'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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前年度覇者サトノアーサーと関屋記念へ!開催替わりの新潟も健闘誓う
2021/8/13(金)
2週連続で函館競馬場に遠征したが、エルムSはよもやの大敗を喫してしまう結果。残念ながら夏の重賞2勝目とならなかった。今週からは心機一転、新潟での騎乗が続くが、関屋記念ではサトノアーサーと久々のコンビとなる。昨年は怪我からの復帰後、初となる重賞制覇を挙げたのもこの馬であり、このレース。縁のいいコンビでパートナーを復活に導けるだろうか。
連覇懸かる関屋記念など土日ともに新潟で騎乗!
——先週は2週連続で函館への遠征。エルムS(G3)のソリストサンダーは今度こそ重賞制覇と期待したところでしたが、まさかのレース内容でした。敗因としてはどう感じられましたか?
レースはイメージ通り運べました。ただ、勝負所での反応がなく、走る気持ちがある馬としては意外な負け方でしたね。正直わからないのが本音です。
——かしわ記念では不利を受けてもひるまないところもありながら盛り返したように、走ることに前向きなタイプとおっしゃっていましたね。
返し馬の段階ではおとなしいと感じましたけど、レースでもああなるとはわかりませんでしたね。体調が悪かったとも考え辛いですし…。
——改めて巻き返しに期待したいものです。今週は土日ともに新潟。騎乗経験のある馬について語っていただきたいですが、土曜3歳未勝利のシングマイハートと最終レースのナーシサステソーロはどうでしょうか。
シングマイハートは乗り易いイメージがありますね。もう少し気持ちが入ってくるといいですが、その後も安定しているようですし、この時季なので何とか結果を求めたいです。ナーシサステソーロは条件次第といいますか、多少注文はつきますが、前回みたいにハマってくれれば走ってくれそうです。ただ、距離が少しでも延びることは課題になりそうですね。
——ナーシサステソーロは器用な分、小回りでロスなく運べると理想ですね。日曜の新馬アドマイヤザルミナは追い切りに乗られたようですね。
追い切り自体は動けています。ただ、ハミの取り方や走りのバランスにまだ不安がありますね。レースにいってどう出るか……です。気性面は特に問題なく大人しいです。
——最終レースのアセンダントは連続5着ですね。
もうワンパンチ足りない競馬が続いているんですよね。週末の雨予報も決してプラスには思えないところです。
——エルムS(G3)関屋記念(G3)のサトノアーサーは久々のコンビです。
1年前に勝たせていただいたように条件は合うと思います。僕自身、去年も久々重賞を勝たせていただいたのでまた同じような結果になればいいですね。
——週末は雨になりそうですが、乗る上で気になるポイントはありますか。
ゲートはもともとあまり良くないですね。馬場については走り方をみると、決して道悪が良いと思わないのですが、それでも勝っていますからね。ただ、馬場はどんな状態であっても上がりが掛かるようなレース展開が理想だと思います。
——関屋記念は末脚タイプだけでなく先行馬の好走も見受けられます。この馬に限らず新潟外回りのイメージも改めて教えていただけますか。
乗り易さと速い脚は必要だと思いますが、道中は必ず遅くなるので末脚だけで間に合うかといえば違うと思います。リラックスして運んで、先行して瞬発力を使えるような競馬が理想ですけどね。ただ、サトノアーサーは違うタイプでもそれで勝ってくれましたね。
あとはある意味、ごまかしが利くコースですね。新馬でも強い勝ち方をして、その後出世しないパターンもあるじゃないですか?やっぱりほぼ勾配もないですし例えば東京なんかと比べてもタフさは求められない印象がありますね。
函館競馬場では久々の勝利!
——先週の回顧もお願いします。潮騒特別のクープドクールはスムーズだったら、という内容でしたね。
上手く外に出せればよかったのですが、進路がありませんでした。もったいない競馬になってしまいましたね。このクラスでもやれると思います。
——テイルウインドは人気薄での勝利でしたね。函館競馬場では久々の勝鞍です。
ペースが遅くなった場合がどうかと思いましたが、ゲートもしっかり出てくれて、それなりに流れてくれてレースはしやすかったです。競馬も上手に走ってくれましたし、最後まで脚もしっかりしていましたね。
——高田城特別のイバルは2着。ラストは良い脚でした。
乗り易い馬ですね。相手は強かったですが、流れに乗れましたし良い感触でした。クラスを突破できるのも近いのではないかと思います。
——新馬のパーソナルハイは使いつつ良くなるのか、距離も長い方がいいのかどうでしょうか。
どちらも、ですね。使って変わりそうですしとにかく大人しい馬でしたね。もっと気が入ってくればと思います。
——先日をもって東京オリンピックも終わりましたが、色々チェックされたんじゃないでしょうか。
全体通して沢山メダルを取られたように日本人選手の活躍が目立ちましたし刺激になることも多かったですね。改めてスポーツの良さも感じましたし、いいモノを見せていただいたなと思います。今まで決してメジャーじゃなかった種目でも活躍が目立ちましたね。
——柔道の髙藤直寿選手は出身地が近い栃木県下野市出身のようですね。
近いですね。いや~それは知らなかったです。栃木からも大物が出てきたんですね。
——新潟開催は残り4週間。そこについてはどうですか。
ここのところは2場開催もあり、なかなか頭数もありませんでしたが、少しずつ増えると思います。未勝利戦も残り僅かですし、仕事を求められると思うのでしっかりこなしたいですね。
——天皇賞・秋ではカレンブーケドールに再び騎乗されるとのことですが、また次週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
※次回は8月20日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。