'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
今週から一時の戦列復帰!中山牝馬Sはドナアトラエンテと再コンビ
2021/3/12(金)
サウジからの帰国後、隔離期間を経て今週から現場復帰した戸崎騎手。2週後に迫るドバイ遠征も決定したため、日本で乗るのも僅かな期間ではあるが、今週土日の中山、次週の交流重賞と中京と中山を予定している。中山牝馬Sでは有力馬の騎乗依頼も受けており、他にも勝ち星が期待できそうな布陣。久々の日本で存在感をみせつけてほしいところだ。
土日中山、次週は船橋でダイオライト記念に騎乗
——今週から帰国後の自主隔離期間が終えて久々の騎乗になりますね。
やっぱり外はいいですね。怪我以外でこれだけ空くのはあり得ないことですし、水曜の追い切りも違和感が出てくるのかと思いましたが、意外や問題なかったですね。息も大丈夫でしたし、自宅でやっていたことが良かったのかなと思います。トレセンでは2週間もいなかったので忘れられてないか心配でしたが、たくさん「おめでとう」と声をいただきましたね。
——以前も試されていたそうですが、今回は隔離期間を演出するかのようにヒゲもまた生やされていらっしゃりましたが、なかなか濃いですね。
そうなんですよね(笑)。あれでも自分で調整しているのにあれくらい生えるんです。
——今週は土日ともに中山での騎乗ですね。まず土曜3Rのシュルードアイズはどうでしょうか。
前走は随分と着順を落としてしまいましたね。原因はハッキリとわかりませんが、能力のある馬だと思っています。久々を使った分の上積みもあるでしょうし、体が大きくてトビがユッタリとした馬なのでのびのび走らせたいです。
——鎌ヶ谷特別のフルデプスリーダーは惜敗が続いています。
ここ2戦は惜しい内容が続いていますが、しっかり流れに乗せて、いいレースをさせたいですね。
——日曜1Rのビリーヴインミーは新馬戦で3着でした。
前走は新馬ながら上手に競馬をしてくれました。間隔は空きましたが、一度叩いた上積みに期待したいです。
——7Rのシャドウファックスや東風Sのアトミックフォースは追い切りに乗られたそうですね。
シャドウファックスは気性の難しさなどは感じませんでしたし、気持ち良さそうに走っていましたね。モタれたりと課題もあるそうですが、1200mの距離にも対応できるんじゃないかと思います。アトミックフォースはオープン馬らしい乗り味でした。あとは距離に対応できるかどうか、ですね。
——房総特別のシンハリング、アネモネSのルチェカリーナは再び乗られることになりますね。
シンハリングは能力のある馬でしょうし、少しワンペースなところを踏まえて乗りたいですね。本来なら東京より中山の方がいいのかもしれませんが、コーナーまでスピードに乗せていくことを考えると、広いコースの方がいいのかもしれませんね。
ルチェカリーナは中京で良い末脚をみせてくれましたし、前走も1600mに対応していましたから楽しみですね。おそらく今回も後方からの競馬にはなると思います。
——中山牝馬ステークス(G3)はアルーシャの予定から一転してドナアトラエンテに騎乗されますね。
以前乗せていただいた頃から能力は感じていました。当時の課題としては随分と若さが目立っていたのですが、ここ最近のレースぶりから落ち着きが出てきたのかなと思います。
全姉のジェンティルドンナと乗せていただいたタイミングが違うこともあり、とても似ているとは思いませんでしたが、フットワーク自体はドナアトラエンテの方が良いと思ったくらいです。ドナアトラエンテも年齢やキャリアを重ねて、馬体も成長しているようですし、今回乗せていただくことでまた違った印象を感じるかもしれませんし、楽しみですね。
——次週、船橋のダイオライト記念(Jpn2)にはエルデュクラージュで挑まれます。
初めて乗せていただきますが、長い距離は合いそうに思いますし、リズム良く運びたいですね。
隔離期間を覚悟でドバイ遠征を決意
——そして、今日3月11日は東日本大震災から10年です。
上手く言葉で現せられませんが、被災者の方々はいまだに苦しい思いをされていると思いますし、ニュースを見ると復興もまだまだなのかなと思います。先日も大きな地震があり、怖い思いをされたと思いますが、早く日常が戻るように願いたいです。
——先日はルーキーのジョッキーたちがデビューしましたが、若手騎手が苦労するといえばどんなところですか。
自分が描いていたものとのギャップが大きいと思います。スピード感や緊張感なども模擬レースとは違いますから、そこで悩みがあったり、苦労があると思いますね。今年は初騎乗初勝利をしているジョッキーがいたのは大したものだなと思いますが、やっぱりいざレースに乗ると感じも違うでしょうから。勉強しつつ成長していってほしいですね。
まあ、僕の場合は大井ですけど、初騎乗初勝利でして、そこで調子に乗っていたんですよね。そこから良い馬にも乗せていただいて、簡単に考えていたから大怪我もしちゃったので。やっぱり周りもあっての競馬ですから、事故や怪我のないよう乗ることも大事ですね。
——次週は中京でファルコンSにも騎乗されるそうですが、その以降にはドバイ遠征も控えています。スケジュールはどうなりそうですか。
詳しく把握していないんですが(笑)、飛行機に乗る時間さえ把握していればいいかなと。今回も日曜の競馬が終わったら飛行機に乗る予定です。今回も乗り継ぎでだいぶ時間があるようです。
一度サウジアラビアに行きましたし、また違う場所ですけど、前回ほど不安よりは楽しみを持って向かえますね。聞くところ今度はお酒も飲める場所もあるようですし、前回よりは現地での過ごし方も柔軟にできそうなので、良い遠征になればと思います。
——また2週乗って、ドバイにも乗ったら隔離期間は控えているわけで、ドバイ遠征を決断するにも決意が必要だったんじゃないですか。
そうですね。去年も直前で中止になったので、どうかと思うところはありましたが、やっぱりサウジアラビアを経験できたことも決めた要因の一つではあります。
——遠征前にJRAでも勝ち星を重ねられるよう期待しつつ、また次週もよろしくお願いします!
ありがとうございます。
※次回は3月19日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
ここで競馬ラボからのお知らせです。久しぶりに戸崎圭太騎手への質問を募集します。質問のある方は件名に「週刊!戸崎圭太質問係」と本文内にお名前(ペンネーム)を明記の上、以下のアドレスにメールをお送りください。
keita_tosaki@keibalab.jp
質問内容は複数でも問題ありません。今回の締め切りは3月28日(日曜日)までとします。メールをいただいた方から抽選で3名様にプレゼント(戸崎圭太騎手JRA通算1100勝達成記念グッズ)もあります。当選者は発送を以てかえさせていただきますが、該当の方にはこちらからメールを差し上げます。沢山の質問、お待ちしております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。