'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
1月27日時点1583勝
1月は10勝スタート!2月1週目も東京新聞杯など土日東京で騎乗
2021/2/5(金)
東京開幕週は3勝、1月を終えて10勝を挙げた戸崎騎手。昨年こそ負傷療養で戦線離脱中だったが、1月は不思議と相性の悪い時季だったことを思えば、今年は上々の滑り出しだったのではないか。今週も引き続き東京開催で腰を据えて挑むだけに勝ち星を更に重ねたいところだろう。
●東京新聞杯など土日東京で16鞍に騎乗予定!
——先週の東京開催、開幕週は3勝という結果でしたが、今週もよろしくお願いします。週末の騎乗馬から伺っていければと思いますが、土曜7Rのアオイクレアトールは久々のコンビですね。
レース間隔が非常に開いている点は気になりますが、僕も新馬勝ちさせていただいて、その後も惜しい競馬が続いていますからね。力そのものは1勝クラスで通用すると思っています。
——春菜賞のルージュアドラブルは追い切りに乗られたそうですね。
新馬戦の勝ち方から楽しみにしていましたが、小柄な馬ですね。ただ、走ってしまえばやっぱり良いポテンシャルを持っていると感じました。
——早春ステークスのキタサンバルカンは随分久々の騎乗ですね。
追い切りに乗せていただきましたが、以前より年齢を重ねたぶんか、渋さは気になりました。昇級2戦目でそこがどう出るか、ですね。
——日曜では3Rのノーティーガール、8Rのエトワールと以前に乗られていますね。
ノーティーガールは難しさこそ感じませんでしたが、モマれない競馬の方が良さそうですね。エトワールは怪我をする前に勝たせていただいた馬ですね。どんな競馬でもできるイメージはありますので力を出せるよう上手く誘導したいです。
——白嶺ステークスのオーバーディリバーは勝って昇級戦です。
前走の内容が良かったと思います。以前から期待していましたし、クラスが上がってもやれて良いと思います。
——最終レースのデルマクリスタルはどうでしょうか。
前回も話したかもしれませんが、ここに入ると少しクラス慣れは必要だと思いました。前回を踏まえて、どれだけ対応してくれるか楽しみです。
——東京新聞杯(G3)のサトノインプレッサは毎日王冠でも乗られていましたね。
当日のテンションやゲートを出てくれるか、という心配はありますが、改めて期待したいところですね。もう少し道中でタメが利くと良いのですが。
2021年最初の東京開催は3勝のスタート!
——先週の話題もお願いします。根岸ステークスのスマートセラヴィーはどうでしたか。
最近はモマれる競馬もしていなかったですし、モマれたくないな、と思っていただけの枠の並びは正直厳しいと思いましたね。ただ、それでも先行はできたのですが、ここ最近で右回りばかり走っているせいか、ずっと外に張っていました。阪神で勝たせていただいた際は内に刺さるようなところがあったとはいえ、今回はより真っ直ぐ走れていなかったですね。
——テルツェットはこれで3連勝になりましたね。
前回より落ち着きがありましたし、上手く流れに乗れました。最後の脚は目立っていましたね。まだ線が細いこともあり、体は大きくなってほしいですし、ゲートやテンションの心配は尽きませんが、能力は高い馬です。
——その東京の芝のコンディションはどうだったでしょうか。
少し硬さを感じましたね。とはいえ、逃げ切りはなかったですね。ダートについてはどんな馬でも走りやすいような脚抜きのよさがありました。
——セントポーリア賞のバジオウは相手が強かったですが、昇級でも2着と上位入線となりました。
少しばかりではあるものの、前走より体もしっかりしていましたし、バランスも良くなっていました。そのぶん、手前を変える回数も減っていましたね。この馬なりに良い走りはできています。
——4歳上1勝クラスで7着だったファストーゾは姉がミッシングリンクという血統ですね。
自分から、という前進気勢に少し欠けるのでもう少し長く脚を使えるような競馬が向いているかもしれませんね。
——パラノイドは新馬以来の騎乗でしたが、差し切り勝ちとなりました。
ダートに変わったことで良い走りでしたね。レース内容も良かったと思います。
——白富士ステークスのギベオンは59kgの斤量を背負って5着でしたね。
やっぱり乗り易い馬ですね。先生とも話して、枠を活かして好位で立ち回ろうという考えでしたし、競馬も上手。欲を言えばもう少し内が空いてほしかったですが、重い斤量だけに開いていてもスパッと切れるまではどうだったかなと思います。
——クロッカスSのブルーシンフォニーと2勝クラスのサトノパシュートはどうだったでしょうか。
ブルーシンフォニーは良い脚を持っていますが、あれだけスローはこたえましたね。サトノパシュートはもう少し乾いた馬場の方が持ち味は出そうです。
——プレフェリータは良い逃げ切りでしたね。
決して逃げにはこだわっていなかったんです。ただ、状態も良かったですし、馬の気持ちも前向き。リズムを阻害することなく運ばせたら、あの形に。現状でも走れて良いモノは持っていると思いましたし、今後は成長してくれればいいですね。
——そして、木曜時点で不穏な話題も飛び込んできましたが、チュウワウィザード・マテラスカイ・フランスゴデイナに騎乗予定のサウジ遠征についてはどうでしょうか。
今のところ、はっきりしたことはわからないのが実情です。今回は他の関係者の方が色々手配して移動することになるので、お任せしっぱなしという状況ですが、出来る限り早く決まってほしいとは思います。既にクリストフ(ルメール)にはコースの特徴を聞いたり、自分でも映像を見たりはしているのですが…。せっかくの機会、実現してほしいものですが。
——もうレースも迫ってきていますからね。流石にこのご時世なので、難しい情勢ですが、次週のお話を聞く頃にははっきりしているはず。次週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
※次回は2月12日(金)に更新予定です。当コーナーは電話で取材を行っております。
ここで競馬ラボからのお知らせです。戸崎圭太騎手のJRA通算1100勝を記念してマスクを作成しました。近日、読者プレゼントを予定しております。詳しくはサイト内で発表予定。お楽しみに。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。