'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
1月3日時点1570勝
「早く2勝目、3勝目を」 初日Vで3日間開催は勝ち星量産狙う
2021/1/8(金)
1月5日の開催初日は大挙11鞍騎乗の戸崎騎手。惜しくも上位入線多数で1勝止まりには終わったが、まずは2021年の初勝利を決められたことは何よりのようだ。3日間開催はフェアリーSの騎乗予定がなくなってしまったが、さらなる勝利を期待したい。
重賞騎乗予定馬は残念ながら除外 3日間開催は21鞍の騎乗!
――先日お話を伺ったばかりですが、5日の開催初日はジュニアCのヴェイルネビュラで新年の初勝利でしたね。
11鞍も乗せていただいたのでどこかで勝てればとは思っていました。むしろこれだけ乗っているのだから、勝たないといけないという思いはありました。まず1勝できたことはホッとしています。早く2勝目、3勝目を挙げたいです。
ヴェイルネビュラ自体は追い切りに乗せていただいて能力を感じていましたし、終いを活かした競馬ができればと思っていました。もう少し良い位置で競馬ができればよかったのかもしれませんが、中盤が緩む流れ。外めで動ける位置にいられたのは良かったですね。距離はもう少し延びても対応できるのかもしれませんが、僕の考えとしては現状これくらいの距離で競馬を教えていった方が良いんじゃないかと思います。
――昨年暮れから1日の騎乗数も二桁に及ぶケースが出てきました。
体的にも慣れてきましたし、そこは大丈夫です!
――今節は3日間開催。話題にしやすいレースが少ない印象もありますが、時系列順にお願いします。土曜2Rのサムライスピアー、3Rのディベルティールはいかがでしょうか。
サムライスピアーは自分から動けるタイプではないので展開頼みな面はありそうですね。ディベルティールは素質がありそうです。ただまだしっかりしていない部分があって、レースに行ってどう出るか。先々は走ってきそうな感触はありますよ。
――ニューイヤーSのビッククインバイオは連戦ですね。
重賞でも頑張ってくれましたし、引き続き同じハンデ。中山もこなしてくれたので今回も楽しみです。
――土曜最終レースのモクレレは今の芝も合いそうですね。
ずっと乗せていただきながら、なかなか勝ち切れないレースが続いていますが、パワーの要る馬場は合いそうですし、結果を出したいですね。
――日曜5Rのソーヴァリアントは今度こそ勝利を掴みたいところです。
追い切りに乗せていただきましたが、馬も良くなっている反面、気も入ってきた印象。力があることはわかっているので今度は勝ちたいですね。パワーもあるので芝の質は大丈夫ですが、脚質的に中山になる分がどう出るか、です。
――月曜日1Rのテリオスハート、3Rのタイセイスラッガー、5Rのアオイカツマと未勝利馬はどうでしょうか。
テリオスハートは前回、もう少しギアが入ってほしい感じがあったので使ったことで上積みに期待したいところ。タイセイスラッガーは惜しい競馬が続いていますし、あとは相手関係一つじゃないでしょうか。アオイカツマは先行力もあるし、競馬が上手ですね。
――月曜最終のウインリベルタで3日競馬最後のレースになりますね。
前走は先行してしぶといところを見せてくれたので、ああいう形が理想的ですね。あとはメンバー次第で上位があってもいいかと思います。
今年初の重賞は人気薄での3着好走
――5日のその他の競馬で伺うと、中山金杯(G3)のウインイクシードは外枠のロスもあった中での3着でした。
乗りやすい馬でしたね。展開も向きましたし、頑張ってくれたと思います。
――3歳1勝クラスのスルーセブンシーズは出遅れたものの、ペースが速かったですし、差しの利きやすい馬場だったんじゃないでしょうか。
そうですね。後手を踏んでしまいましたが、勝ち馬と同じような位置どりにいましたし、流れは向きました。元気の良い馬でトビも軽くて、体を使って走れますね。あとはもう少しパワーアップできればと思います。
――フルデプスリーダーはあの位置につけていましたし、結果的には斤量差がこたえましたか。
上手く逃げ切られてしまいましたね。今回はゲートを出てくれて、良い位置で運べたのですが。
――モズレジーナは距離短縮で挑んだレースでしたが、このコースとしてはペースが遅かったですね。
スローだったぶん、追走はそこまで苦労しなかったのですが、距離短縮にも対応できたと思います。前残りの中、よく追い上げてくれました。
――招福Sのエクリリストワールは前回の敗因が休み明けとすると、今回はペース的にも残れて良さそうなものですが…。
状態は良かったですね。今回は攻めもしっかりしてきたようですし、しっかり仕上がっていたと思います。馬場も前残り傾向でしたし、勝負しにいったのですが、同じような結果に。「路線を替えてみた方がいいのでは」とレース後には伝えました。
――最終レースのブルーエクセレンスは少し意外な内容でしたね。
ある程度位置をとって運べました。手応えからはもっと伸びないかと思ったのですが、外から馬が来たらまた反応。どうも気難しいというのとは違いますが、レースなりの走りになりやすい気性かもしれません。
――今週はJRA賞が発表されて、最優秀ダートホース賞にチュウワウィザードが受賞となりましたね。
良かったなと思います。一応、社会情勢もあると思いますが、関係者だけの表彰式もあるようなので開催されれば出席させてもらう予定です。
――社会情勢といえば今週の3日競馬は無観客になりましたね。
仕方のない状況かと思いますが、寂しくなりますね。今後も一人、一人が気をつけて早く通常の形に戻ればと思います。
※次回は1月15日(金)に更新予定です。当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。