'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
今週から戦列復帰!皐月賞はディープモンスターと初コンビ!
2021/4/16(金)
今年2度目となる海外遠征からの隔離期間を終え、今週から実戦に復帰する戸崎騎手。既に水曜日には美浦トレセンで調教、大井競馬場で東京スプリントに騎乗しているが、今週末は土日ともに中山での乗り鞍が予定されている。皐月賞は4戦3勝のディープモンスターに騎乗するが、ジョッキーにとって3年ぶりのクラシック制覇に期待が懸かるところだ。
JRAに先駆け大井の交流重賞で久々の騎乗
——コロナによる海外帰国後の隔離期間を終えて、昨日から現場復帰されましたね。まず、大井競馬場で行われた東京スプリント(Jpn2)でノボバカラに騎乗。8番人気で4着という結果でしたが、前走で大敗していたことからすると、見せ場のある内容には驚かされました。
ここ最近がズブさを感じさせる走りで、正直苦しい戦いになるかなとも感じていましたが、返し馬にいったところ雰囲気が良かったんです。これなら楽しみなレースになるな、と思いましたが、イメージよりも進みも良く、あの着差だけに頑張ってくれましたね。
——それにしても復帰日にあれだけの悪天候。人馬共に大変でしたね。
いや~雨も風も凄かったですよ。雷も鳴っていましたから。でも、ノボバカラはこういう馬場でも対応してくれました。
——ジョッキー的には昨日から外出が可能になり、朝は調教にも騎乗されたということですが、週末を前にこうして実際、レースに乗れたことは土曜への入り方も変わりますか?
やっぱり乗れた方が感覚的には良いですね。流石に体力面の問題はありませんが、ぶっつけて週末に挑んだ前回のサウジ帰りよりも良い感覚で挑めると思います。
——そして、今週末、皐月賞(G1)にはディープモンスターに騎乗されますね。
今年もG1で有力馬の騎乗依頼をいただけることを嬉しく思います。既に3勝しているように能力は示していますし、乗せてもらえるのが楽しみです。
——前回のすみれステークスを見ると、外に逃げたり、精神的に若さが残る印象がありますね。
それは感じます。幼さは随分と感じますし、良くも悪くも未知数な部分はありますね。レースっぷりも瞬時に反応していない辺りなどを含め、現状の走りからすれば中山芝2000mは向いていないかもしれません。ただ、その中でも勝ち切っていることを思えばポテンシャルは高いと思いますし、まだまだ伸びしろはあるんだろうとも言えますね。
——枠は11番からのスタートになりますね。
馬に乗ったことがないので、どうこう言い難いところですが、先週のレースを見ると内が荒れているので、内過ぎないのは良かったんじゃないかと思います。決して何が何でもハナというタイプはいないものの、皐月賞らしく締まった流れになるように感じています。雨予報もありますが、ある程度なら道悪にもこなしてくれそうな気はしますね。
復帰1週目は土日中山で騎乗!
——土曜の騎乗馬では2Rのジジ、3Rのブルーガーデニアと所属の田島厩舎の管理馬ですね。
ジジは初ダートがどうかですが、未勝利は勝てる能力はありますからね。早く勝ち上がらせたいという思いです。ブルーガーデニアは乗せていただいたことはありませんが、昔から調教では動くと言われていましたからね。どんな走りなのか、楽しみです。
——5Rのディアナグランは初出走馬ですが、追い切りに騎乗されたそうですね。
未勝利では通用する走りは感じましたよ。馬なりでの追い切りで速いところにいってどうかですが、まだトモの緩さはありながらも素質は感じました。ダイワメジャー産駒っぽい走りと感じましたね。
——山藤賞のゲンパチリベロ、下総ステークスのダノングロワールとどちらも騎乗経験はあります。
ゲンパチリベロは未勝利勝ちが強い内容でしたね。土曜の天気や馬場がどうなるかわかりませんが、前走を見る限り、晴れても走れそうですね。ダノングロワールは久々過ぎて、前のイメージが役立つかわかりませんが、ダートも決して悪くなさそうに思います。
——日曜2Rのディベルティールはいかがでしょう。
追い切りでは休み明けの感じはありましたね。ただ、前回もレースに行って良い走りでしたし、あとは展開やメンバー次第というところでしょうか。
——そして、今週から日本での騎乗も再開となります。サウジに続く海外帰国後からの隔離期間の過ごし方は前回と違いはありましたか。
前回は部屋の掃除などをやったりしましたが、今回は慣れたものでそんなことはせずにマイペースに過ごしましたね。(同じドバイへ行った北村)友一君なんかは「暇過ぎる」と言っていたようですが、それを思えば僕は比較的こういう過ごし方も合っている、インドア派なのかなとも自覚はしました。
——とはいえ、最近覚えられたというネットフリックスの視聴以外、言えるもの、言いたくないもの(笑)を含めても、そんなにできることはないですよね。
まあ、そうですね。スマホゲームとかも好きじゃないですから。ネットフリックスといっても何を見ていいかわからないですからね。『24』もシーズン6までいったものの、もうこれからはそこまで続けて見ていられませんからね。まああまり頭を使いすぎるようなストーリーは好きじゃないし、SFも得意じゃないんですよ。恋愛モノも見ませんから。実話で感動できるようなものは好きですけどね。
——お子さんからのオススメはないものですか。
ないですね。だから子どもたちは鬼滅の刃は見ていても、僕は全く見ていないですから。まあ、24だって20年くらいまえの作品なんですよね?
——そうらしいですね。ただ、著名な方はスマホを持っていない人がいたり、どこか一般の人と違う常識があるのもまた個性でもありますからね。
いや、まあ如何に世間を知らないか…。興味がないと覚える気がないってこともあるんでしょうけどね。
——今週はゴルフで松山英樹選手がマスターズを日本人として初優勝されましたね。
リアルタイムで観ていました。初めてだから凄いことだと思います。そこを目標にして達成したわけですから……。その瞬間をテレビ越しでもみせてくれたことに幸せに感じますし、良いモノをみせてもらったなと。
——一時はゴルフキャラで売られていた戸崎さんも感動があったわけですね。
ハハハ、ゴルフって人によって性格がわかる、と言われるくらい精神面が凄く大事なスポーツのように感じます。個人競技でもありますし、それを海外の地で成し遂げるわけですから、偉業だなと感じましたね。
——戸崎騎手も海外帰り。「世界の戸崎」としてまた日本の舞台でも活躍してほしいですね。
世界に「行ってきた戸崎」ね。そういうのは世界の人に認められて言うもので。久々に乗られるのは楽しみですよ。週末が待ち遠しいです。
——また次週もよろしくお願いします!
※次回は4月23日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。