'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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クイーンSはマジックキャッスルで重賞2勝目狙う
2021/7/30(金)
3週にわたって続く2場開催も2週目。今週は新潟、函館と転戦するが、古馬牝馬の重賞となるクイーンステークスではマジックキャッスルと挑む。近走の充実ぶりからも実績的には上位の立場。秋の大舞台へ弾みをつけられるだろうか。
久々の北海道 8年ぶりに函館で重賞制覇となるか
——まず今週は土曜が新潟、日曜はクイーンSに騎乗するため函館というスケジュールになりますね。まず、土曜の2歳馬エトワールジェンヌは新馬戦に続く騎乗ですね。
レースを終えた上ではダートの方が良い感触がありました。乗り味は良いものを持っていますし、ダートで良い結果を期待したいです。
——3Rのジジは3走前以来の騎乗ですが、惜敗が続きます。
もう一歩の競馬が続きますからね。そこを上手く手助けできればと思います。自分が乗った経験からもダートの方がいいとは思いますので。
——2歳新馬のソリスルクスは追い切りに乗られたようですね。
追い切りは動けていましたね。現状でどこまでやってくれるか、というところですが、気性的にはまだ子どもっぽさも残りますね。
——佐渡ステークスのゴルトベルクは以前にも騎乗していましたね。
小柄な牝馬ながら元気いっぱいのイメージ。走る気持ちも強い馬でレースはしやすいですね。馬場も幅広くこなしてくれる印象です。
——クイーンS(G3)ではマジックキャッスルに騎乗されます。
ここ数戦も安定した結果を出してくれていて、もう力は証明できていますからね。以前から思っていましたが、コーナー4つになるコース替わりもプラスだと思います。
——北海道シリーズでは5年ぶり、函館では8年ぶりの重賞制覇が懸かりますね。
今までの競馬からも先行するような形にはならないと思いますが、小回りコースなので上手く誘導できればと思います。前走も内枠から狭いところを出てきてくれましたが、脚質からもおそらく今回もゴチャつくような位置になると思います。その中で実績的にもしっかり結果を残したいです。
この世代初の2歳新馬勝ち!
——先週は2歳新馬のレディバランタインで勝利されましたね。
1400m除外で1800mになった分がどうかと思いましたが、上手に走ってくれましたし、今回ばかりは距離も大丈夫でしたね。気が入ってきそうなところもあるので、今後は気をつけたいところかと思います。ちなみに、追い切りからも感じていましたが、(父の)サトノアラジンとは違ったタイプですね。
——2着のタガノディアーナはどうだったでしょうか。
センスも良いですし素質を感じました。背中の使い方もいいですが、もう少し力を付けてほしいところはありますね。
——土曜メインの越後ステークスで2着のアスタースウィングは人気薄での好走となりました。
初めて乗せていただきましたが、道中で噛みやすいというか、掛かり気味になるとは聞いていました。実際、同じレースに乗ってもそんな印象はあったんです。返し馬でも確かにひと息で走りそうなところを感じましたが、実際道中はリラックスして走らせることができたと思います。スタートで遅れたことで楽にいけましたし、最後も脚を使ってくれましたからね。
ただ、本当は出遅れっていいことではないですけど、この馬については遅れるくらいで自分のリズムで走った方がいい脚を使うんじゃないかと思います。
——未勝利馬のサンフローリスはどうだったでしょうか。
使い詰めであの暑さ。状態面に課題があったんじゃないかと思います。早々と手応えが悪くなってしまいましたからね。
——近年ではパドックでのミストなど暑さ対策も進んでいると思います。熱中症のような症状や夏負けなど、実戦に行く前にわかるものですか。
いや~返し馬を終えてわかる場合、そうじゃない場合もあるのでハッキリわからないですね。
——未勝利戦だとどうしても連戦続きになってしまったりとローテーションの難しさもあるケースもありますが、どんな馬が体調を崩しやすいか感じますか。
こちらもなかなか走ってみないとわからないというところです。ただ、夏は牝馬といわれるように精神的な強さがある牝馬の方が崩れ辛いのかなと思いますね。
——新馬のウェストファリアは追い切りでは好評価でしたね。
ゲートが遅かったとはいえ、もう少し脚を使ってほしかったですね。ただ、追い切りが動くとはいってあまり調教で追っていないと速いところにいった場合に脚を使えないことが時にあると思いますが、今回はそのケースだったと思います。
——そして、今週は世間ではオリンピックの話題ばかりでしたが、ご覧になられたと思います。
昼間に予定があるタイミングでは観ていないですけど、普段夜はテレビをつけないのについつい観ちゃいますね。たくさん名場面があったと思いますけど、やっぱり中でも内村航平選手(体操男子種目別鉄棒予選)が予選で負けたことには一番驚いたといいますか、ショックを受けましたね。あとは乗馬もちょっと観ました。馬に乗る人じゃないと気づかないところだと思いますけど、扶助の出し方なんかは参考になるというか、新しい感覚がありましたね。
——次週は新潟での騎乗になると思いますが、引き続きよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
※次回は8月6日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。