しいお正月でしたが、今年はいい年明けになったと思います(笑)。お昼からダラダラと飲んでいたので量がどれくらいだったかはわからないですけどね。
――今年もコロナの問題はなかなか収束点が見えませんが、2021年、目標であったり、期するものがあれば教えてください。
いつも同じで代わり映えせず申し訳ないですが、特にないですね。ケガなく、一年を通して乗っていること。成績は一つでも多く勝ちたいですし、重賞やG1でも勝てればとは思いますし、例年と同じになっちゃいますね。でも今は(チュウワウィザードで)海外遠征も声を掛けていただいているのでまたその楽しみも持っています。その中で自分の騎乗についてもレベルアップしていきたいですし、ケガはしましたが、やってきた事が繋がってくれれば尚理想的だなと思います。
――復帰した昨年、乗り鞍や騎乗馬などを考慮すると、勝ち星的にはいいペースでまとまったんじゃないかと思います。
今まで年間100勝はさせていただいていて、途切れてしまったのでそこについてはまた達成したい思いはあります。
――またゼロからのスタートになる2021年シーズンの初日ですが、中山での騎乗になりますね。1Rのロングジャーニーはどうでしょうか。
前走も中山で良い走りをしてくれたようにチャンスは十分ですね。東京から中山に替わって連続好走となったわけですが、外枠でスムーズな追走ができたこともその要因かと。今回も枠については鍵になるかと思います。
――やっぱり新年の初日、騎手ならば「早く1勝したい」と思うものですか?
思うでしょうね。ただ、今年に関しては例年よりもそんな気持ちが薄いというか…。もちろん騎乗依頼をいただいているので成績を残さなくてはいけないのですが、良い意味で余裕がある感覚はしています。
――今まで以上に自然体で挑めるということですね。同じく未勝利戦から5Rのスーパービームはどうでしょうか。
前走は乗れませんでしたが、新馬戦の追い切り当時から良い感触はもっていました。先行力もありますし、スムーズな競馬ができれば力はある馬ですからね。距離も延びるのは問題ないと思います。
――7Rのフルデプスリーダー、招福ステークスのエクリリストワールと継続騎乗です。
フルデプスリーダーの前走は出遅れが影響してしまいましたからね。気をつけつつ、流れに乗せた競馬を心がけたいものです。エクリリストワールの前走は間隔が空いていたとはいえ、敗因がハッキリわかりませんが、力は上位だと思っています。
――ジュニアCのヴェイルネビュラは追い切りに乗られたそうですね。中山金杯(G3)のウインイクシードはテン乗りになります。
ヴェイルネビュラは雰囲気の良さはありましたが、まだ気持ち的に焦りを感じました。上手に走ってくれれば能力の高さを発揮できそうですが。ウインイクシードは結果を残しているコース・レースですし、どんな競馬でもできる強みを活かしたいです。
――2勝クラスの最終レース、ブルーエクセレンスの前走は勝ち馬こそズバ抜けていましたが、スローペースもこの馬にとってはマイナスだったのではないでしょうか。
良いところを出しきれないレースになってしまいました。自分から競馬を作れるタイプではないだけに、メンバーや流れに左右される面は否めませんが、前走の敗戦を踏まえた競馬ができればと思います。
――昨年のレースについてもお願いします。東京大賞典(G1)のデルマルーヴルですが、まさかのスローでしたね。
ペースが遅かったのが堪えましたね。自分もあれだけ遅くなるとは思わなかったですし、そこが一番厳しかったですね。
――ハッピーエンドCのモエレコネクターは人気薄での3着でした。
昇級初戦ではありましたが、以前乗せていただいた時に良い感触がありました。負けはしたものの、好走できたように通用する素質はあると思います。
――タイセイスラッガー、シュアーヴアリアと未勝利組はどうでしたか。
タイセイスラッガーは新馬より上手に走ってくれました。勝った馬は番手につけられてしまいましたし、あとちょっとですが。シュアーヴアリアもダートはこなしてくれて、惜しい競馬は続けてくれるんですけどね。
――ホープフルS(G1)のタイトルホルダーは4着でした。
一頭外に逃げて行く馬がいて、すぐ近くで走っていたので少なからず影響はしたんじゃないかと思います。その中でも上手に走ってくれましたし、力みの面もメンコの効果で前回より随分良くなりました。
――あまり先行する馬がいなかったと思いますが、ハナは避けたい考えでしたか。
決してそうじゃないのですが、(三浦)皇成の馬が勢いよく内から来ていたので押してでもハナにも行くことはないな、と。後ろを楽にさせてもいけませんし、臨機応変に対応できればとは考えていました。
――中山・東京・中山と走り、コース適性についてはどう感じられましたか?正直、新種牡馬のドゥラメンテ産駒でもあり、血統的には未知数だと僕は感じていますが、ここまで圧勝した実績や速い時計がない中で大崩れしていない安定感も感じました。
中山の方が良いんじゃないかと感じていましたが、まだどちらともとれないですかね。おっしゃるように安定していますし、レースは上手な馬。あとはどこまで成長してくれるか、ですね。
――今回はここまでとなりますが、9日からは3日競馬がスタートします。また4日後にはお話を伺えればと思いますが、改めまして今年もよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
※次回は1月8日(金)に更新予定です。当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。