'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
天皇賞&かしわ記念は惜敗 今週から5週連続東京G1へ!
2021/5/7(金)
カレンブーケドールと挑んだ天皇賞・春は3着、ソリストサンダーと臨んだ交流Jpn1のかしわ記念は2着だった戸崎騎手。いずれも見せ場十分の内容ながら勝利には惜しくもあと少しだった。今週から5週連続G1の幕開けとなるが、再び好勝負となるだろうか。
かしわ記念は不利に泣き 自らの競馬に徹した天皇賞・春
——この一週間は土曜が東京で日曜が阪神。水曜日は船橋でかしわ記念に騎乗されましたが、G1(Jpn1)では惜しい競馬が多かったですね。まずソリストサンダーに騎乗されたかしわ記念から振り返っていただけますか。
数年ぶりに乗ったら当然のことですけど、馬は順調にきているといいますか、成長を感じましたね。うるさいというよりは元気が良くて、雰囲気の良さがありました。
向こう正面での不利は痛かったことは事実ですね。内にいた馬は外に出たい、外の馬は内から出てくるのは締めたい。両方から挟まれるような形でした。ただ、馬の精神力も強くて、そこからリズムを取り戻して、手応え良く最後はしっかり伸びてくれました。惜しい競馬でしたね。
——一時は東京開幕週のオアシスSを予定していました。コーナー4つのダート1700mも走っているだけあってコースも良かったですか。
コース適性はあったのでしょうね。ただ、どんな競馬にも対応できそうに思えました。ワンターンも良さそうですし、力を付けていることは間違いないです。やっぱりあれだけ不利を受けても走る気持ちが凄く良い馬だなと。レースセンスも良いと思います。
——それだけ大きな不利だったということですね。
ただ、「不利、不利」と言っても、自分がそこにいたわけですから。そう言い続けても仕方ないですけどね。回避できるアクシデントだってあるので。
——水曜日は雨もあったり、風も強い日でしたが、馬場状態はどうでしたか。
雨はパラパラ降っていましたかね。ただ、馬場については重くもなく、含水量が高すぎず、ちょうど良いくらいに感じましたよ。
——そして、敗れはしましたが、勝ち馬のカジノフォンテンは舞台となった船橋競馬場に縁の深い人馬でしたね。
10年ぶりの地方馬の制覇ということで。負けたことは悔しいのですけど、皆、船橋のチームですし、厩務員さんも(10年前の勝ち馬の)フリオーソを担当されていた方でもあり、調教師も昔は一緒に乗っていたことがありますし、何かめぐり合わせみたいなものは感じましたね。
——10年前の戸崎騎手は大井競馬所属ながら安田記念も制覇。凄く昔に感じますね。そして、天皇賞・春(G1)のカレンブーケドールはどうだったでしょうか。
自分の思い描いていた、イメージ通りの競馬はできました。結果、負けているのでそれが良かったのか、悪かったのかはわかりません。ただ、初めての距離、初めての斤量でも崩れず、どんな条件でも好走するカレンブーケドールには頭が下げる思いです。
先週の段階ではあまり雨が降らない方が良いように言ったと思いますが、天気も保ちましたし、馬場は悪くなく、内枠を活かせるコンディションでした。数字的にペースは速く見えると思いますが、馬のタイプを考えると合っていたと思いますね。
最近のレースぶりをみると、良い意味で一生懸命走るところがあるように感じていました。スローであまり窮屈な隊列になると良くないと思いましたし、スローは避けたかったですね。それなりにペースも流れて良いところが出せたと思います。
——逃げたディアスティマがあまりに手応えが良く、後方の連対した馬も脚を伸ばしてきそうでしたが、4角で一時先頭に踊り出た時は勝ちも意識できましたか。
いや、流石にそうは思えなかったですね。先着された馬たちは距離が延びた方が良さそうに思える走りをしていましたからね。でも、繰り返しになりますが、僕としては自分のレースはできたと思っています。
土日東京メインは3歳戦 バジオウ&ヴェイルネビュラとのコンビ
——週末は東京競馬場での騎乗になりますね。土曜7Rのサクララージャンは前走が惜しい内容でした。
前走は折り合いに気をつけながらの競馬でしたが、上手に走ってくれました。1勝クラスで通用することは確かだと思いますし、引き続き良い走りを期待しています。
——日本ダービートライアルのプリンシパルSにはバジオウで挑まれます。
1着馬にしか優先出走権がありませんし、そこは意識したいもの。前走は重馬場でしたが、馬場が多少悪いくらいなら走れると思いますし、むしろ良馬場ならそれは歓迎。東京コースは走り慣れたものですし、巻き返してほしいです。
——日曜2Rのハイドアンドシーク、6Rのホテルカリホルニアとどうでしょうか。
ハイドアンドシークは不器用な面を受けましたが、そこがどうなっているか。力はあると思います。ホテルカリホルニアの前走はもどかしい競馬でした。クラスが上がっても前走のような内容、着順になるようなタイプなんじゃないかと思いますが、ここは勝ちに拘る競馬をしたいですね。
——8Rのステラドーロ、湘南ステークスのトーセンリストと久々のコンビですね。
ステラドーロは僕が乗せていただいた時は良い内容でした。そこからまた昇級しているので、現状でこのクラスでどれだけやってくれるか、ですね。トーセンリストは以前乗せていただいた際は不甲斐ない内容でした。それだけにまた乗せていただけることを嬉しく思います。凄く乗りやすい馬ですが、どちらかといえば1400mの方が良いイメージはあるだけに距離がどう出るか、ですね。
——ブリリアントSのエルデュクラージュは交流重賞でも好走しましたね。
良い馬ですね。コース実績があるようにダートの長丁場なら安定して走ってくれそうです。
——NHKマイルC(G1)にはヴェイルネビュラで挑まれます。
1週前追い切りでは少し緩さが残っていると感じましたが、しっかり追い切れたので変わってきてくれればと思います。前走は不得手な馬場でしたし、外差し傾向の中、内枠から内を走らされました。まだ3歳とはいえ、同世代の馬たちよりも完成し切れていないところは否めませんが、頑張ってほしいですね。
1週前追い切りに臨んだヴェイルネビュラと戸崎騎手(右)
先週は東京&阪神で3勝!
——先週のその他の騎乗についてもお願いします。端午ステークスのルーチェドーロは例年の通り、好メンバー揃いでしたが、展開も向いたとはいえ同じような脚質の馬でもより後方にいた事を思えば位置取りもちょうど良かったですね。
返し馬から体を使えるようになっているなと良い感触がありました。あのくらいの位置なら追走は叶いますし、惜しい競馬が続いていただけに勝ち切ってくれて良かったです。
——プレシオーソは前の馬も強かったですが、先行有利の中、差してきていましたね。
少し体に緩さがあってテンには置かれてしまいますが、最後は良い脚でした。以前はダートで走っていたようですが、今後、どう変わっていくのか楽しみですね。
——アマービレは前の2頭が引っ張ってくれて、それを外目3番手から見る形でしたね。
陣営が距離を延ばしたことが大正解だったように感じます。追走も楽でしたし、最後までしっかりとした脚取りでした。
——ナイスプリンセスは素晴らしい騎乗。道中で勝ち負けを確信しました。
ハハハ、そうですかね。展開は向いてくれましたし、馬が良いタイミングで自分から動いていってくれたんです。東京1300mという条件も合っていたように感じます。
——ひとまず、今週はここまで。次週のヴィクトリアマイル(G1)にはマジックキャッスル、オークス(G1)には抽選対象ながらスルーセブンシーズに騎乗とのことですね。また次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
※次回は5月14日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。